微笑シリーズ。ヒーローと夏と転んでもタダじゃ起きない気になる。 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。ヒーローと夏と転んでもタダじゃ起きない気になる。

『やっぱヒーローってのはさ、転んでも立ち上がることに意義があるんだよ』
「まあ、挫折から立ち直らなかったらヒーロー失格だもんな」
『そうだよ。悪党からいじめられ続けるヒーローなんてきいたことない』
「まあでも、ある意味ヒーローは悪党から嫌がらせをされ続ける存在でもあるよな」
『えっ!?、無視されたり?』
「そんなヒーローと悪党の関係ないだろ!。なんだよ無視って」
『無視だよ。集団でヒーローのことハブんの。悪党だぜ』
「いやまあ、恣意的に無視を決め込むのはいじめだけど」
『ヒーローが必殺技だしても、こう、ハエを払うような仕草で』
「つええなその悪党」
『やめてくれる?、とか言ってさ』
「そいつ普通に強いだろ」
『でもヒーローには無視決め込んでるから手を出さない。なんならあれだから。別のヒーローと戦ってるから』
「なんなんだよその状況は」
『そのヒーローにはちゃんとやられるからね』
「立つ瀬ないな」
『だから元ヒーローは』
「元ついちゃったよ」
『悪党の気をひこうとさ、髪を金髪に染めてみたり』
「そんな自己アピールすんなよヒーロー!」
『万引きしてみたり』
「もうヒーローじゃねえじゃん!、ただの小悪党じゃん!」
『お前はヒーローが味わう絶対的な孤独がわからないんだよ』
「いやいやいや、なんかもう、行動パターンが中学生じゃんそいつ!」
『そんなね、万引きとかをさ、悪党に自慢するわけ。わざと聞こえる距離でさ、警察沙汰になっちまったよ、とか独り言ね』
「いるよなそんな奴」
『そんなこんなで悪党にすり寄ろうとするんだけど、悪党はほんとの悪党だから。万引きやら恰好やら、そんなせこいこと自慢されてもねえ』
「されてもねえじゃねえよ」
『結局、無視、だよな』
「まだ無視されるんだ」
『どんどん元ヒーローのヒーロー設計が狂ってく』
「ヒーロー設計ってお前、人生設計的なあれな」
『ヒーロー活動がないと基本無職だしな』
「そうなんだ」
『でも、そんな元ヒーローにも転んでも立ち上がるヒーロー属性は持ってるんだよ』
「持ってるんだ一応」
『だから、既存の悪党に無視されるなら、新しい悪党を作ればいい、というヒーローにとってはコペルニクス的転回の着想に至る』
「禁断の着想だな」
『一人二役だよ』
「マッチポンプかよ!。消防士が放火するような!?。どうしようもねえな!!」
『お前最近忙しいらしいな、なんてちゃんとしたヒーローから言われてね。まあヒーローだからね。悪の真砂が尽きるまで戦うのみさ、なんて答えたり』
「哀れ過ぎるヒーローだよ!」
『自作自演の活躍は一時の満足を与えてくれるけど、内心、これでいいのか?、と辛くて辛くて』
「これでいいのかじゃねえよ」
『お前はヒーローの葛藤や苦悩がわからねえんだよ』
「そんなんじゃねえだろ!」
『何をやっても悪党共から無視され続けるヒーローの気持ちわかんのかよ!!』
「わかるよ!。わかりすぎるわ!」
『はあ!?』
「おれも、おれも、学生時代、無視され続けた時期があったからな…」
『あっそう。やっぱりヒーローは転んでも立ち上がるってのがかっこいいポイントでさ、まあおれなんかも、転んでも立ち上がる、まではいかなくても、転んでもタダじゃ起き上がらないぞと、そんな気持ちは持つように心がけてるんだよね。そうです。今日のお話は転んでもタダじゃ起き上がらないというお話です』
「今から本題はじまんのかよ!?、なげえよ前置きが。ていうかおれのちょっとしたカミングアウトはどこにいった!?」
『ああ、無視され続けたんだっけ?』
「そうだよ」
『ざまあ』
「おい!、ひどすぎるだろおい!。泣くぞ」
『まったくよお、お前って奴は、なんもわかってねえ』
「なんだよ」
『お前はもう無視されないよ。なぜならお前にはおれがいるからな』
「お、お前…」
『お前との受け答え一回につき、100円でどうだ?』
「偽装!?、友情偽装!?」
『お前みたいな奴とつるんでるとなると、こちとら人生の汚点なんだよ』
「………ひどいだろ」
『おれは転んでもタダじゃ起き上がらねえ。おら、金を出せ。とりあえず今までの分含めて、100万円で手をうとうか』
「…払えねえよバカヤロー」
『払えねえ!?、払えねえだと!?』
「払えるわけあるか!!、なんなんだよちくしょう!!」
『………』
「…なんだよ」
『払えねえなら仕方ねえ』
「あ?」
『だったら体で払ってもらうしかないな』
「…は?」
『お前はこれから一生、おれの相方として働いてもらうということさ』
「…いつか、払うぜ」
『あ?』
「いつか、お前に大爆笑を支払ってみせるぜ」
『えっほんと?、うわやった!。じゃあほら、まずほら、全裸になってアナルにケータイ突っ込んで着信者別のリアクションをとって見せてくれよ!!』
「OKわかった。まず全裸になって、ってバカ!。できるか!。なんだよ急に雰囲気一変させやがって」
『できないの?』
「できねえよ!」
『じゃあコンビ解散だ』
「早っ、前言撤回早っ。あの誓いはなんだったんだ。しかもしょうもないことで」
『おれは転んでもタダじゃ起き上がらねえからな。お前と別れて渡辺謙と組んでみせる』
「あれ入ってないからね!?」





終わり。残念。肛門にケータイはいつか友達がやったこと。折りたたみじゃないやつで。びっくりしたけど、そんなに笑えなかった。人生ジャックインだね。