2012年8月1日

先頃に一部保存にて完成した東京中央郵便局に本日始めて入りました。
完全保存は不可能でしたが、外観と一階内部が保存されており、出来具合を拝見致しました。
外壁の乳白色のタイルは1985年の大修理で大半が取り替えられましたが、今回は再利用と新規が混在している様に見えました。装飾を一切排した当時としては超近代的な外観を偲ばせるに十分であり合格点です。
一階の内装も竣工当時の高い天井を再現しており、照明の埋め込みは明るさの確保の為に止むを得ませんが上出来です。柱の石張りはよくよく見ましたら当時の材料を使用しており、細かい傷や欠落がありますが現役として十分でした。以前の建物の最終形態を熟知しているだけに竣工当時と現代を融合させた手並みの良さには感心しました。局内で販売中の竣工当時の写真を含んだ記念切手一式と比較しますと出来の良さが簡単にわかります。
東京駅と中央郵便局で往時の外観が揃ったのは嬉しい事です。北側に設計当時の外観の鉄道省庁舎を復原せしめると完璧ですが、これは無いものねだりです。
東京中央郵便局は一見に値しますので御勧めです。

音楽史研究家 郡修彦