わが死生観―まだ見たことのない高みの景色を見てみたい | あべこう一(阿部浩一) Official Blog

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シンガーソングライター

早いもので友人Aを亡くしてからもう5年以上。それ以来、自分の残りの人生はおまけみたいなものだと考えるようになった。

 

16歳のときに父親を自死で亡くし、山奥の警察署まで自動車を運転する姿勢のまま水死体となり、死後硬直したわが親の身元確認と遺体の引き取りに行った経験もしたけれど、Aに先立たれたときほど心に焼きごてを押し当てられたかのようなつらい体験はなかった。


兄弟分のようだったAのいない世界はただただ空しいばかり。流されていたら、父やAが死ななければならなかったこの社会やそのありように対して、強い憤りと吐き気を抑えられなくなるから、変な奴だと笑われても私は面白いことをいろいろ計画して実行したい。


とはいうものの、仮に明日が自分にとって人生最後の日だとしたならば、それはそれで全く構わない。望むところだ。苦痛さえなければ生への執着はほとんどない。若い人の死は確かに痛ましいが、等しく「100歳まで生きたからもういいよね?」というものでもなかろう。


もう少し生き続けなければならないならその残りの人生で、まだ見たことのない高みの景色を見てみたいと思う。