2015年8月11日

日本モダンガール協會の淺井カヨ女史から表題の映像を見るべしとの連絡があり早速見ました。
出所は不明ですがGHQの撮影であれば撮影機材もフィルムも当時の最新・最高級であり、この画質は当然と納得しました。カラーでないのが何とも残念ですが、傷等の修正が見事で大変に美しい画像です。
さて、撮影時期ですが、人々の服装と影から真冬と判ります。軍服や国民服も見られますが、全体的に整然としており終戦直後の様子ではありません。自動車は戦前の車両を復旧したものと、進駐軍が持ち込んだ戦後型が混在しております。バスは1947年から都バスが使用したキャブオーバー型が見られ、京王帝都バスも戦後の新塗装です。都電は3000系の更新前ですので20年代前半と判ります。そして、女性代議士の今井ハツ女史の選挙ポスターが見られますが、東京から立候補したのは昭和24年1月23日に行われた第24回衆議院議員総選挙の時のみですので、その前後の撮影と判明しました。女史は昭和21年4月10日に行われた第22回衆議院議員総選挙で初当選しておりますが、この時は福井からの立候補です。
終戦から3年半を経て漸く全てが戦前の水準に復しつつある時期の貴重な記録が、極めて鮮明な画像で広く知られる事は嬉しい限りです。

音楽史研究家 郡修彦