「明日の広告(アスキー選書)」(佐藤尚之著) | 中央線で通勤するぽんぽこ日記

「明日の広告(アスキー選書)」(佐藤尚之著)

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045) (アスキー新書 45)/佐藤 尚之
¥780
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 コミュニケーションに携わる人間を元気にしてくれる一冊。「プレミアム戦略」に引き続き、個人的なヒット本となりました(さとなお さん、こんなにいい本作れるんですね!)


 ダイレクトコミュニケーションでは当たり前のことですが、いわゆるブランドコミュニケーション領域においても、消費者(生活者)に立脚したコミュニケーションプラン・ストーリーを組み立て、あわせて最適なメディアを組み合わせてゆくことが重要になっています。この本は、その開発プロセスを極めてシンプルに整理できています。ここまでわかりやすい本、ないですよ。


中で紹介されてある「スラムダンク プロジェクト」のプランニング過程は非常に納得のゆくものでした。読者目線からのコンセプト(これは本書を読んでみてください)の視点に立ったからこそ、三浦高校のイベント、Webでの読者応援メッセージページ、6紙(朝日・読売・日経・毎日・産経・東京)15段広告、「Switch」での特集、DVD…全てが意味・役割を持って機能させることができたのだと思います。(余談ですが…「スラムダンク」ファンの僕は、「Switich」を求めて何軒もハシゴし、挙句の果てにはDVDまで買ってしまいました…。イベントに行けなかったのが、今もって悔やまれてなりませんw)。


もう一点共感できた点があります。それはコミュニケーションプランナーの必要性について。僕は、コミュニケーション=ストーリー設計&最適なメディア選択という考えを持っています。ストーリーとはすなわち、消費者(生活者)に何を残し、刻み込ませ、購買行動・情報選択行動、あわよくば情報発信行動に結び付けて行くかという点について設計してゆくようなもの。それとあわせて、メディアプランニングまで一貫して立案することが重要ではないのでしょうか。個人に掛かる負荷はたいそうなものですが、結果的に強力なコミュニケーションプランを立案できるに違いありません。


ダイレクトコミュニケーションの場合も同様だなと強く思いました。どのメディアで、どんなメッセージを選択するか、その際、何を刻みこんでゆきたいか…そこまで考えた上でプランニングを行うことで、購入効率も高まるかも知れませんね。


これで新書というのはめちゃくちゃお得ですよ!どこぞの大学の先生やマーケター、分けのわからんコンサルが吹いてる本なんか読むよりも、僕はおすすめしたいです。