浮気をした彼に別れを告げ、大学の先輩と付き合って一年。



モシャモシャの髪、大きな目、薄い唇、いい匂い。



先輩は、側にいるだけでうっとりするくらいわたしのタイプだった。



優しい手つきで大切に包んでくれて、



力任せなあの人とは正反対。


衝動的に付き合ってしまったけれど、幸せな日々を過ごしていた。



なのに。



「小春、なにしてる?」



「小春、元気?」



「小春、誕生日おめでとう!」



最近あの人からメールが来るようになった。



返信してないのに。



先週からずっと。



いつのまにか、無視することも日課になっている自分がいた。



今日はメール来ないじゃん。


女できたんだろうな。。


あ、メールきた!



…何考えてるんだろ、わたし。。



姿が見えなくてもわたしを煩わせる。



そう、あの人は超がつくほどマメ男。



本気になったら落とすまで連絡してくる。



だんだん無視するのが申し訳なくなってくる。



気になって、



返信したくて仕方がなくなる。。



逃げたはずなのに。



…逃げきれなかった。



独りよがりで乱暴な手つきが懐かしく、また彼にハマっていくわたしがいた。