こんなに変わった歴史教科書1 | こはにわ歴史堂のブログ

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朝日放送コヤブ歴史堂のスピンオフ。こはにわの休日の、楽しい歴史のお話です。ゆっくりじっくり読んでください。

人類の誕生は700万年前です。

 

中学生や高校生のお子さんをお持ちの保護者のみなさんは、人類の誕生は400万年前と習っている場合がほとんどのはず…

そして猿人のうち、最古の例を「アウストラロピテクス」と紹介されているかもしれません。現在でも猿人の「代表例」として紹介しますが、「最古の例」としては、

 

 サヘラントロプス=チャデンシス

 

を紹介する場合が増えました。

 

「人類の誕生」という単元は、断定的な表記を避けるようになりました。そりゃまぁそうで、これから研究が進むと、どう変わるかわからない…

 

人類は、「猿人→原人→旧人→新人」と進化してきたと説明します。かつては原人が「火の使用」をしていた、と明記していましたが、原人のうち、シナントロプスは火の使用が確認できていますが、ピテカントロプスは確認できていません。

ですから、「火の使用」に言及する場合は、「北京原人の化石が、石器や動物の骨、焼けた木などとともに発見されている」というような含みのある表現になっています。

 

まだ教科書には反映されていませんが、「洞窟の壁画」も今後、改められるはずです。今までは、新人(クロマニョン人)の段階で絵画を描いていた、という説明でしたが、現在では旧人(ネアンデルタール人)が洞窟に壁画を残していることがわかっています。

「新人が洞窟壁画を描くようになった」という表現ではなく、「フランスのラスコーの壁画は、新人が描いた」というように具体例に限定して説明するようにしています。

「最初の」、「世界初の」、「唯一の」、「初めて~したのは」というような修飾語は歴史の教科書からは消えつつあります。