以前、PTAの本部役員をしていました。
先生方と
一緒に動くわけではないのですが、
わりと学校の出入りが多く、
卒業式入学式では
来賓控室のお手伝いなどがあり
わが子のための参列じゃなくても
大舞台の裏方を手伝っていたりしました。
その時にみた、
卒業式の出来事をお話します。
通常、
もちろん、
個々のデリケートな事情は
表に漏れたりしません。
でも、
個別級の中でも少し重い子や、
不登校からなんとか少しでも
なんらかの形で学校に来られるよう
必死に頑張っている子は、
どこにでも、一定数います。
学校で
みんなが見聞きできる状態の中で
起きた出来事は、
子どもの口を伝って
各家庭に話が伝わりますよね。
なので、
時に大暴れしてしまう子の名前も知っているし、
身近な子が不登校になれば、
実は事情まで知ってしまうことだって
あります。
そんな中、
裏舞台をお手伝いした卒業式。
朝行ったら早速門の前で、
晴れ舞台に無事に出席できることが
嬉しすぎて…
すでに泣いている、
障害を持つお子さんのお母さん。
お世話になった先生と
喜びを分かち合う、
素敵な場面を見かけました。
こちらもすっかり
お祝いモードです。
式も順調に進み、
朝の役目を終えた後に
ついでに少しPTAの残り作業のため
校内を歩いていたときです。
号泣する声に気がついて、
そちらへ進むのをやめました。
ただ、
気づいてしまったので
少し聞いてしまったのです。
その涙の理由は、
自分の子の代わりに
卒業証書を受け取りに来た母の
行き場のないやりきれない気持ちでした。
関係ないし
聞いてはいけなかった。
でも私、
そのとき、
ひとりで泣きました。
その話を当時、
周りにできなかった。
今また、
卒業シーズンです。
あの親子が、
元気だといいなと思います。
今頃、
嬉し涙が増えていたら
いいなと。