先月末に第61回日本小児外科学会学術集会に出席してきました。大学を退職してから、学会にはほとんど出席していないのですが、今回は取締役を務めている会社がこの学会でランチョン・セミナーを開催するので、出席する事にしました。開催地が福岡ですので、久しぶりに福岡を訪ねてきたいという気持ちもありました。会場はヒルトン福岡シーホーク・ホテルで、博多の中心街からは離れていますので、中洲に飲みに行くのには不便な場所ですが、学会出席が目的ですので、文句を言う筋合いではありません。朝の羽田を発ち、福岡空港に到着後、地下鉄とバスを乗り継いで、昼過ぎにシーホークに到着しました。チェックインには早い時間だったのですが、追加料金ですぐにチェックインできる部屋が準備できると言う事で、お願いする事にしました。

 

ホテル最上階で福岡ドームを眺めながら食事をして、夕方の懇親会までの時間をどうするかちょっと考えました。東京を発つ前には太宰府まで行くことを考えていたのですが、久しぶりの飛行機でいささか疲れたので、無理はしないで近所を散歩する事にしました。シーホークから高速道路の下をくぐると、砂浜が広がっており、その西にはガラス張りの福岡タワーがありますので、そこまで行く事にしました。砂浜ではこれからのシーズンに備えて、ダンプカーで新しい砂を運び入れ重機で整備しています。正面には能古島が手が届きそうなくらい近くに見え、右手には海の中道が長く伸びています。暑くもなく寒くもなく気持ちの良い風が吹き抜けてゆきます。福岡タワーは1989年にアジア太平洋博を記念して建てられた電波塔と展望台の機能を持つタワーです。鉄骨構造の表面がガラスで覆われていて、異彩を放っています。展望台に登り、福岡の街並みと海の風景を楽しんでホテルに戻りました。

 

さてこの日の午後には学会の評議員会があり、全国から多くの小児外科医が集まります。そこで評議員会の後に評議員だけではなく、学会のO BO Gも招待して拡大評議員懇親会が開かれるのが通例です。僕も招待されていますので、久しぶりにこの懇親会に参加する事にしました。僕はO Bですので会場ではステージに近いテーブルで、同じテーブルには僕よりも年長の先生を含め、懐かしいメンバーが集まっています。しばし皆さんと久しぶりの対面を喜び合い、近況報告となりました。僕のお隣はかなり若い世代のK先生で、ここは僕の座るべきテーブルではないな、と気にされていたので、パーティーの間はもっぱら彼と話をしていました。実は彼とは子ども時代に住んでいたのが同じ市でしたので、話が合うのです。来賓や会長の挨拶が終わり、パーティーとなりしばらくすると、皆さんテーブルを離れて顔見知りや懐かしい方との挨拶です。そうこうする内に特別ゲストが登場しましたが、なんと歌手の前川清さんでした。会長とお知り合いだということで、懐かしいヒット曲を歌いながら各テーブルを回ったのですが、どうぞ写真も自由に撮影して下さいと大変なサービスぶりで、さすがプロのエンターテイナーは違うと、ほとほと感心しました。

 

翌日のランチョンセミナーの講演者は自治医科大学脳外科教授の五味先生でしたが、聴衆が多いだけではなく講演後の質問も多くて、頭蓋変形のヘルメット治療に多くの小児外科の先生が関心を持っている事がよくわかりました。終了後にはヘルメット治療の保険適用の問題など、たくさんのアドバイスも頂戴する事ができました。この後、東京に戻りましたが、1泊ながら非常に有益な学会参加であったと思います。