陽太は彼氏公認の幼馴染だ。



「陽太と遊んでくるね!」



「おっけ!」



そんな感じだったので、まったく罪悪感もなく、わたしは陽太に月一で会っていた。



陽太は細身のパンツにゆるっとしたTシャツを合わせるようなお洒落なバンドマン。



「今日は連れていきたいライブがあるんだ!」


と、ロカビリーやスカコアのライブに連れて行ってくれた。



モッシュがあるときは後ろから守ってくれて、



曲の間は耳に唇が付きそうなくらい近付いて話をした。




近所で遊ぶときはスケボー。



まるでアブリルラヴィーンになったような気持ちだった。





一度だけ終電を逃して陽太の部屋に泊まったことがある。



陽太のベッドで一緒に寝た。




心臓の音が聞こえるんじゃないかっていうほど緊張して、目を閉じているので精一杯だった。




ベッドの端っこと端っこ。




一瞬背中をツンってされた気がしたけど、気付かないフリして目をつむっていた。




そのまま朝を迎えられたとき、ホッとした。




だって、



セフレになったらセックス以外で会えなくなる。



セフレより幼馴染でいたい。




触れたいのに触れられない、絶妙な距離のデート。



やろうと思えばいつでもやれるとこは、お互いわかっていたんだと思う。