メンバーは携帯電話や財布など、最低限の衣類以外の荷物をスタッフに預ける。
そして、いよいよチーム発表となった。
「では、これからチームを発表します。まずは赤チームから!」
赤チームに選ばれたのは、仲川遥香、前田敦子、松原夏海、秋元才加、田名部生来、野中美郷、北原里英、佐藤すみれ、市川美織、山内鈴蘭の10人だった。
「あーっ、才加とられたかぁ。」
「才加の存在は大きいよね。」
大島優子と宮澤佐江がつぶやく。
AKB48随一の体力自慢である才加は、サバイバルとなれば相当いいところまでいくのではないだろうか。
そういった予想が、チーム発表と同時に随所で起こっていた。
「赤チームのみなさんは、個人への支給物資を受け取ったらあちらの船に乗って移動してください。船には、チームへの支給物資も乗っています。」
山里に促されると、赤チームの10人は用意された船へと乗り込み、メンバーたちがいる海岸を去って行った。
「次は青チーム!」
青チームに呼ばれたのは、片山陽加、篠田麻里子、高城亜樹、仁藤萌乃、藤江れいな、河西智美、鈴木まりや、平嶋夏海、阿部マリア、竹内美宥の10人だった。
「同じチームだね。一緒に頑張ろうね!」
早速篠田が、緊張の色を隠せないチーム4の二人に話しかける。
「あ、はい。よろしくお願いします!」
緊張した様子で竹内が答える。後輩への面倒見の良さも、篠田の魅力の一つだ。
「次は黄色チーム!尚、黄色チームだけは9人になります。」
黄色チームに呼ばれたのは、倉持明日香、小嶋陽菜、仲谷明香、宮澤佐江、横山由依、石田晴香、小森美果、鈴木紫帆里、島崎遥香の9人だった。
「9人かぁ、うちらだけちょっと不利やなぁ‥」
横山がつぶやく。
「でも、その分たくさん食べれるじゃん!」
島崎が答えた。確かに、人数が多いことが必ずしも有利とは限らない。
「次は緑チーム!」
緑チームは、多田愛佳、高橋みなみ、内田眞由美、大島優子、松井咲子、小林香菜、佐藤亜美菜、近野莉菜、大場美奈、中村麻里子の10人だった。
「復帰おめでとう!一緒に選抜入れるようがんばろうね!」
中村が大場に話しかける。大場は、今回が謹慎明け最初の仕事となっていた。
「ありがとう。優子さんとたかみなさんがいるから、絶対いいチームだしね。」
確かに、このチームに留まらず、ゲーム全体という観点から見ても運動神経抜群でムードメーカーの優子と、強烈なキャプテンシーでチームを引っ張る高橋の存在はあまりにも大きい。この二人がいれば、自然とすべてがうまく回るのではないか‥‥緑チームのメンバーは、そう感じていた。
「次は白チーム!」
白チームは、中田ちさと、前田亜美、板野友美、中塚智実、米沢瑠美、増田有華、宮崎美穂、渡辺麻友、永尾まりや、仲俣汐里の10人だ。
「なんか、前テレビでやったサバイバル合宿思い出すね。」
麻友が宮崎に話しかける。かつてAKB48のメンバー何人かはテレビのサバイバル合宿企画に参加しており、二人もそのメンバーだった。
「あれはホントきつかったわ‥‥でも経験してるぶんうちらが有利かも!?」
そう言って宮崎は微笑む。家づくりや火起こし、食糧調達といった生活に貢献できるメンバーは、序盤に追放される危険性は低い。
「そして今ここに残っている皆さんは、黒チームです。」
ここに残っているのは、岩佐美咲、大家志津香、指原莉乃、梅田彩佳、菊地あやか、峯岸みなみ、柏木由紀、佐藤夏希、島田晴香、入山杏奈の10人だ。
「ゆきりんが黒チームって、完全に狙ってるよね(笑)」
指原が柏木を茶化す。
「さっしー、追放しよっか。」
「嘘ですごめんなさいごめんなさい。」
そんなこんなで6チームはそれぞれの船に乗り、サバイバー選抜が行われる島へと出発した。