2015年8月1日

終戦の詔勅の玉音放送の原盤から再生された音声が 本日公開されました。
録音当日の正しい速度での再生ですので、正しく昭和天皇の肉声です。アセテート盤の劣化も少なく、最上に近い音声が得られた事は歴史的快挙ですが、アセテート盤の溝と再生用の針先の合致が少々甘い様にも感じられました。又、今迄の複製音源とは編集上の接合場所が異なっており、今回の方が自然です 。放送と複製盤製作時と今回の3回のみ再生された原盤(但し、正と副の何れが使用されたかは不明で、今回の2枚が正と思われます)故の鮮明な音質には感動しました。今回発見された6枚は終戦の詔勅の正2枚、副3枚と翌年の食糧関係が1枚で、溝の状態から盤の中心部から録音が始まるセンタースタート方式と確認出来ました。これは溝の切り屑を遠心力で外に飛ばす為で、1967年の「日本のいちばん長い日」では考証が不完全で外周から始まる方式で再現されました(更には中央のレーベルの柄も違います)。
今回の快挙により、終戦の詔勅は正しいピッチの鮮明な音声があらゆる場面で使用される事を希います。70年も要しましたが、嬉しい事です。

音楽史研究家 郡修彦