4月7日投開票が行われる大阪府知事選挙と大阪市長選挙、いわゆる大阪ダブル選挙が熱を帯びています。自民党をはじめとする各党は前大阪府知事の松井一郎氏が大阪市長選挙、前大阪市長の吉村洋文氏が大阪府知事選挙に出馬する、クロス選挙を散々批判していますが、そんなことはどうでもいいと思います。



最大の焦点は大阪都構想が実現するか否かです。大阪都構想は体制刷新、行政機構の

大改造であり、これは政治の力でなければ絶対に実現できません。政治に大阪都構想という体制刷新を実現する力を与えるのが今回の大阪ダブル選挙なのです。



大阪都構想とは、大阪府と大阪市を統合することです。政令指定都市の大阪市を廃止して、大阪市域に中核市並みの権限と財源をもったいくつかの特別区を設置する。



そして、旧市の行政機能・財源のうち、広域行政に関わる部分を「大阪都」に、地域行政に関わる部分を「特別区」に、それぞれ移譲・統合します。



特別区の区長は公選制で選出されます。つまり、大阪市長が任命した区長が大阪市役所の人事異動で2年ごとにかわるのではなく、住民が選挙で選ぶのです。



この特別区は住民に身近な政策・事務を行う基礎自治体という位置づけです。中核市並みになるということは、現在、大阪市役所が握っている権限と財源のかなりの部分が区に移譲されるということです。



地方分権の先進事例になるということであり、住民により身近な区に権限が移管されることにより行政サービスが格段に向上します。何より、この区長は住民が選挙で選ぶわけですから、今とは比べ物にならないくらい民主主義的になります。



また、大阪都構想は既存の組織をなくして新しくつくりかえる改革です。強制的に大阪市の既存業務の見直しが行われることになり、その時点で、今までのしがらみ・既存の関係が断ち切られ、シロアリが自動的に駆逐されることになります。



そして、インフラや箱モノ整備、産業政策そして都市間競争に打ち勝つための戦略遂行を大阪都が一手に担い、世界との都市間競争に打ち勝とうとしています。



つまり、大阪を西日本の首都にして日本をけん引する東京以外のもう一つのエンジンにしようとする狙いがあるのです。大阪を東京と並ぶ東西の両極の一翼を担う存在にして、日本全体を底上げしていくのが大阪都構想なのです。これこそ究極の成長戦略です。



二重行政打破によるコストカット、成長戦略遂行そして分権民主化で大阪いや日本を再生させる改革が大阪都構想なのです。こうした改革を既存の政党はなぜ必死になって叩き潰そうとするのか、理解に苦しみます。



そして、大阪都が成立した先には、国の出先機関と関西都府県を統廃合した関西州政府の実現が見えてきます。大阪都というのは最終形ではなく、関西域の行政組織を再編するスタートラインにすぎないのです。



大阪都そして関西州が成立することによって、不幸せ(府市あわせ)と言われる二重行政及び国と都道府県の二重行政が打破されることになるわけですが、こうした問題は大なり小なり全国どこにでも存在します。



つまり、大阪都構想が実現すれば、行政機構の大再編劇が全国に広がっていくのです。それでなければ意味がなく、閉塞感を打破して日本再生に結びつけていくことはできません。



また、道州政府に国が持っている権限と財源を大胆に移譲しなければ、道州制は十分機能せず、活力は生まれません。必然的に霞が関から権限と財源を奪う=クーデターを勃発することになります。



大阪都構想は日本の統治機構をつくりかえるキッカケであり、日本の体制刷新に火をつける導火線なのです。幕末に長州奇兵隊が徳川幕府の大軍を打ち破って明治維新の扉を開いたように。



だからこそ、既存の政党は大阪都構想が脅威なのであり、何としても大阪維新の会を消し去りたいのでしょう。そうでなければ、水と油の関係である自民党と共産党が手を組むなど考えられません。大阪都構想はよほどやばい改革なのでしょう。



大阪市役所が解体されれば、労働組合は猛反発(支持団体である国民民主、立憲民主党含む)するでしょうし、市議会議員や府議会議員も自分の身分や選挙区がどうなるか分からないので気が気でないでしょう。



大阪都構想が実現すれば他の指令指定都市も無関係ではいられませんし、体制刷新の機運が高まっていけば、霞が関官僚も黙ってはいません。国政政党の支持基盤が揺らいでいくので危機感が募っていきます。



大阪都構想が全国規模の体制刷新に繋がっていくからこそ、既存の政党は必死になって抵抗するのです。そうでなければ国会であれだけ批判(罵倒?)し合っている自民党と国民・立憲民主党、社民・共産党が手を組んで大阪維新の会を叩き潰そうとするわけがありません。こんなもの理念の欠片もない野合でしかありません。



自民党と国民・立憲民主党、社民・共産党が手を組むこと自体が大阪都構想が既存の秩序をぶち壊す大改革であることを証明しています。自民党と国民・立憲民主党、社民・共産党は旧体制(アンシャンレジーム)を維持する守旧派に他ならないのです。



大阪維新の会が破れ、大阪都構想が挫折すれば道州制・地方分権は遥か先に遠のき、抜本改革が50年いや100年遅れてしまいます。それまで日本の国力が維持できればいいのですが。そうなったら子や孫の世代は絶望的な状況となるでしょう。



そして、大阪府知事・大阪市長選挙も大事ですが、同時に行われる大阪府議会議員選挙と大阪市議会議員選挙も重要です。大阪府議会と大阪市議会で大阪維新の会が過半数をとり主導権を握らないと住民投票を実施すること自体が難しいからです。



霞が関が日本を支配する中央集権体制がこれだけ行き詰っているにもかかわらず、日本の行政機構の抜本改革は遅々として進みません。体制刷新に繋がる大阪都構想が実現することを強く期待します。

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