アンチ微笑シリーズ。アンチモヤモヤシリーズ。アンチ女教師とアンチ僕。隠れ再投稿
僕の通っていた中学校には、若くてきれいだけど、脇毛を生やした女教師がいた。それが僕の担任だった。
夏、夏、夏、夏、ココナッツ。僕の学校では夏休み明けの9月最初のイベントは体育祭だ。残暑でまくりのくそ暑い日曜日。僕らは学校が借りた都内の区営グラウンド施設までそれぞれ電車を乗り継いで出かけることになる。このグラウンドで生徒が陣取るエリアには屋根がない。
去年も一昨年もきっと今年も、とにかく暑い。競技や応援よりも熱中症対策に意識を集中し、わずかな影や水筒の中身を共有し助けあわなければ、ばったりと倒れることになる。
水筒の携帯は許可されているが、それ以外の水分摂取はなぜか禁止されていて、例外がひとつだけあるのだけど、その時はもう手遅れってもんだ。
なにが楽しくて大人たちは僕らにこんな仕打ちをするのか。考えてみたこともあったけど、深夜のテレビで流れる淡いエロ番組を観ておなにーしたらどうでもよくなった。
僕はただでさえ帰宅部で、体育祭なんて仮病を使って休んでしまいたかった。ホームルームでクラスの競技別出場選手を決める時にも、僕はできるだけ楽できる競技を選んだ。
だけど、僕は今回仮病をつかわなかった。僕には春に行われたマラソン大会で仮病を使い、みなが汗水たらして駆けてる頃教室で悪びれもせずにゆったりと、教師がいない学校の中を謳歌していたという前科がある。仮病使いには、仮病友達というものができる。今回その友達との緊急会議の末、体育祭には出ると結論した。仮病は中間テストのあとに行われる、地獄の30キロウォーキング大会に使うことにしたからだ。要は僕たちなりの手打ち。
やるせない暑さの中、体育祭会場のグラウンドに着くと、僕とその仮病友達は早速担任に呼び出された。担任はまだ20代の英語教師で、ジャージのズボンにクラスでデザインしたユニフォームのTシャツを着て、クラス番号が刺繍された年代物のはちまきをしていた。その白地の胸元に「燃えろ3ーB」と描かれた、おそらく体育祭が終わったらみんな捨てるであろう人類史上未曽有にダサいTシャツは、厳しい予算の中作られたもので、担任の色白で華奢な体にぴったり合うサイズのものなんてなかった。Sサイズとはいえ少しゆったりとした着心地を担任に与えていた。しかし、そのなんともダサい担任の姿は、女と言えば母親か食堂のおばちゃん、な僕にしてみれば、十分刺激的なものだったことをここに白状する。
手招く担任のもとにやるせなく近寄ると、開口一番、
「よしちゃんと来たな。お前ら真面目にやれよ」
と仮病気味な僕たちに殴りかからん勢いで喝を入れた。そう、こいつはこんな華奢な体して体育会系なのだ。華奢だ華奢だと言ってきたが、運動により引き締まったボディをしてるタイプなのだ。実は今回僕たちが体育祭に仮病を使わなかったのは、前回のマラソン大会時の仮病が担任にバレて、居丈高な女特有という表現がぴったりなひどく陰湿な罰を受けたからという、仮病使いにしてみれば少し情けない理由もある。
僕たちが「はい」、と気の抜けた返事をすると、担任は僕の頬をつねった。
その時、僕はみた。僕の頬をつねるために腕を上げた担任の、そのサイズの合っていないTシャツの腕口の隙間から、黒いもじゃもじゃしたものが。
「わかったか?」
頬をつねる担任が言う。
「はい、わかりました」
僕は脇毛的な意味でそう答えた。頬の痛みなどまるで感じなかった。
納得したのかどうか、僕が脇毛的に真面目そうな顔をしてそう答えると、担任は僕の頬から指を離した。
僕は担任の脇に生える毛のことを誰にも、盟友たる仮病友達にも言わなかった。そしてその事実は誰にも知られることはなかった。
折しもその日、僕がこの発見をしたすぐあと、救命的に天気は気まぐれになり、雲が出て雨が降ったりやんだりしだした。担任は雨に濡れると安っぽいオリジナルTシャツの生地が透けることを知っており、上着を羽織ったからだ。
体育祭が始まり、小雨降るグラウンドの中で、僕はずっと脇毛のことを考えていた。
今もじゃもじゃだということは、夏の間ももちろんたくわえっぱなしだったということだ。あんなもじゃもじゃ、一両日中ににたくわえることなどできやしない。もしそんなことができる奴がいたら、そいつはもれなく脇毛の妖精だ。年頃の娘さんが果たして脇毛処理を怠るものか。そんなことは有り得ない。
実はこの担任には彼氏がいる、とクラスではもっぱらの噂。なのに脇毛を剃らない担任。その事実。
セックスしてるだろ、夏なんだから、汗まみれでセックスしてるだろ。絶対セックスしてるだろ。夏休みのあいだ中ずっと、毎日毎日、尻の合間に汗溜め込んだセックスしてるだろ絶対。脇毛なめられてるのか、脇毛をなめられて感じてるのか。
そんな考えが次から次へと僕の頭に繰り返し繰り返し訪れた。くそ暑いグラウンドの中、砂煙の匂いと誰かの腋臭の匂いが入り混じるモンモンとした風が吹く。時折勃起するちんこをひた隠す。
数あわせの100m走で一回戦敗退することが僕の選んだ楽するプランだった。そしてそれは達成され、クラス対抗種目を適当にやり過ごすと、何事もなく体育祭は終わった。
あれからも、僕は心のどこかでずっと担任の脇毛のことを考えていた。3日に一回はそれでおなにーをした。脇毛とはなんぞや。発射したあとには必ずそんなことを考えて、げんなりした。
秋の始まりに、僕は懲りもせず、ウォーキング大会を休む算段を練っていた。僕も仮病友達も、今回に至っては無い知恵を絞らざるをえない。前回までは、親から担任宛ての便箋書きを偽造するという通称親文書偽造に手を染めていたのだが、前述の通りそれはバレて、相手も親も、もうその手は桑名の焼きはまんぐり状態だ。ここで大人の筆者が説明しよう。焼きはまんぐりとは、焼いた蛤をケント・デリカットの愛用メガネで~割愛~という、悪行超人を悪行超人とも思わないほどの心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ的なプラトニックな折檻である。
仮病友達との議論は沈黙を通り越し、
いっそのこと、お互いの足首を、いっせえのせで折り合うというのはどうか?。
なんてことまで、真剣に話し合う始末だった。
そんなことをするぐらいならウォーキング大会に出席する方がずいぶんとマシだ。だけど、なんちゃらのなんちゃらにもなんちゃらのなんちゃら、と云うではないか。僕らは何か意地めいたものに突き動かされていて、体育祭には出席してやったたんだから今回は絶対に仮病を決め込む決意をしていた。仮性をなめるな、が僕らのスローガンだった。くだらないし、誰からも評価されないけど、僕たちはヒーローになりたかったのかもしれない。
何らかの罪を犯して停学処分になる等の実力行使を行う勇気など生まれもってない僕たち仮病メンは、どのようにしてサボるか悩みに悩んだ。
そして遂に答えは出た。大会を翌日に控え、切羽詰まった日のことだった。
そうだ、バスに乗ろう。
出席だけとったらあとは隠れてバスに揺られてゆこう。先生方も随行するとはいえ、全生徒が参加するこのイベント中、逐一生徒全員の行動を把握できやしまい。
もはや仮病でも、大会ボイコットでもないが、しょうがない。僕らはやることなすこと中途半端な凝りない面々なのだ。
僕らは決行した。
そしてあっさりバレた。
ウォーキング終了後、何食わぬ顔して参列した閉会式が慎ましやかに終わり、舞台は教室。ホームルーム終了後、それまで普通の顔した担任が突如として猛烈に冷めた顔をして、僕らに放課後職員室に来るよう告げた。
ちょうだせー。
そう、ざわめくクラスの中から僕の耳は確かにそんな言葉を聞き取った。その通りだなと僕は思った。
職員室に呼び出された僕らは分断された。それぞれ人のいなくなった教室に場所を移し、担任に叱られることになった僕と、副担任のゴリラから叱られることになった盟友。僕の精神はまさに囚人のジレンマと呼ばれる状況下にあった。
なぜやったのか。
お前らは毎回毎回、呆れてものが言えない。今回こそは覚悟しろ。
首謀者はどっちか。
どっちが実行に移す決断を下したのか。
正直に答えろ。さもなくば、停学処分は免れない。
頭を謎の棒で叩かれながらも、僕ははぐらかしたり無言を貫いた。
しかし、教室の前の廊下を、鼻血を吹き出して涙を流しながら、真っ赤な顔をしたゴリラ副担任に首ねっこ抑えられながら連れられてどこかへ歩いていった友を見かけると、黙秘権の儚さを知った。あの副担任の手は、鼻血を止める民間療法ではない。
おそらく保健室に連れていかれた友。手の空いたゴリラ。さて、次は僕の番だ。あいつはどうやら容赦がない。
副担任が帰って来る前に僕はすべてをゲロった。
ちなみに前回仮病がバレた時の罰は、担任が顧問をしているバレー部が練習している体育館の隅で、延々と正座をさせられるというものだった。同級生や見も知らぬ後輩達から笑われ、それはとても陰湿な罰だった。
どんな罰が下されるか戦々恐々としていると、担任は暑くなったのか、羽織っていたジャージを脱いだ。白いサテンブラウスにおしゃれネクタイをした担任の脇は、おかしいぐらい汗で濡れていた。
「あ、脇毛」
尋問の末、てんやわんやになっていた僕はつい、割とひょうきんな声で口に出してしまった。
ヤバいと思って担任の顔を見る。
担任はまたも猛烈に冷めた顔をして
「殺すぞ」
とだけ短く言った。
結局僕は鼻の骨を折るようなこともなく、鼻を折った盟友との折半により首謀者役を引き受け、反省文を四百字詰め原稿用紙100枚分書いただけで肉体的ダメージはなく済んだ。反省文の中盤から終盤にかけてはもはやクラスのみんなが登場するファンタジー小説のような内容になっていたが、おもしろかったよと担任は許してくれた。
そんな中学時代の淡い思い出話。
あれから幾年か経ち、大人になった僕には、脇毛をたくわえた女教師に殺されかけるということで満足を得る性的趣向だけが残った。
今も、夏こそ脇毛の季節だ、と、部屋でひとり全裸になって、仲本工事ばりの開脚前転を決めている。
終わり。
なんだよこれ。こんなものがずっと携帯メール送信ボックスに積まれていたことにぞっとするわ。誰かに見られたらどうすんだよ。彼女に見られたらどうすんだよ。浮気の証拠よりひどいだろ。携帯を盗み見た彼女が、「彼氏がこんなメールを打ってました。私はどうすればいいでしょうか」と彼女がヤフー知恵袋に質問しちゃうほどだろこれ。「おかしな彼氏さんですね。ところであなたはいま脇毛を生やしていますか?。もし生やしていなかったから、生やしてあげては如何か」なんて真剣に答えられるおれの彼女の立場はどうすんだよ!?。生やしてくれるのか!?。彼女なんかいねえけど!。
生えては剃られ生えては剃られ、時には永久脱毛されて、脇毛とは一体何の為に生えているのか。そして脇毛みたいな僕は剃られて抜かれるだけの為にこの世に生を受けたのか。ああ脇毛よ、生きとし生ける脇毛らよ。強く残れよ、時空をこえて。じゃあ、さようなら。
以上、再投稿。いやあ、このブログをおれが書いていると身近な人に知られたら生きていけないよ。死にもしないけど。おれは欺瞞者だからね。ドストエフスキーだって言ってるよ。生を愛するがゆえに死を恐れる思想は欺瞞であり、生の苦痛を征服し、自殺する勇気をもった新しい人間こそ、自ら神となる。ってさ。漱石だって猫の中で似たようなことをなにやらかんやら書いてたし。ま、だからなにかと言われても、おれにはまるで返事はないんだけどさ。
おって書き。
最近コンビニ等の有線垂れ流してる店舗に入ったとき、「愛が止まらない」(wink)のカバーが流れてるのを何回かおれのこの生き恥をさらし続けるあかぎれまくりの耳でキャッチしたんだけど、…………やっぱり、ワンワンワン犬吠えていちゃダメだなって思った(笑)。(笑)だよ。かっこわるい。
夏、夏、夏、夏、ココナッツ。僕の学校では夏休み明けの9月最初のイベントは体育祭だ。残暑でまくりのくそ暑い日曜日。僕らは学校が借りた都内の区営グラウンド施設までそれぞれ電車を乗り継いで出かけることになる。このグラウンドで生徒が陣取るエリアには屋根がない。
去年も一昨年もきっと今年も、とにかく暑い。競技や応援よりも熱中症対策に意識を集中し、わずかな影や水筒の中身を共有し助けあわなければ、ばったりと倒れることになる。
水筒の携帯は許可されているが、それ以外の水分摂取はなぜか禁止されていて、例外がひとつだけあるのだけど、その時はもう手遅れってもんだ。
なにが楽しくて大人たちは僕らにこんな仕打ちをするのか。考えてみたこともあったけど、深夜のテレビで流れる淡いエロ番組を観ておなにーしたらどうでもよくなった。
僕はただでさえ帰宅部で、体育祭なんて仮病を使って休んでしまいたかった。ホームルームでクラスの競技別出場選手を決める時にも、僕はできるだけ楽できる競技を選んだ。
だけど、僕は今回仮病をつかわなかった。僕には春に行われたマラソン大会で仮病を使い、みなが汗水たらして駆けてる頃教室で悪びれもせずにゆったりと、教師がいない学校の中を謳歌していたという前科がある。仮病使いには、仮病友達というものができる。今回その友達との緊急会議の末、体育祭には出ると結論した。仮病は中間テストのあとに行われる、地獄の30キロウォーキング大会に使うことにしたからだ。要は僕たちなりの手打ち。
やるせない暑さの中、体育祭会場のグラウンドに着くと、僕とその仮病友達は早速担任に呼び出された。担任はまだ20代の英語教師で、ジャージのズボンにクラスでデザインしたユニフォームのTシャツを着て、クラス番号が刺繍された年代物のはちまきをしていた。その白地の胸元に「燃えろ3ーB」と描かれた、おそらく体育祭が終わったらみんな捨てるであろう人類史上未曽有にダサいTシャツは、厳しい予算の中作られたもので、担任の色白で華奢な体にぴったり合うサイズのものなんてなかった。Sサイズとはいえ少しゆったりとした着心地を担任に与えていた。しかし、そのなんともダサい担任の姿は、女と言えば母親か食堂のおばちゃん、な僕にしてみれば、十分刺激的なものだったことをここに白状する。
手招く担任のもとにやるせなく近寄ると、開口一番、
「よしちゃんと来たな。お前ら真面目にやれよ」
と仮病気味な僕たちに殴りかからん勢いで喝を入れた。そう、こいつはこんな華奢な体して体育会系なのだ。華奢だ華奢だと言ってきたが、運動により引き締まったボディをしてるタイプなのだ。実は今回僕たちが体育祭に仮病を使わなかったのは、前回のマラソン大会時の仮病が担任にバレて、居丈高な女特有という表現がぴったりなひどく陰湿な罰を受けたからという、仮病使いにしてみれば少し情けない理由もある。
僕たちが「はい」、と気の抜けた返事をすると、担任は僕の頬をつねった。
その時、僕はみた。僕の頬をつねるために腕を上げた担任の、そのサイズの合っていないTシャツの腕口の隙間から、黒いもじゃもじゃしたものが。
「わかったか?」
頬をつねる担任が言う。
「はい、わかりました」
僕は脇毛的な意味でそう答えた。頬の痛みなどまるで感じなかった。
納得したのかどうか、僕が脇毛的に真面目そうな顔をしてそう答えると、担任は僕の頬から指を離した。
僕は担任の脇に生える毛のことを誰にも、盟友たる仮病友達にも言わなかった。そしてその事実は誰にも知られることはなかった。
折しもその日、僕がこの発見をしたすぐあと、救命的に天気は気まぐれになり、雲が出て雨が降ったりやんだりしだした。担任は雨に濡れると安っぽいオリジナルTシャツの生地が透けることを知っており、上着を羽織ったからだ。
体育祭が始まり、小雨降るグラウンドの中で、僕はずっと脇毛のことを考えていた。
今もじゃもじゃだということは、夏の間ももちろんたくわえっぱなしだったということだ。あんなもじゃもじゃ、一両日中ににたくわえることなどできやしない。もしそんなことができる奴がいたら、そいつはもれなく脇毛の妖精だ。年頃の娘さんが果たして脇毛処理を怠るものか。そんなことは有り得ない。
実はこの担任には彼氏がいる、とクラスではもっぱらの噂。なのに脇毛を剃らない担任。その事実。
セックスしてるだろ、夏なんだから、汗まみれでセックスしてるだろ。絶対セックスしてるだろ。夏休みのあいだ中ずっと、毎日毎日、尻の合間に汗溜め込んだセックスしてるだろ絶対。脇毛なめられてるのか、脇毛をなめられて感じてるのか。
そんな考えが次から次へと僕の頭に繰り返し繰り返し訪れた。くそ暑いグラウンドの中、砂煙の匂いと誰かの腋臭の匂いが入り混じるモンモンとした風が吹く。時折勃起するちんこをひた隠す。
数あわせの100m走で一回戦敗退することが僕の選んだ楽するプランだった。そしてそれは達成され、クラス対抗種目を適当にやり過ごすと、何事もなく体育祭は終わった。
あれからも、僕は心のどこかでずっと担任の脇毛のことを考えていた。3日に一回はそれでおなにーをした。脇毛とはなんぞや。発射したあとには必ずそんなことを考えて、げんなりした。
秋の始まりに、僕は懲りもせず、ウォーキング大会を休む算段を練っていた。僕も仮病友達も、今回に至っては無い知恵を絞らざるをえない。前回までは、親から担任宛ての便箋書きを偽造するという通称親文書偽造に手を染めていたのだが、前述の通りそれはバレて、相手も親も、もうその手は桑名の焼きはまんぐり状態だ。ここで大人の筆者が説明しよう。焼きはまんぐりとは、焼いた蛤をケント・デリカットの愛用メガネで~割愛~という、悪行超人を悪行超人とも思わないほどの心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ的なプラトニックな折檻である。
仮病友達との議論は沈黙を通り越し、
いっそのこと、お互いの足首を、いっせえのせで折り合うというのはどうか?。
なんてことまで、真剣に話し合う始末だった。
そんなことをするぐらいならウォーキング大会に出席する方がずいぶんとマシだ。だけど、なんちゃらのなんちゃらにもなんちゃらのなんちゃら、と云うではないか。僕らは何か意地めいたものに突き動かされていて、体育祭には出席してやったたんだから今回は絶対に仮病を決め込む決意をしていた。仮性をなめるな、が僕らのスローガンだった。くだらないし、誰からも評価されないけど、僕たちはヒーローになりたかったのかもしれない。
何らかの罪を犯して停学処分になる等の実力行使を行う勇気など生まれもってない僕たち仮病メンは、どのようにしてサボるか悩みに悩んだ。
そして遂に答えは出た。大会を翌日に控え、切羽詰まった日のことだった。
そうだ、バスに乗ろう。
出席だけとったらあとは隠れてバスに揺られてゆこう。先生方も随行するとはいえ、全生徒が参加するこのイベント中、逐一生徒全員の行動を把握できやしまい。
もはや仮病でも、大会ボイコットでもないが、しょうがない。僕らはやることなすこと中途半端な凝りない面々なのだ。
僕らは決行した。
そしてあっさりバレた。
ウォーキング終了後、何食わぬ顔して参列した閉会式が慎ましやかに終わり、舞台は教室。ホームルーム終了後、それまで普通の顔した担任が突如として猛烈に冷めた顔をして、僕らに放課後職員室に来るよう告げた。
ちょうだせー。
そう、ざわめくクラスの中から僕の耳は確かにそんな言葉を聞き取った。その通りだなと僕は思った。
職員室に呼び出された僕らは分断された。それぞれ人のいなくなった教室に場所を移し、担任に叱られることになった僕と、副担任のゴリラから叱られることになった盟友。僕の精神はまさに囚人のジレンマと呼ばれる状況下にあった。
なぜやったのか。
お前らは毎回毎回、呆れてものが言えない。今回こそは覚悟しろ。
首謀者はどっちか。
どっちが実行に移す決断を下したのか。
正直に答えろ。さもなくば、停学処分は免れない。
頭を謎の棒で叩かれながらも、僕ははぐらかしたり無言を貫いた。
しかし、教室の前の廊下を、鼻血を吹き出して涙を流しながら、真っ赤な顔をしたゴリラ副担任に首ねっこ抑えられながら連れられてどこかへ歩いていった友を見かけると、黙秘権の儚さを知った。あの副担任の手は、鼻血を止める民間療法ではない。
おそらく保健室に連れていかれた友。手の空いたゴリラ。さて、次は僕の番だ。あいつはどうやら容赦がない。
副担任が帰って来る前に僕はすべてをゲロった。
ちなみに前回仮病がバレた時の罰は、担任が顧問をしているバレー部が練習している体育館の隅で、延々と正座をさせられるというものだった。同級生や見も知らぬ後輩達から笑われ、それはとても陰湿な罰だった。
どんな罰が下されるか戦々恐々としていると、担任は暑くなったのか、羽織っていたジャージを脱いだ。白いサテンブラウスにおしゃれネクタイをした担任の脇は、おかしいぐらい汗で濡れていた。
「あ、脇毛」
尋問の末、てんやわんやになっていた僕はつい、割とひょうきんな声で口に出してしまった。
ヤバいと思って担任の顔を見る。
担任はまたも猛烈に冷めた顔をして
「殺すぞ」
とだけ短く言った。
結局僕は鼻の骨を折るようなこともなく、鼻を折った盟友との折半により首謀者役を引き受け、反省文を四百字詰め原稿用紙100枚分書いただけで肉体的ダメージはなく済んだ。反省文の中盤から終盤にかけてはもはやクラスのみんなが登場するファンタジー小説のような内容になっていたが、おもしろかったよと担任は許してくれた。
そんな中学時代の淡い思い出話。
あれから幾年か経ち、大人になった僕には、脇毛をたくわえた女教師に殺されかけるということで満足を得る性的趣向だけが残った。
今も、夏こそ脇毛の季節だ、と、部屋でひとり全裸になって、仲本工事ばりの開脚前転を決めている。
終わり。
なんだよこれ。こんなものがずっと携帯メール送信ボックスに積まれていたことにぞっとするわ。誰かに見られたらどうすんだよ。彼女に見られたらどうすんだよ。浮気の証拠よりひどいだろ。携帯を盗み見た彼女が、「彼氏がこんなメールを打ってました。私はどうすればいいでしょうか」と彼女がヤフー知恵袋に質問しちゃうほどだろこれ。「おかしな彼氏さんですね。ところであなたはいま脇毛を生やしていますか?。もし生やしていなかったから、生やしてあげては如何か」なんて真剣に答えられるおれの彼女の立場はどうすんだよ!?。生やしてくれるのか!?。彼女なんかいねえけど!。
生えては剃られ生えては剃られ、時には永久脱毛されて、脇毛とは一体何の為に生えているのか。そして脇毛みたいな僕は剃られて抜かれるだけの為にこの世に生を受けたのか。ああ脇毛よ、生きとし生ける脇毛らよ。強く残れよ、時空をこえて。じゃあ、さようなら。
以上、再投稿。いやあ、このブログをおれが書いていると身近な人に知られたら生きていけないよ。死にもしないけど。おれは欺瞞者だからね。ドストエフスキーだって言ってるよ。生を愛するがゆえに死を恐れる思想は欺瞞であり、生の苦痛を征服し、自殺する勇気をもった新しい人間こそ、自ら神となる。ってさ。漱石だって猫の中で似たようなことをなにやらかんやら書いてたし。ま、だからなにかと言われても、おれにはまるで返事はないんだけどさ。
おって書き。
最近コンビニ等の有線垂れ流してる店舗に入ったとき、「愛が止まらない」(wink)のカバーが流れてるのを何回かおれのこの生き恥をさらし続けるあかぎれまくりの耳でキャッチしたんだけど、…………やっぱり、ワンワンワン犬吠えていちゃダメだなって思った(笑)。(笑)だよ。かっこわるい。