本日(3/29)付け読売新聞朝刊によれば、宝塚歌劇団の宙組に所属する女性(25)が昨年9月に死亡した問題で、阪急電鉄、歌劇団は28日、上級生らによる14件のパワーハラスメントを公式に認め、慰謝料を支払う内容で遺族側と合意書を締結した。調印時に阪急阪神HDの角和男会長(74)らが遺族に直接謝罪し、複数の上級生らの謝罪文を手渡した。…とのこと。

 

これ、ちょっとおかしくないですか? パワーハラスメントを公式に認めたにも拘わらず、《上級生等の謝罪文を会長らが手渡し》って何ですか? そんなもの、誰が書いたか分からないようなものを代理人に手渡されたからって、それで遺族が納得するとでも思っているんでしょうか。記事によると、上級生からの厳しい指導という「伝統」があり、多くのOGが「芸の継承において必要なシステム」と口を揃え、歴史を支えてきた面を強調し、加害者とされた上級生等は「あれをパワハラと言われると厳しい」と漏らし、頑なに謝罪を拒んでいたとされる。…とあります。ま、OGにも脛に傷を持つ輩が大勢おり、今回の問題をこれ以上大事にしたくないんでしょう。

 

ヘアアイロンでヤケドさせることが「厳しい指導という伝統」だとでも言うのでしょうか。アタマがおかしいとしか言いようがない。ハラスメントというものは、やった側の意識は問題とはされません。やられた側がどう捉えるかが最大の問題点なのです。よく、「虐めた側は忘れても虐められた側は決して忘れない。」と言われますが、ハラスメントした方が「アレはハラスメントなんかじゃない!」と言い張っても、それを苦にして自殺した人がいる以上、言い訳に過ぎません。

 

結局上級生らは対面での謝罪を拒み、誰が書いたか分からないような駄文を上司にお遣いとして持たせ、謝罪させ、これで問題は終了したとして幕引き。そしてそんな横暴を最後まで許してしまった、阪急阪神電鉄の経営陣も馬鹿丸出しです。何が110年の伝統だ! こんなんでは、「厳しい指導」の名を語るパワーハラスメントは、今後も連綿と続いていくことでしょう。