朝晩、寒くなりました。
さて、唐突ですが…
谷川俊太郎氏の作品で
「二十億光年の孤独」という詩があります。
万有引力とは ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる それ故みんなは求め合う
宇宙はどんどん膨れてゆく それ故みんなは不安である
日常で意識するほどに、宇宙は身近なものではないですが
この「宇宙」を→「世界」に置き換えてみると
現代の時事とリンクするような気がします。
経済においては、ひずみ(需給ギャップ)があれば
その解決は、ビジネスチャンス(求め合う)となるでしょう。
他方、貿易や金融取引が世界規模に膨れ上がるとどうなるか。
生産性向上が見込まれます。
反面、一国では解決できない、新たな「不安」も生じます。
その「不安」は、「相互不信」を生むことがあります。
武力を行使せず、知性と理性でこれを乗り越えようとする努力が
いまを生きる私たちの課題です。
二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした
詩の終盤で
いきなりパーソナルな次元に引き戻されます。
この「くしゃみ」の意味を、ずっと考えています。
難しく考えることを「放棄する」のではなく
自分自身を「見詰めなおす」ということだろうと、いまの私は解しています。
孤独です。
天下国家を語ろうとも、ひとりでは何も出来ません。
だからこそ、「感謝の気持ちを持ち続けているか」と
自問自答する毎日です。