AKB48サバイバー選抜

AKB48サバイバー選抜

ブログタイトルは他の小説を書くことがあれば変更します。本作品はフィクションであり、実在の個人・団体などとは一切関係がありません。

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「よし、物資と伝言板も確認したことだし、まずは家作りと食糧調達、それと火起こしだな。」

所変わって黄色チームのビーチ。こちらもサバイバル合宿経験者・宮澤が言った。

「え~、家とかどうやって作るの?」

サバイバルという言葉が最も似合わないといっても過言ではない、小嶋が聞いた。

「詳しくは後から説明するけど、まずは竹を採ってくるんだ。とりあえず、グループに分かれてやってみよう。」

というわけで、宮澤、小嶋、倉持、横山、島崎が家作り、石田、仲谷が食糧調達、小森、紫帆里が火起こしを担当することになった。



「さて、行くとしますか。」

宮澤が立ち上がろうとする。すると、何気なく小嶋がつぶやいた。

「なんか佐江ちゃん、リーダーって感じだね。」

「へっ?」

「確かに、生活力もあって運動神経もあるし。」

「宮澤さんリーダー、いいと思います!」

戸惑う佐江を尻目に、次々と賛同の声が上がる。

「リーダー、か‥よぉーし、頑張るぞ!」

こうして宮澤は、黄色チームのリーダーに就任した。各チームにキャプテンがいるように、チームを引っ張るリーダーは、重要な存在である。そしてその点では、緑チームに勝るチームはなかった。



「よし、この竹を切ろう。」

家作りに手頃な竹を器用に切る、小柄な体。高橋みなみは、緑チームでもいつものキャプテンシーを発揮していた。

「あのヤシの実採れねえかなあ。」

そう言うと、スルスルと木を登り実を落としていく。大島優子は、AKB48の中でも12を争う運動神経と陽気な性格を武器に、仲間の信頼を集めていた。

「ねえねえこれだよね?私たちが行く島って。」

仲川がはしゃぐ。最初に出発した赤チームの船は、早くも舞台となる島に着こうとしていた。

「島に着いたらまず伝言板を探してください。あと、これがチームへの支給物資が入った箱なので持っていってください。」

スタッフがそう言うと間もなく、船は海岸に着いた。メンバーが荷物を下ろした後、船は去って行った。


「いよいよサバイバー生活の始まりか‥とりあえず何が入ってるか確認しよう。」

才加の号令で、まずは個人に渡された支給物資を確認した。

「どれどれ‥バンダナ、軍手、カッパ、水、お米、小麦粉‥‥これだけか。」

個人の支給物資の中身はチームカラーのバンダナ、軍手、カッパに加え、1.5リットルの水と1合の米、小麦粉50グラムだけだった。

「チームの箱はっと‥」

チームの共有物資の中身は鉈、斧、ナイフ、スコップ、水中メガネ、油、ランタン、ゴザ、100メートルのロープだった。

「鉈や斧なんて使ったことないよ‥」

敦子がつぶやく。AKB48不動のエースも、サバイバル生活は初心者だ。

「次は伝言板だな。」

才加の一声で、全員が海岸脇にある伝言板へと向かった。




「何だ、誰がどこのチームかしか書いてないじゃん。」

山内が言った通り、チーム分けの結果しか書かれていない。

「まあ最初はこんなもんか。早くチャレンジやりたいなあ!」

才加が言った。やはり今回の企画は、早くもリーダーシップをとる才加のためのものになるのだろうか。

メンバーは携帯電話や財布など、最低限の衣類以外の荷物をスタッフに預ける。

そして、いよいよチーム発表となった。



「では、これからチームを発表します。まずは赤チームから!」

赤チームに選ばれたのは、仲川遥香、前田敦子、松原夏海、秋元才加、田名部生来、野中美郷、北原里英、佐藤すみれ、市川美織、山内鈴蘭の10人だった。


「あーっ、才加とられたかぁ。」

「才加の存在は大きいよね。」

大島優子と宮澤佐江がつぶやく。

AKB48随一の体力自慢である才加は、サバイバルとなれば相当いいところまでいくのではないだろうか。

そういった予想が、チーム発表と同時に随所で起こっていた。



「赤チームのみなさんは、個人への支給物資を受け取ったらあちらの船に乗って移動してください。船には、チームへの支給物資も乗っています。」

山里に促されると、赤チームの10人は用意された船へと乗り込み、メンバーたちがいる海岸を去って行った。




「次は青チーム!」

青チームに呼ばれたのは、片山陽加、篠田麻里子、高城亜樹、仁藤萌乃、藤江れいな、河西智美、鈴木まりや、平嶋夏海、阿部マリア、竹内美宥の10人だった。

「同じチームだね。一緒に頑張ろうね!」

早速篠田が、緊張の色を隠せないチーム4の二人に話しかける。

「あ、はい。よろしくお願いします!」

緊張した様子で竹内が答える。後輩への面倒見の良さも、篠田の魅力の一つだ。




「次は黄色チーム!尚、黄色チームだけは9人になります。

黄色チームに呼ばれたのは、倉持明日香、小嶋陽菜、仲谷明香、宮澤佐江、横山由依、石田晴香、小森美果、鈴木紫帆里、島崎遥香の9人だった。

9人かぁ、うちらだけちょっと不利やなぁ‥」

横山がつぶやく。

「でも、その分たくさん食べれるじゃん!」

島崎が答えた。確かに、人数が多いことが必ずしも有利とは限らない。




「次は緑チーム!」

緑チームは、多田愛佳、高橋みなみ、内田眞由美、大島優子、松井咲子、小林香菜、佐藤亜美菜、近野莉菜、大場美奈、中村麻里子の10人だった。

「復帰おめでとう!一緒に選抜入れるようがんばろうね!」

中村が大場に話しかける。大場は、今回が謹慎明け最初の仕事となっていた。

「ありがとう。優子さんとたかみなさんがいるから、絶対いいチームだしね。」

確かに、このチームに留まらず、ゲーム全体という観点から見ても運動神経抜群でムードメーカーの優子と、強烈なキャプテンシーでチームを引っ張る高橋の存在はあまりにも大きい。この二人がいれば、自然とすべてがうまく回るのではないか‥‥緑チームのメンバーは、そう感じていた。




「次は白チーム!」

白チームは、中田ちさと、前田亜美、板野友美、中塚智実、米沢瑠美、増田有華、宮崎美穂、渡辺麻友、永尾まりや、仲俣汐里の10人だ。

「なんか、前テレビでやったサバイバル合宿思い出すね。」

麻友が宮崎に話しかける。かつてAKB48のメンバー何人かはテレビのサバイバル合宿企画に参加しており、二人もそのメンバーだった。

「あれはホントきつかったわ‥‥でも経験してるぶんうちらが有利かも!?」

そう言って宮崎は微笑む。家づくりや火起こし、食糧調達といった生活に貢献できるメンバーは、序盤に追放される危険性は低い。




「そして今ここに残っている皆さんは、黒チームです。」

ここに残っているのは、岩佐美咲、大家志津香、指原莉乃、梅田彩佳、菊地あやか、峯岸みなみ、柏木由紀、佐藤夏希、島田晴香、入山杏奈の10人だ。

「ゆきりんが黒チームって、完全に狙ってるよね(笑)」

指原が柏木を茶化す。

「さっしー、追放しよっか。」

「嘘ですごめんなさいごめんなさい。」




そんなこんなで6チームはそれぞれの船に乗り、サバイバー選抜が行われる島へと出発した。