少女えす | こひうた。

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欲しいのは千の態度より一つの言葉。

欲しいのは千の言葉より一つの態度。


どんな約束が、あたしは欲しかったのだろう。


あなたに恋をしてからずっと、あたしがあなたの瞳に映ることなんてないと思っていた。


どれだけ好きでもこの声は届かない。

それでも声を張り上げるしかあたしにはできなくて、息切れしようとも、叫び続けるしか方法を知らない。

あなたの幸せを誰より願っているつもりでも、

それがほかの誰かと作ってしまうのかと思うと、あたしのこころは何より見苦しくなってしまう。

好き、なんて

本当はそんなかわいらしい言葉で飾れるような気持ちじゃないのかもしれない。


それが突然、

あなたにこの声が届いていて、あなたがあたしを見ていてくれてると知ってしまったものだから、

あたしきっと、舞い上がってしまったのね。


無条件に二人で幸せになれるのだと思いこんでしまった。


欲しかったのは

「おれたちならだいじょうぶ」って言葉。根拠なんてそこになくても構わなかった。


あなたはきっと違ったのでしょう。とてもとても強くて、なにより優しい人だから。


あなたに引かれた手

あたしのために泣いてくれた日

追いかけてきてくれたその姿


それだけでもじゅうぶんだけれど、

たった一言「好き」って言葉が欲しかった。


あたしはきっと、その言葉を欲するのに、伝える方法を間違ってしまったのね。

あなたを傷つけてしまった。



どんな気持ちであなたはあの言葉をいったのだろう。

どうしてあたしはあんなひどいことを言わせてしまったのだろう。


なにより諦めろなんて言われて、どうして頷いた。


ああ

あの時に戻れるのなら、

飛び蹴りをかまして頭突きして、エルボードロップでしめたい。


確かに、どれだけあの人に依存していたのか思い知らされるいい機会だった。

あの人のために生きているだというのではなく、

あたしの歩いていく人生の上にあなたがいて欲しいのだと思えれば。

あなたを好きな気持ちはぜんぶだというのではなく、

もはやあたしの一部なのだと言えたなら、きっと少しは何かが変わっていたはず。


まだ遅くはないかしら?


あたし物わかりいいふりしてるけど、本当はすごくわがままなの。

諦めるとか、諦めないとか、そういうことは自分で決めたい。


ずっと、

あたしの恋は人と違うのだと思っていた。

終わってしまう時は、あたしが自分で終止符を打たねばならないのだろうと。


だけど本当は特別な恋なんかじゃない、ありふれたものだったのね。


終止符が見えるのなら、きっと希望だってあるはず。

あたしとあなたが幸せになれる未来があるはず。


結局

どれか一つが足りなくても、何もかもが満たされても、不安になるのがあたしなの。

だからあたしは、この中でただ一つはっきりしている気持ちだけ信じていくことにした。

「あなたが好き」


まだあたしの声は届いていますか?


あれから一度も会えないけれど、

あなたがそばにいてくれている気がします。


他の人から見たら、きっとバカみたいって思われるかも知れないけれど、それがあたしの恋です。

道化にみえようがなんだろうが、

あたしはこの世界で、あなたと一緒に生きて行きます。


約束なんていらないよ。

ここにあなたがいてくれるのなら。


ねえ、笑っちゃうくらい、わがままでしょう?



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