6月9日(金)に久しぶりに夫婦でコンサートに出かけました.コロナの時期にも,それぞれがコンサートに出かけたこともありましたが,何しろ予定が立てにくかったので,早めにチケットを買って揃ってというのが久しぶりでした.行ったのは銀座王子ホールでの「ファミ・アルカイ,荘村清志デュオリサイタル:スペイン音楽の黄金時代,16&17世紀」です.アルカイはスペインのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者,荘村は言わずと知れた日本のギターの重鎮です.ホールはほぼ満席で,コンサート開始前にワインを楽しむ人もいます.聴衆は高齢者が多かったですが,マスクの着用率は8割といったところでしょうか.アルカイはスペインのセビーリャ生まれですが,名前も風貌もアラブ風で,両親はレバントの出身だそうです.元々ギタリストだったという事ですが,大変な技巧の持ち主で,大きなガンバを横抱えにしてピチカートで弾いたり,奔放な演奏ぶりです.一方の荘村はあくまで端正な弾きぶりを崩さず,もう少しガンバと絡んで欲しいという不満は残りました.しかし良い演奏会だったと思います.
せっかく銀座まで出てきたので,コンサート終了後に銀座で食事をして帰ることにしましたが,銀座は比較的早くに閉まるお店も多く,コンサート後に行くにはお店も選ばなくてはなりません.先日,版画のグループ展の打ち上げで使った銀座2丁目のヴェネツィア料理店「バラババオ」に行く事にしました.このお店はヴェネツィアのバーカロにならって,入口に立ち飲みコーナーがあり,奥がテーブル席になっています.ビルの9階にあるお店に入って,先ずはにぎやかなのにびっくり.飲食店がこんなににぎやかなのを見るのは本当に久しぶりです.テーブルは9割方若い人たちで埋まっています.男女のグループ,女子会,カップル,そうか今日は金曜日だったかと思い至りました.幸い空いている2人掛けのテーブルがあり,落ち着くことができました.
さて料理は何を注文するか.妻がこのお店は初めてですので,コースを注文することにしました.前菜は盛り合わせ,パスタとセコンドは選択ですので,イカ墨のスパゲッティと鯛の溶岩焼きを注文することにしました.注文してから,そう言えばこのお店は料理のボリュームがすごかったなと思い出しました.前回は僕はとても食べきれずに若い仲間に食べてもらったのです.プリモのイカ墨のスパゲッティがどーんとやって来ましたが,とても高齢者二人で食べきれる量ではありません.申し訳ありませんが,かなりの量を残してしまいました.鯛の溶岩焼きも,小振りながら一匹まるごとの真鯛で,これも残してしまいました.そこでカメリエーラに,「僕はデザートは要らないので,デザートは一人分にして下さい」とお願いしたところ,「ともかく持ってくるから,食べられる分だけ食べて」というとてもイタリアンなお返事.僕は辛うじて小さな二きれを食べましたが,これも盛大に残してしまいました.23時近くに店を出る時には,まだにぎやかに会食している若いグループが幾つかありました.ああ,ようやくコロナ騒動も終わりつつあるのだなと実感して,メトロの駅へと向かいました.