2014年7月25日

かねてより自主制作を進めて 来ましたCD「復刻盤 淺草オペラの世界」が無事完成し発売となりました。
淺草オペラとは大正中期に東京淺草にて隆昌を極めた演劇で、外国作品の縮小と創作作品の上演で大衆を魅了しました。明治期の歌劇と異なり、入場料が格安で、しかも高水準を目指しての試行錯誤や挑戦が試みられた点は正しく評価されるべきです。
文献による研究は昨今大いに進み、全貌の把握や詳細も判明してきましたが、音による資料は不足気味でした。当事者や声楽家による再現音源は随分ありますが、単に淺草オペラの演目を現代の感覚で再現したものばかりです。復刻はMTとCDが一回づつありましたが、復刻方法が稚拙であり、昭和期の再現演奏も収録されている等の不十分な点も散見されました。
その様な市場状況を精査の上で制作したのが今般の「復刻盤 淺草オペラの世界」です。
特徴としましては

全曲大正時代のレコードを使用した事。
原譜に当たり正しい調に合わせた事(外国作品は全て原調でした)
旧吹込ながら録音された音を最大限に引き出せる様に音質調整を施した事。
レコード盤の傷ノイズを除去して聴き易くした事。
各作品の詳細な解説を掲載し、使用レコードの情報も網羅した事。
当時の写真を多数収録した事。

以上は従来の復刻盤と大きく異なる点です。
御購入は「淺草オペラの世界」をクリックしますとCDのHPが出ますので、画面に従い御申込み下さい。
また、全25トラックの冒頭部分が試聴出来ますので音質を御確認下さい。
なお、神田神保町の「富士レコード社」にても販売中です。

音楽史研究家 郡修彦

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