サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物は生体内でサクビトリルとバルサルタンに解離する。
サクビトリルはネプリライシン(ナトリウム利尿ペプチドやブラジキニン分解に関与)を阻害する
⇒利尿作用・心保護作用・降圧作用などを示すと考えられている。
バルサルタンはARB
アンジオテンシンⅡ AT1受容体を遮断することで降圧作用を示す。(RAA系の抑制)
またアンジオテンシンⅡは輸出細動脈を収縮させる作用があるためARBは腎での過剰ろ過を防いで、腎保護作用を持つが、結果的に輸出細動脈を拡張させているので、腎機能は低下している状態になる。
RAA系とは
レニン⇒アンジオテンシン⇒アルドステロンと生理活性物質の生成が進んでいく経路
アルドステロンはNaと水分貯留、アンジオテンシンⅡは心肥大など心不全を悪化させる要因である。
また、交感神経の亢進でRAA系も亢進が引き起こされるので、
心不全は心臓のポンプ機能低下⇒交感神経亢進⇒RAA系亢進と悪循環を引き起こす。
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物は上記作用機序で心不全を改善すると考えられている。
米国での適応はNYHA II度以上
(Ⅱ度:安静時および軽労作時には症状がないが、強い労作時に疲労や動悸が生じる。)
日本人を対象とした臨床試験PARALLEL-HF試験ではエナラプリルを上回る有益性はないと思われる。
肝機能や腎機能が低下していると作用が上がるため注意は必要。
今のところはDPCの当院は採用するメリットなさそう。