●バルサのコーチの言葉 | コーディーサッカーアカデミー

先日、主催チームの子達を連れて、東京で開催されていた
『ワールドジュニアチャレンジ2015』の見学に行ってきました。



スペインからはバルセロナ、エスパニョール、
アルゼンチンからはデポルティボ・カミオネーロスというチームが
参戦し、日本からはJ下部チームが多数参加していました。

結果をご存知の方も多いと思いますが、
 1位 エスパニョール
 2位 東京選抜U12
 3位 バルセロナ
 4位 ベトナム代表 

という順位でした。
J下部チームは準々決勝で全滅。負けたチームの監督は
『世界(バルサ)との差はそうない』というものでしたが、
それを同世代を指導している現役の指導者が口を揃えて
言ってる姿には非常に疑問を感じました。


日本の全チームはある程度この大会に照準を合わせてるチームが大半。
一方、バルサやエスパニョールのスペイン勢は約1ヶ月強の休養明け。
スペインではオフの期間中、サッカーをすることを完全に禁止する
チームも多く、念書まで書かせる徹底ぶりだそうです。


つまりバルサとエスパニョールはほぼ練習なしの休養明けの状態で
参戦しているにも関わらず、1・3位に入っていることになります。
果たしてこれで差がないと言えるのかどうか・・・


KSA(選抜クラス)で私が教えているサッカーは、
スペイン・カタルーニャ地方のサッカーメソッドをベースにしてるので、
バルサやエスパニョールのやっているサッカーを見ていても、
特に驚きもなく、当たり前のことを確実に高いレベルで実践しているだけ。


もちろん、現在の選抜クラスの選手と比べると、
トラップの質、キックの精度、ボールの置き方・持ち方、
ボールの運び方・仕掛けどころ、戦術理解力・実践力と
雲泥の差はあるものの、「あと3年後に届かないか?」と
聞かれると、「いや、届くでしょ」というのが本音です。


ただ圧倒的に違うのが「サイズ(スピード・フィジカル)」
例えばこの選手。


圧倒的に大きかったですが、このぐらいの選手はゴロゴロ。
どこを目指すかによって、トレーニングへのアプローチは異なりますが、
将来、世界を見据えて戦うならば、サイズづくりもとてつもなく
大切な課題だと痛感しました。私も現役時代、
サイズはコーチできない」とよく言われたものですが、
体づくりは各自の努力、保護者の努力が必要不可欠です。
十分な食事、十分な休養、十分な睡眠、これを心掛けて欲しいと思います。



私が担当している小学生の中・低学年のサッカーを見ていると、
各チームで目立っているのは「大きい子」「速い子」「蹴れる子」で、
高い技術力を持っている選手がいても、団子で閉じ込められて、
その技術を発揮することが中々難しかったりします。

しかし、そういう目立っている子を見て、
私が上手いと思うかというと、答えは「No」です。

 大きいだけの子は、そのうち身長が追いつかれるし、
 速いだけの子は、足の速さなんて限界があるし、
 蹴れる子は、大人になれば誰だってある程度の球は蹴れるうえ、
 キーパーのレベルも上がってきます。


そんな子達はチームでちやほやされ、自己満足し、
努力を惜しんでいる間に、必ず潰れていくように思います。
指導者仲間と話しをしていても
「よく消えて行く・・・」と耳にします。


『基礎的な技術を高め、サッカー知能を高めつつ、
 それでいてサイズも鍛える』
当初から何も変わってはいませんが、KSAではこれを
意識しながら、しっかりとやっていきたいと思います。



このサイズについて、バルサのコーチがこんなことを
話ししていましたので、最後に少し紹介します。


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例えば、13歳の選手でも早熟な選手は、16歳の選手であるかのような
強さ、スピード、持久力を兼ね備えています。こういった選手は、
個人プレーに偏ったプレーを行い、どんなところからでも
シュートを打ち、13歳のゴールキーパーを相手に、
無数のゴールを決めることでしょう。

しかしながら、時間の経過ともに、同じ年代の選手たちが成長して
同様のパワーを身につけ始めると、早熟の選手たちの活躍は
終わりを告げます。

 プレーを学ぶべき時期に学ばなかった選手たちは、他の選手たちに
追い抜かれてしまいます。その結果彼らが18歳になった時には、
サッカーを辞めてしまったり、テルセーラ・ディビジョン(4部)
以下へと追いやられたりしてしまいます。

 また遅咲きの選手もいます。13歳でありながらフィジカルの
能力は11歳程度の力しかないような選手です。しかし、創造性を
もちあわせており、技術を磨いてサッカー選手になるという目標を
持っています。試合においては、勝利のために必要なパワーを
備えていないために、出場機会を得られないことがほとんどです。

 しかし、成長してフィジカルの能力が整ってきた時に、
こうした選手たちが素晴らしい能力を発揮することがあります。
しかし、そうなる前に、失望し、落胆し、屈辱を感じサッカーを
辞めてしまう選手たちがいることも事実です。

これを見極めるのが至難の業。