微笑シリーズ。困ったときのファミレスさわやか変
「あー腹へった。ファミレスか、よし」
『いらっしゃいませ。お客様は何名様で』
「ひとり」
『ひとり?、ひとりでございますか?』
「えっ、ひとりだけど?」
『…………』
「なん…ですか?」
『………あのお客様』
「なに」
『もしよろしければ、店にいる間、わたしのことを生き別れた双子の兄だと』
「は!?、なにそれ」
『ジョン、ジョンじゃないか!』
「いや、人を飼い犬みたく呼ぶなよ。なんだよ急に!」
『当店ではお一人様でご来店なされたお客様にはもれなく疑似家族をサービスいたしております』
「なんだよそのサービス!、いらないよ!、いいだろひとりでファミレスに来たって!」
『久しぶりなのにつれないなジョン』
「だからジョンって呼ぶなよ!、そのサービスいらないから!、ていうかなんでジョンなんだよ!、おれぱっと見ジョンって顔じゃないだろ!」
『ちゃんとした名前を付けてしまうと情が移ってしまう』
「捨て犬!、捨て犬の理論だろそれ!、客を捨て犬扱いすんなよ!」
『情が移ってしまいます』
「情が移ってしまいますじゃねえよ!、やめろ!」
『えっ、ではサービスをお受けにならないと?』
「当たり前だろ」
『では、お客様はなぜ当店に?』
「メシを食いにだよ!、ファミレスだろここ!、そういうプレイする場所じゃないだろ!?」
『残飯をあさりに』
「脳内で言葉が変換されてるだろ!、駄目だろ客に残飯だしたら。ちゃんとしたメシ食いにだよ!」
『メシを食いに』
「そうだよ!」
『ひとりで食べるご飯よりも生き別れた双子の』
「いいから!、もういいから!、ていうかお前兄なのな!、弟でいいだろ!、まあいいや、早く席案内して」
『そうですか、ではお客様、お席のほう、ダンボールの席と屋根付きの席が』
「ジョン!、ジョン引きずってるよ!」
『冗談ですよ』
「言わなくていいんだよ」
『では、喫煙席と禁煙席』
「ああ、喫煙ね」
『それと、風の吹き抜ける席がございますが』
「え?なにもう一回言って」
『ですからぁ』
「客にですからとか言うなよ。ギャルかお前は」
『喫煙席と』
「うん」
『禁煙席と』
「うん」
『風の吹き抜ける席です』
「風の吹き抜ける席!?」
『風の吹き抜ける席です』
「なにそれ」
『風の吹き抜ける席ですよ』
「いやよくわかんねえけど」
『ですからぁ』
「だから客に向かってそんなあきれた口調でしゃべるなよ」
『風の吹き抜ける席は』
「うん」
『風の吹き抜ける席です』
「うん、解決しないままだけど、このままやりあっててもらちがあきそうにないからもういいや。おれ喫煙席だし」
『喫煙席で』
「うん」
『ああ、お客様、あいにく喫煙席はただいま満席でして』
「ああそう」
『あ、ちょっと待ってください。…………。お客様、いま確認しましたところ相席ならばなんとかなりそうなんですけど』
「相席?、ファミレスで?」
『はい、ただ、相席なされるときにはお客様には、相手のお客様のグレ始めた息子だと』
「やだよ!そのサービスやりたくねえよ!」
『そうですか』
「どうしておれが見ず知らずの人のグレ始めた息子やんなきゃなんねえんだよ」
『では、しばらく待って頂くことになりますが』
「そうなの?」
『あ、お客様、風の吹き抜ける席ならいますぐに』
「風の吹き抜ける席ねえ。なんだか知らねえけど、そこはタバコ吸えんの?」
『タバコが吸えりゃいいんですか!?』
「は!?」
『タバコが吸えりゃいいんですか!?』
「なんだよ急に」
『タバコが吸えりゃ、なんでもいいんですか!?』
「なんなんだよお前」
『タバコが吸えりゃ、あなたそれでいいんですか!?』
「別にお前にそこまで言われる筋合いないだろ。喫煙席がいっぱいだから聞いてみただけで」
『風の吹き抜ける席はねえ!、風の吹き抜ける席はねえ!』
「なんだよ」
『喫煙可能です』
「じゃあそこで」
『はい、ではこちらへどうぞ』
「急に丁寧になったな。あ、ていうかつい風の吹き抜ける席OKしちまった。まあいいや」
『はい、こちらです』
「………ここ?」
『はい』
「普通の席、だよね?」
『いえ、風の吹き抜ける席です』
「どうやら、別に風は吹き抜けてる様子は見受けられないけど」
『吹き抜けてますよ』
「え、どこに?」
『お客様、あちらをご覧ください』
「うん」
『あちらの七三わけのサラリーマンさん』
「うん」
『実は1ヶ月前にリストラにあって現在無職でございますが、家族には黙っていなさってまして、時間を潰すために当店へ。いやあ、不況の風が吹き抜けてますなあ!』
「なに!?、不況の風!?」
『あちらのお客様に至っては』
「至ってはってお前」
『あちらの子連れの夫婦に至っては、このあと離婚します』
「離婚!?」
『いやあ、最後の晩餐ですか。なんとか最後ぐらい楽しい思い出のひとつでも残そうとしておるのでしょうが、子供のあのひどい顔、いやあ、家族仲に冷え切った風が吹き抜けてますなあ』
「なに、風の吹き抜ける席ってそういうことなの!?」
『あちらのお客様なぞは』
「なぞは」
『秋川雅史さんです』
「千の風になって!?」
『いやあ、一発屋の風が吹き抜けてますなあ』
「ああいう人に一発屋とか言うなよ!、違うだろ!」
『それとあちらのお客様が獣神サンダー・ライガーの中の人です』
「リバプールの風になった人!?」
『いやあ頭頂部にさみしい風が吹き抜けてますなあ』
「そういうこと言うのやめろよ」
『たなびく長い髪は』
「やめろって」
『あちらのお客様は、口笛おじさんです』
「なんでもありかよ」
『…えっと、お客様は?』
「え」
『お客様は一体どのような風が吹き抜けているんですか?』
「どのような風がって、なに、それがないとこの席座れないの?」
『座れないこともありませんけど』
「けど、なんだよ」
『他のお客様からは白い目で見られますが』
「白い目で」
『お客様には尋常ではない疎外感を味わって頂く形になります』
「そんな形やだよ」
『それに、やはり仲間外れということで、お客様は他のお客様から襲われます』
「ここファミレスだよな!?。襲われるってどういうことだよ。無人島かここは。無人島で仲間外れか。いやだよ襲われるの。リバプールの風の人がいるから特にいやだよ」
『では、お客様にはどのような風が吹き抜けていらっしゃる?』
「どのような風って、不況は?、不況の風は駄目なの?」
『そんなオリジナリティのかけらもない』
「駄目なの!?、おしなべて不況じゃん!、日本いまおしなべて不況じゃん!、オリジナリティないって不況はあの人のなの!?、いまの不況はあの人ショックなの!?」
『他の風に思いあたりは?』
「なかなか、なかなか風に思いあたりってないぜ!?」
『では、他のお客様に襲われる形で』
「だからそれ駄目な形だから!、やっちゃ駄目な形だから!」
『では、どのような風が?』
「ふりだしだよ結局。風、風だろ、…………ああ、世間の風、とか?」
『世間の風、でございますか、それは吹き抜けるものではなくて、あたるものだと思いますが』
「審査厳しいなおい!、口笛おじさんがよくて世間の風駄目なのかよ」
『まあ、はい』
「そうだろうね!」
『では、襲われる形に』
「だからそれ駄目な形だっつってんだろ!、なんなんだよさっきから!、どういう店だよ!、風の吹き抜ける席ってなんだよ!」
『ああ、なるほど、だめ出しの嵐、というわけですか』
「そうじゃねえけど!」
『でも、嵐と風は違う』
「うるせえ!」
『カモン、ライガー』
「ライガーを犬みたく呼ぶな!」
『ハウス!』
「プロレスネタが古いんだよ!、その件にライガー関係ねえし!」
『バルス!』
「ラピュタが落ちちゃう!」
『殺す!』
「誰をだよ!、急に物騒になったな!」
『あ、お客様』
「なんだよ」
『いま、喫煙席のお父さまが店をでました』
「お父さんじゃねえよ!」
終わり。
まるで関係のない話だけど、友人が有吉の風を吹かせて某金星に行ったことある女性にあだ名をつけたんだ。聞いてくれ。ずばり、
「現役AV女優」
だ。てめえんとこのファーストレディつかまえて現役AV女優たあ言ったもんだよ。
ちなみに友人はそれを言ったあと何度も、
「そう思ってみただけだよ。そう思ってみただけだよ」
って言ったんだ。それを聞いたおれは一抹の不安と疑惑が晴れ、安心して、
「なんだ、そう思ってみただけか」
って言ったんだよって話。
現役AV女優…か………確かに、おだてりゃ出そうだな。
いや、そう思ってみただけだよ。そう思ってみただけ。
そう思ってみただけなんだ。
ちなみにちなみに、現役AV女優の旦那に友人がつけたあだ名は、「カリ首」だったよ。ひどいよね。どのあたりからカリ首という命名に至ったのかよくわからないしさ。
現役AV女優で調子にのって二匹目のどじょう狙ったこの結果が友人こと高橋君の限界だよ。
『いらっしゃいませ。お客様は何名様で』
「ひとり」
『ひとり?、ひとりでございますか?』
「えっ、ひとりだけど?」
『…………』
「なん…ですか?」
『………あのお客様』
「なに」
『もしよろしければ、店にいる間、わたしのことを生き別れた双子の兄だと』
「は!?、なにそれ」
『ジョン、ジョンじゃないか!』
「いや、人を飼い犬みたく呼ぶなよ。なんだよ急に!」
『当店ではお一人様でご来店なされたお客様にはもれなく疑似家族をサービスいたしております』
「なんだよそのサービス!、いらないよ!、いいだろひとりでファミレスに来たって!」
『久しぶりなのにつれないなジョン』
「だからジョンって呼ぶなよ!、そのサービスいらないから!、ていうかなんでジョンなんだよ!、おれぱっと見ジョンって顔じゃないだろ!」
『ちゃんとした名前を付けてしまうと情が移ってしまう』
「捨て犬!、捨て犬の理論だろそれ!、客を捨て犬扱いすんなよ!」
『情が移ってしまいます』
「情が移ってしまいますじゃねえよ!、やめろ!」
『えっ、ではサービスをお受けにならないと?』
「当たり前だろ」
『では、お客様はなぜ当店に?』
「メシを食いにだよ!、ファミレスだろここ!、そういうプレイする場所じゃないだろ!?」
『残飯をあさりに』
「脳内で言葉が変換されてるだろ!、駄目だろ客に残飯だしたら。ちゃんとしたメシ食いにだよ!」
『メシを食いに』
「そうだよ!」
『ひとりで食べるご飯よりも生き別れた双子の』
「いいから!、もういいから!、ていうかお前兄なのな!、弟でいいだろ!、まあいいや、早く席案内して」
『そうですか、ではお客様、お席のほう、ダンボールの席と屋根付きの席が』
「ジョン!、ジョン引きずってるよ!」
『冗談ですよ』
「言わなくていいんだよ」
『では、喫煙席と禁煙席』
「ああ、喫煙ね」
『それと、風の吹き抜ける席がございますが』
「え?なにもう一回言って」
『ですからぁ』
「客にですからとか言うなよ。ギャルかお前は」
『喫煙席と』
「うん」
『禁煙席と』
「うん」
『風の吹き抜ける席です』
「風の吹き抜ける席!?」
『風の吹き抜ける席です』
「なにそれ」
『風の吹き抜ける席ですよ』
「いやよくわかんねえけど」
『ですからぁ』
「だから客に向かってそんなあきれた口調でしゃべるなよ」
『風の吹き抜ける席は』
「うん」
『風の吹き抜ける席です』
「うん、解決しないままだけど、このままやりあっててもらちがあきそうにないからもういいや。おれ喫煙席だし」
『喫煙席で』
「うん」
『ああ、お客様、あいにく喫煙席はただいま満席でして』
「ああそう」
『あ、ちょっと待ってください。…………。お客様、いま確認しましたところ相席ならばなんとかなりそうなんですけど』
「相席?、ファミレスで?」
『はい、ただ、相席なされるときにはお客様には、相手のお客様のグレ始めた息子だと』
「やだよ!そのサービスやりたくねえよ!」
『そうですか』
「どうしておれが見ず知らずの人のグレ始めた息子やんなきゃなんねえんだよ」
『では、しばらく待って頂くことになりますが』
「そうなの?」
『あ、お客様、風の吹き抜ける席ならいますぐに』
「風の吹き抜ける席ねえ。なんだか知らねえけど、そこはタバコ吸えんの?」
『タバコが吸えりゃいいんですか!?』
「は!?」
『タバコが吸えりゃいいんですか!?』
「なんだよ急に」
『タバコが吸えりゃ、なんでもいいんですか!?』
「なんなんだよお前」
『タバコが吸えりゃ、あなたそれでいいんですか!?』
「別にお前にそこまで言われる筋合いないだろ。喫煙席がいっぱいだから聞いてみただけで」
『風の吹き抜ける席はねえ!、風の吹き抜ける席はねえ!』
「なんだよ」
『喫煙可能です』
「じゃあそこで」
『はい、ではこちらへどうぞ』
「急に丁寧になったな。あ、ていうかつい風の吹き抜ける席OKしちまった。まあいいや」
『はい、こちらです』
「………ここ?」
『はい』
「普通の席、だよね?」
『いえ、風の吹き抜ける席です』
「どうやら、別に風は吹き抜けてる様子は見受けられないけど」
『吹き抜けてますよ』
「え、どこに?」
『お客様、あちらをご覧ください』
「うん」
『あちらの七三わけのサラリーマンさん』
「うん」
『実は1ヶ月前にリストラにあって現在無職でございますが、家族には黙っていなさってまして、時間を潰すために当店へ。いやあ、不況の風が吹き抜けてますなあ!』
「なに!?、不況の風!?」
『あちらのお客様に至っては』
「至ってはってお前」
『あちらの子連れの夫婦に至っては、このあと離婚します』
「離婚!?」
『いやあ、最後の晩餐ですか。なんとか最後ぐらい楽しい思い出のひとつでも残そうとしておるのでしょうが、子供のあのひどい顔、いやあ、家族仲に冷え切った風が吹き抜けてますなあ』
「なに、風の吹き抜ける席ってそういうことなの!?」
『あちらのお客様なぞは』
「なぞは」
『秋川雅史さんです』
「千の風になって!?」
『いやあ、一発屋の風が吹き抜けてますなあ』
「ああいう人に一発屋とか言うなよ!、違うだろ!」
『それとあちらのお客様が獣神サンダー・ライガーの中の人です』
「リバプールの風になった人!?」
『いやあ頭頂部にさみしい風が吹き抜けてますなあ』
「そういうこと言うのやめろよ」
『たなびく長い髪は』
「やめろって」
『あちらのお客様は、口笛おじさんです』
「なんでもありかよ」
『…えっと、お客様は?』
「え」
『お客様は一体どのような風が吹き抜けているんですか?』
「どのような風がって、なに、それがないとこの席座れないの?」
『座れないこともありませんけど』
「けど、なんだよ」
『他のお客様からは白い目で見られますが』
「白い目で」
『お客様には尋常ではない疎外感を味わって頂く形になります』
「そんな形やだよ」
『それに、やはり仲間外れということで、お客様は他のお客様から襲われます』
「ここファミレスだよな!?。襲われるってどういうことだよ。無人島かここは。無人島で仲間外れか。いやだよ襲われるの。リバプールの風の人がいるから特にいやだよ」
『では、お客様にはどのような風が吹き抜けていらっしゃる?』
「どのような風って、不況は?、不況の風は駄目なの?」
『そんなオリジナリティのかけらもない』
「駄目なの!?、おしなべて不況じゃん!、日本いまおしなべて不況じゃん!、オリジナリティないって不況はあの人のなの!?、いまの不況はあの人ショックなの!?」
『他の風に思いあたりは?』
「なかなか、なかなか風に思いあたりってないぜ!?」
『では、他のお客様に襲われる形で』
「だからそれ駄目な形だから!、やっちゃ駄目な形だから!」
『では、どのような風が?』
「ふりだしだよ結局。風、風だろ、…………ああ、世間の風、とか?」
『世間の風、でございますか、それは吹き抜けるものではなくて、あたるものだと思いますが』
「審査厳しいなおい!、口笛おじさんがよくて世間の風駄目なのかよ」
『まあ、はい』
「そうだろうね!」
『では、襲われる形に』
「だからそれ駄目な形だっつってんだろ!、なんなんだよさっきから!、どういう店だよ!、風の吹き抜ける席ってなんだよ!」
『ああ、なるほど、だめ出しの嵐、というわけですか』
「そうじゃねえけど!」
『でも、嵐と風は違う』
「うるせえ!」
『カモン、ライガー』
「ライガーを犬みたく呼ぶな!」
『ハウス!』
「プロレスネタが古いんだよ!、その件にライガー関係ねえし!」
『バルス!』
「ラピュタが落ちちゃう!」
『殺す!』
「誰をだよ!、急に物騒になったな!」
『あ、お客様』
「なんだよ」
『いま、喫煙席のお父さまが店をでました』
「お父さんじゃねえよ!」
終わり。
まるで関係のない話だけど、友人が有吉の風を吹かせて某金星に行ったことある女性にあだ名をつけたんだ。聞いてくれ。ずばり、
「現役AV女優」
だ。てめえんとこのファーストレディつかまえて現役AV女優たあ言ったもんだよ。
ちなみに友人はそれを言ったあと何度も、
「そう思ってみただけだよ。そう思ってみただけだよ」
って言ったんだ。それを聞いたおれは一抹の不安と疑惑が晴れ、安心して、
「なんだ、そう思ってみただけか」
って言ったんだよって話。
現役AV女優…か………確かに、おだてりゃ出そうだな。
いや、そう思ってみただけだよ。そう思ってみただけ。
そう思ってみただけなんだ。
ちなみにちなみに、現役AV女優の旦那に友人がつけたあだ名は、「カリ首」だったよ。ひどいよね。どのあたりからカリ首という命名に至ったのかよくわからないしさ。
現役AV女優で調子にのって二匹目のどじょう狙ったこの結果が友人こと高橋君の限界だよ。