【訃報】(#1)行き倒れの子猫と過ごした3日間 | 一般社団法人こはるや 公式ブログ

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神奈川県大和市で猫の保護・譲渡を始めました。
私たちは「猫と人との優しい明日」を目指します。

【9/24】

夕方、市内より「行き倒れの子猫を見つけて連れ帰った。引き取りたいがぐったりしている。どうしよう」という悲痛な連絡が入りました。

 

幸い「トラのすけ兄弟」(【トライアル】「トラのすけ兄弟」が無事出発しました | 一般社団法人こはるや 公式ブログ (ameblo.jp))がトライアル中で、部屋ひとつを隔離スペースとすることができます。まずは状況確認が先決と、依頼者さんのお宅へ急行しました。

 

当該子猫に会ってみると、キャリーの中でお座りをしています。「起き上がる元気があるなら大丈夫かもしれない」と思いました(後に大きな誤解であることが判明します)。またドライフードを数粒食べたと聞きました。「食べる元気があるなら望みはある」と思いました(この子が口にした最後の固形物になりました)。

 

 

ただ、呼吸が荒く、目脂で片眼が塞がり、何より痩せ方が異常です。小さな骨の突起を指先に感じることができるくらい、文字通り骨と皮だけの身体に愕然としました。

 

初期医療費がかなりの高額になることが予想されましたが、引き取りたいと仰ってくださった依頼者さんがその負担を快諾してくださいました。まずは子猫の状況を正確に把握しないと次のステップに進めません。運よくかかりつけ医の予約を1時間後に取ることができました。

 

 

子猫は推定3ヶ月齢。体重は460g(!)、月齢が近いトラのすけ兄弟(ふたりとも約2kg)に比べて1/4以下しかなく、それは離乳前後の幼猫程度の重さです。よく生きていたなあとしか言いようがありません。

 

またレントゲンの結果、重度の「横隔膜ヘルニア」であることが分かりました。先天的なものなのか後天的なのかまでは不明ですが、素人目にも「これはだめだ」と思わざるを得ない状態でした。横隔膜が大きく裂けているか、或いは欠損しているため内臓のほとんどが本来あるべき位置より胸側にずれて、右肺を圧し潰しています。

 

横になって休めないのはそのためでした。呼吸が苦しくなるのでお座りの姿勢をとるしかなかったのです。ただ獣医師によれば、所謂「伏せ」の姿勢か、機能している左肺を上にして横になれば比較的負担が少ないはず、とのことでした。

 

現状では内科的には手の施し様がなく、極度の脱水と低体温の軽減を図るために点滴と給餌と保温を進め、体力をつけたのちに高度2次医療機関による横隔膜再建手術が必要であると説明を受けました。

 

命の危機を取り敢えず脱するための3日間(休診日を挟むため)の入院でさえ、ぽんと気軽に支払える金額では収まらないことも分かりました。依頼者さんに状況を報告し、相談して、補水点滴を受けた上で連れて帰ることにしました。当法人にも先住がいるので、ウイルスCK(両陰性)とノミダニ駆虫は処置してもらいました。

 

 

 

自宅で待機していた理事(妻)が受入れの準備を全て整えて待っていてくれました。2時間に及ぶ検査と処置で、子猫もかなりぎりぎりのところだったのだと思います。固形フードには見向きもせず、補水と栄養補給を兼ねたミルクも飲み込もうとしません。無理をさせ続けると呼吸が心配です。給餌はあきらめざるを得ませんでした。

 

体温を上げるために湯たんぽで挟むようにして「伏せ」させると少し楽になったのか、子猫はこっくりこっくりと舟を漕ぎ出し、呼吸は荒いままでしたがクッションに顎を載せてようやく眠りに落ちました。

 

 

それを見届けてから私たちも深夜に床に就いたのですが、動物看護師として相当数の犬猫を看取ってきた理事(妻)は、そこに至るまでの兆候や変化を知り尽くしています。その上で「朝には呼吸が止まってるかもしれないね」と呟きました。

 

3日間の出来事を1話でまとめようと思っていましたが無理でした。昨日のこと、今日のこととあと2回に分けてお伝えすることになると思います。よろしくお付き合いくださいませ。

 

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