現代の中国茶ブームは、中国でも1900年代に入ってからです。中国茶はその種類の多さから、わずか25年ほどの間にいろんなお茶が流行ります。中国人の新しいもの好きということから、わずかな期間で変化があるのです。
1980年代まで、全人口の約90%を占める漢民族が飲んでいたお茶はほとんど緑茶でした。緑茶は茶が生産される20の省と自治区で生産され70%以上が飲んでいたのです。
私たち日本人は中国茶というとすぐに烏龍茶を思い浮かべるのですが、それは1949年以後、1972年まで日中間に正式な国交がなかったため、日本人が中国文化圏に渡航することが自由にできるのは、香港・澳門・台湾などに限られており、その地域は烏龍茶の生産地域又は隣接してる地域だったからです。
中国には「お茶は国の飲み物」という言葉がありますが、1990年代に入ると中国は急速な経済発展から、お茶に対する需要が高まります。それまでお茶を十分に飲めなかった人々も皆お茶を飲むようになります。当初、農耕民族である漢民族の多くは不発酵茶である緑茶しか飲みません。歴史的にも明代までは緑茶(白茶や黄茶は少しあったようですが)しかなかったといわれています。
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