現状を認めることができて、心が軽くなった。
10年前、潰瘍性大腸炎という難病を患った。なんで俺やねん、この時期に。ちょうど就職活動直前だった。いや、もう既に始まっていた気もする。合同説明会なるものに参加したり、スーツを着て大阪に出向き、帰りには同じ大学の友達と飲んで帰る。そんなことをしていた気がする。
これから、いよいよ本格的に、本腰入れてやるぞといったときに、難病を発症させてしまった。
自分の人生に傷がついたと思った。
これまで、大きな挫折や失敗を経験することなく生きていた。いわゆる、順風満帆といったところか。そんな人生に、初めて傷がついたような気がした。爆弾を抱えているような気持ちでもあった。
潰瘍性大腸炎という難病は、それが原因で今すぐには死なない病気である。症状は段階によって強弱はあるものの、大抵は、血便や腹痛といったものである。が、大腸ガンになる確率は、潰瘍性大腸炎ではない人たちと比べると、数倍上がるらしい。
自分の人生に傷がついてしまった、爆弾を抱えてしまった。
短くはない期間、そう思っていたのだけど、ある曲を聴いたときに、スッと心が軽くなった。
"汚れのない物語には惹かれない"
そういった詩が、自分の心を軽くしてくれた。
大きく挫折をしてしまったことが、どこかよくないことと思っていたのだが、これはこれでいいのかもしれない。むしろ、大きな波があった方が、最後人生を一冊の本にした時に、読み応えがあるのかもしれない。
そう思えると、心が軽くなった。自分の現状を認めることができたのだ。
そんなことをふと思い出し、これを書きながら僕は、鼻水をかんでいる。
絶対に、花粉症ではない。
そう自分に言い聞かせている。