勇者と段々崩壊していく世界
そんなつもりではなかった。そんなつもりでは。楽しみが増えた、それだけだった。
最悪の別れだった。
言い逃れはできなかった。
マリネにムカついた。優しくされたかった?
私だけが悪いのか。
私だけが悪かったのか。
マリネが、何もせず、生返事ばかりで何も喋らなくなって、私はつらかった。マリネにきらわれたと思った。親友に相談した。彼女は、まだ若いんだから他の男を探せば?、と、いった。
そんな時、同期連中との飲み会であいつと再開した。彼はどことなくマリネに似ていた。最近彼氏とはどう?、と、きかれた。私は愚痴をぶちまけた。何度も何度もマリネをバカにした。涙ぐむ私に彼は優しく、お前は悪くないじゃん、といってくれた。それからふたりきりで二次会に出かけた。とても楽しかったし、おごってくれて、なんだかマリネのことなんてどうでもよくなった。優しく髪を撫でられながら、彼とはじめてキスをした。
一ヶ月、私は他の営業所にヘルプに行くことになった。彼も一緒だった。うれしかった。
彼とはじめてホテルに行った。ホテルには私から誘った。生理だったけど、酔っていたし、ふたりきりになりたかった。できなかったけど、それ以外はした。彼を駅に送る途中でマリネとあった。彼はこの時は無事ににげた。マリネはこの世の終わりのような顔をしていた。私は必死に嘘をつくろった。
次の日にマリネとデートをすると、帰り際に別れ話をされた。私は泣いた。つらかった。マリネも泣いた。だけどマリネは、私と別れるために泣いたのではなかった。死ぬ前の、涙だった。
次の日に、すぐさま彼に事情を話した。休憩時間に何度も抱きしめてもらい、キスをした。仕事からの帰り道にマリネと会った。やり直したいと言われた。私はうれしくなった。同時に、彼に遊んでもらって、マリネと遊ぶ、と決めた。さびしい時間をすごしたくなかった。
彼とは仕事終わりに毎日遊んだ。ご飯を食べたり、飲んだり、メダルゲームをしたり、やっぱりとても楽しかった。マリネとは休日以外には会う約束をしなかった。休みの日の前日の夜も、会わなかった。休日前日の夜に、私は彼と飲みに行ってホテルに行った。彼とこんなに一緒にいられる期間はこの一ヶ月が終わればもうないかもしれない。私の町のホテルではない。仕事から帰る途中の駅で降りて、休憩をする。私の町はマリネがいるような気がして怖かった。
恋人関係に戻ったあと、マリネはよく喋るようになった。昔みたいに、いや、以前よりもっと、何か破滅的な、明るさだった。少し怖かった。
私の親友と合コンをした。その日は昼から夕方にかけてマリネとあっていた。もちろんマリネにはただ親友と飲むだけと嘘をついていた。マリネは夜中にまた会おうと何度も言ってきたけど、私は拒み続けた。私は彼を連れて合コンに行くのだ。飲み会が終わると、私達はあらかじめ調べておいたビジネスホテルに向かった。マリネと駅で別れ直接合コンに参加したけど、泊まる準備もばっちりしていた。マリネと彼との優先順位は、迷わず彼の方が上だった。
彼とのひと月最後の日の夜に、私と彼は私の町のホテルにいた。できるだけ長く、彼といたかったから、私がお願いした。大丈夫、あいつはいないよ、と。彼は生でやりたいといった。私はなんだかうれしくなって、させた。出る、といったので、出して、といった。事後に少し落ち込む彼に、大丈夫だよ、良かったよ?、といった。
その日を最後に、私の日常は終わりを告げた。
いなければいいなと思っていたマリネがいたのだ。彼はマリネに殴られ倒れ、騒ぎが大きくなる前に、私は逃げるマリネについていった。逃げた先のホテルで、いろいろな話をされた。私は泣いた。マリネは、お前がなんで泣くのかわからない、と私が涙を流すたびに言った。確かにそうだな、と思った。中に出したこともばれた。
なんでそんなにひどいことを言うのかな?、私はそんなにひどいことをしたのかな?、マリネは私のこと好きなのかな?、私は好きなのかな?、もう終わりなんだよね?、眠いな…。泣いても優しくしてくれないから、私はずっとそんなことを考えながらきいていた。覆水盆に返らず。覆水盆に返らず。何度かマリネが口にしたことわざ。帰ったら意味を調べなきゃ。
話はそれだけじゃなかった。ぼーっとした頭の私に、マリネは自分の置かれている状況を説明しだした。嘘かと思ったけど、フナムシ君からの手紙や冒険の書をみると、本当のことらしかった。私は命を狙われるらしい。家族も危ないらしい。そして、マリネは私をまもってくれない。私のせい?
何時間ぐらいマリネはしゃべり続けただろう。何度も死ねといわれた。私はどんな顔をしてそれを聴いていたのだろう。あまり記憶にない。最後の方に、マリネが少しおちついてきたのは憶えている。私が、バカなりに決意を口にすると、彼は、いい加減にしろ、といったきりで、喋るのをやめた。マリネの最後のやさしさだったのかもしれない。
ひどいことをいわれた。死ねと何度もいわれた。嘘だとは思えない。ひどいことをした。彼と別れてやっと少しわかった。本当に死ねと思われている。でも、やっぱり、私は、マリネが、好きだ。いまでも、これからも。マリネがいなくなるのは、さびしい。
最悪の別れだった。
言い逃れはできなかった。
マリネにムカついた。優しくされたかった?
私だけが悪いのか。
私だけが悪かったのか。
マリネが、何もせず、生返事ばかりで何も喋らなくなって、私はつらかった。マリネにきらわれたと思った。親友に相談した。彼女は、まだ若いんだから他の男を探せば?、と、いった。
そんな時、同期連中との飲み会であいつと再開した。彼はどことなくマリネに似ていた。最近彼氏とはどう?、と、きかれた。私は愚痴をぶちまけた。何度も何度もマリネをバカにした。涙ぐむ私に彼は優しく、お前は悪くないじゃん、といってくれた。それからふたりきりで二次会に出かけた。とても楽しかったし、おごってくれて、なんだかマリネのことなんてどうでもよくなった。優しく髪を撫でられながら、彼とはじめてキスをした。
一ヶ月、私は他の営業所にヘルプに行くことになった。彼も一緒だった。うれしかった。
彼とはじめてホテルに行った。ホテルには私から誘った。生理だったけど、酔っていたし、ふたりきりになりたかった。できなかったけど、それ以外はした。彼を駅に送る途中でマリネとあった。彼はこの時は無事ににげた。マリネはこの世の終わりのような顔をしていた。私は必死に嘘をつくろった。
次の日にマリネとデートをすると、帰り際に別れ話をされた。私は泣いた。つらかった。マリネも泣いた。だけどマリネは、私と別れるために泣いたのではなかった。死ぬ前の、涙だった。
次の日に、すぐさま彼に事情を話した。休憩時間に何度も抱きしめてもらい、キスをした。仕事からの帰り道にマリネと会った。やり直したいと言われた。私はうれしくなった。同時に、彼に遊んでもらって、マリネと遊ぶ、と決めた。さびしい時間をすごしたくなかった。
彼とは仕事終わりに毎日遊んだ。ご飯を食べたり、飲んだり、メダルゲームをしたり、やっぱりとても楽しかった。マリネとは休日以外には会う約束をしなかった。休みの日の前日の夜も、会わなかった。休日前日の夜に、私は彼と飲みに行ってホテルに行った。彼とこんなに一緒にいられる期間はこの一ヶ月が終わればもうないかもしれない。私の町のホテルではない。仕事から帰る途中の駅で降りて、休憩をする。私の町はマリネがいるような気がして怖かった。
恋人関係に戻ったあと、マリネはよく喋るようになった。昔みたいに、いや、以前よりもっと、何か破滅的な、明るさだった。少し怖かった。
私の親友と合コンをした。その日は昼から夕方にかけてマリネとあっていた。もちろんマリネにはただ親友と飲むだけと嘘をついていた。マリネは夜中にまた会おうと何度も言ってきたけど、私は拒み続けた。私は彼を連れて合コンに行くのだ。飲み会が終わると、私達はあらかじめ調べておいたビジネスホテルに向かった。マリネと駅で別れ直接合コンに参加したけど、泊まる準備もばっちりしていた。マリネと彼との優先順位は、迷わず彼の方が上だった。
彼とのひと月最後の日の夜に、私と彼は私の町のホテルにいた。できるだけ長く、彼といたかったから、私がお願いした。大丈夫、あいつはいないよ、と。彼は生でやりたいといった。私はなんだかうれしくなって、させた。出る、といったので、出して、といった。事後に少し落ち込む彼に、大丈夫だよ、良かったよ?、といった。
その日を最後に、私の日常は終わりを告げた。
いなければいいなと思っていたマリネがいたのだ。彼はマリネに殴られ倒れ、騒ぎが大きくなる前に、私は逃げるマリネについていった。逃げた先のホテルで、いろいろな話をされた。私は泣いた。マリネは、お前がなんで泣くのかわからない、と私が涙を流すたびに言った。確かにそうだな、と思った。中に出したこともばれた。
なんでそんなにひどいことを言うのかな?、私はそんなにひどいことをしたのかな?、マリネは私のこと好きなのかな?、私は好きなのかな?、もう終わりなんだよね?、眠いな…。泣いても優しくしてくれないから、私はずっとそんなことを考えながらきいていた。覆水盆に返らず。覆水盆に返らず。何度かマリネが口にしたことわざ。帰ったら意味を調べなきゃ。
話はそれだけじゃなかった。ぼーっとした頭の私に、マリネは自分の置かれている状況を説明しだした。嘘かと思ったけど、フナムシ君からの手紙や冒険の書をみると、本当のことらしかった。私は命を狙われるらしい。家族も危ないらしい。そして、マリネは私をまもってくれない。私のせい?
何時間ぐらいマリネはしゃべり続けただろう。何度も死ねといわれた。私はどんな顔をしてそれを聴いていたのだろう。あまり記憶にない。最後の方に、マリネが少しおちついてきたのは憶えている。私が、バカなりに決意を口にすると、彼は、いい加減にしろ、といったきりで、喋るのをやめた。マリネの最後のやさしさだったのかもしれない。
ひどいことをいわれた。死ねと何度もいわれた。嘘だとは思えない。ひどいことをした。彼と別れてやっと少しわかった。本当に死ねと思われている。でも、やっぱり、私は、マリネが、好きだ。いまでも、これからも。マリネがいなくなるのは、さびしい。