本日10月12日の予算決算常任委員会において

令和3年度の一般会計決算を「不認定」としました。

 

 

 

 

 

まず最初に申し上げます。

よく「政局か」と問われますが、明確に違います。

広瀬市政の政策と事務執行、組織体制に関する問題指摘です。

 

市民の皆さんに問います。

 

【Q1】市役所窓口に年間1億円の人件費をかけて

ホテルのようなコンシェルジュが必要ですか?

 

市役所窓口にてホテルのような接遇をするとして

令和2年度に単年度契約職員として採用した「接客のプロ(17人)」を

わずか一年後の令和3年度、

広瀬市長は議会の反対を押し切って正規職員化(つまり終身雇用化)しました。

 

単年度契約職員であった時点では年間8,200万円の人件費でしたが

正規職員化するということは、右肩上がりの定時昇給をするということです。

年収ベースで一人平均6百万円になれば、年間人件費は1億円をゆうに超えます。

なお、当該職員募集時には「年収8百万円も可能です」などといううたい文句で

交通広告等にて掲示をしていました。

 

なお、令和2年に広瀬市長は「職員数は増やすが、時間外勤務(および手当)は段階的に減少し、令和5年度には0になる」という極めて非現実的な計画(第7期定員適正化計画)を打ち出されましたが、この3年度間、むしろ時間外勤務は増え、しかも職員数だけを増やし続けています。ここに先述の正規職員化した「接客のプロ」を多く含みます。

 

過去20年の本市の財政基盤を作った、

まさに「血のにじむような」行財政改革の効果を、

広瀬市政でぶち壊しにするのでしょうか。断じて許されません。

 

 

【Q2】著名な建築家の設計にて

約100億円かけて作る学校がある一方で

その他22小学校、11中学校が「ほったらかし」

それって不公平じゃないですか?

 

隈研吾氏設計、第四中学校区小中一貫校を約100億円かけて整備している一方で

残る22小学校、11中学校に対しては何らの整備方針も計画していません。

寝屋川市立小学校では児童数1,159人の大規模校がある一方で、同148人の小規模校があります。

 

小規模校(12学級未満)は小学校4校、中学校4校。

小学校で12学級未満ということは、いずれかの学年で1クラスしかないということを意味します。

なお、児童数148人の学校は、全学年が1クラス。現1年生は16人です。

クラス替えもなければ、集団演技も困難。

過疎地ならばともかく、5キロ四方の過密な寝屋川市においてです。

 

小規模校のボーダーラインである12学級の学校は小学校8校、中学校2校。

実に市立小中学校36校中、約半数が小規模校、小規模校予備群です。

ゆえに、本市の学校校舎のリニューアルに際しては校区再編議論(校区問題審議会)を避けて通れないのです。

議会も附帯決議にてそのことを求めているにも係わらず、広瀬市長はそれを不作為にて怠りました。

 

 

【Q3】寝屋川ギフト事業

「事業者支援だから、市民に要らないものが当たってもいい」

って、税金の無駄遣いじゃないですか?

 

産業施策「寝屋川ギフト事業」にてクレームが連発しました。

参加事業者の募集に当たり、事業者側の参加が低調であった為、産業振興室がお願い行脚に走り、期限までに書類が揃わないケースも申請を受け付けるなどして、半ば強引に事業者を集めました。

結果、市民において「応募者の属性に明らかにマッチしないもの(クレームの実例として、80代女性にバイクのヘルメットが当たる/高齢男性にネイルサロンのチケットが当たる/仏壇の無い家に線香が当たる、など)」ケースや「価値が疑わしいもの」が当たるケースが続出。同室においては事業実施後においても苦情対応に追われました。当時の担当次長からは「事業者支援だから市民にとり要らないものが当たってもいい」との発言もあり、結果は火を見るより明らかであったと言えます。

議会における予算審議でも先述のような懸念は早々に指摘し、「企画段階から産業経済団体等との連携を入念に行うように」との附帯決議をしたにも関わらず、市の独りよがりの事業実施と、税金の無駄遣い批判が噴出する結果となりました。

 

 

【その他】決算委員会にて指摘した主な問題点

 

令和元年度に、鳴り物入りで導入したフレックスタイム制が「隠れ残業の温床」になっている実態が明らかになりました。先述の定員適正化計画の遂行上、市長からの「残業減らせ」という圧力は強く、また人事担当者までもが「超勤削減のためにフレックスを使え」と指示する始末です。個々の職員において表面上の勤務時間を減らしたとしても、実質の拘束時間は増えている。その実態を多くの職員の皆さんから聞き及んでいます。

 

 

係長以上の役職者になるためには関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科に2年通わなければならないという昇任制度(いわゆる、ねやがわ版管理職養成課程)が令和2年度から導入されました。経営学やマーケティング他、民間ビジネス向きの授業が多く提供されるものの、必ずしも行政機関の業務に適合せず、また通学の負担が多大であることも相まって、管理職を志す職員が激減しています。直近の令和4年度では、事務系職員で係長昇進希望者の受講はわずか3人となってしまいました。なお、本件管理職養成課程は技術系職員や(保健師、薬剤師、獣医師等)専門職員にも適用され、培うべきスキルの優先劣後が著しく不合理です。現に、広瀬市政以前の平成30年度に比して、その後3年度間は自己都合退職者が激増。とりわけ専門職員と若手職員において顕著です。専門職員はライセンス保持者が多く比較的転職が容易です。若手職員は他の自治体を受験する者が増えています。管理職養成課程に係る決算額は約7百万円ですが、その人材育成上の機会損失は計り知れません。

 

 

感染者等感染拡大防止協力支援金事業に大混乱を来しました。

コロナ感染者に3万円、濃厚接触者がいる世帯に1万円を支給するという事業です。オミクロン株の流行による感染者激増により予算が不足し、複数の議員からの指摘にも関わらず広瀬市長は1ヶ月以上これを放置しました。他方、広瀬市長は、予算が尽きているにも関わらず市民に本件支給を約束し続けました。

本件事務執行が適切だったのかを検証すべく、市議会は特別委員会を設置し、地方自治法第98条第1項に規定される「検査権」を行使しました。結果、おおよそ公共機関とは思えない杜撰な事務執行が明らかとなりました。

 

 

令和4年3月2日に上程され、議会が予算修正、のち3月11日の再議後、原案否決した補正予算には、義務費である生活保護費の予算1億5千万円が含まれているとして、市長は地方自治法第177条1項に規定される特別再議をされました。しかし、3月9日時点では既に医療扶助費中、社会保険診療報酬支払基金からの当年度最後の請求である2月分が確定し、さらには返戻金もあるという状態で、補正予算が必要ないことは担当課においては明らかだったはずです。つまり、3月11日に否決した補正予算中、生活保護費1億5千万円については1円たりとも追加補正予算の必要がなかったにも関わらず、法を侵して議会に特別再議をさせたことになります。

 

 

【まとめ】

広瀬市政になって、最初の当初予算審議の令和2年3月

本市で初となる「議会からの予算修正」の可決以降、

過去6回の予算修正可決、1回の予算否決、

3回の附帯決議を行ってまいりました。

その都度、政策的、また事務的な誤謬につき指摘も行ってまいりました。

広瀬市長は依然、我々議会からの指摘事項に向き合いません。

それは、本日の総括質疑でも明らかです。

 

令和2年度に行われた(国民1人あたり10万円を支給する)特別定額給付金の二重給付でさえ、誰も責任を取っていない広瀬市政。もはや市の事務組織は壊滅的です。

 

現下の情勢において広瀬市政の事務改善が図られる兆しはなく、令和3年度一般会計歳入歳出決算については到底認めることができないとして、不認定としました。

 

【ご参考】

♦委員会採決の結果

賛成:公明党市会議員団6人、日本共産党市会議員団2人、森本議員

反対:ねやがわ未来議員団8人(除く金子委員長)、大阪維新の会議員団4人、元橋議員

 

♦過去に議会提案で可決した予算修正案件の履歴

・令和2年3月 「接客のプロ」の被服費を減額修正

(なんと48人分が計上されており、採用未済の人数分は減額。結果、当該人員は17人に)

 

・令和3年3月 突如、広瀬市長が正規職員化するとした「接客のプロ」の人件費を減額修正

(一度は賛成多数で可決。しかし市長が再議権を行使し必要数2/3を取れず否決)

 

・令和3年9月 (庁舎用に取得した)大阪電気通信大学寝屋川駅前キャンパスの改装設計予算を減額修正

(動線上極めて重要な1階に「ホテルのようなコンシェルジュブース」と「おしゃれなカフェ」を作るというので、却下)

 

・令和3年12月 インフルエンザワクチンを打つ高齢者と子どもにQUOカードをプレゼントする予算を減額修正

(事業開始が最短で翌1月中旬。摂取時期のピークを過ぎている。その上1,000円のQUOカードを配るのに約1,000円のコストをかけるというので、却下)

 

・令和4年3月① コロナ陽性者に3万円、濃厚接触者世帯に1万円を支給する事業。市の怠慢で予算超過した部分につき、補正予算を減額修正(のちに否決)

 

・令和4年3月② こども専用図書館の工事予算を減額修正

(子どもの図書活動団体でさえ反対するほど、図書館に相応しくないスペースデザインとなった)