微笑シリーズ。酔っぱらい | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。酔っぱらい

酔っぱらい『うーだお、おえ、だあしゃんだ、んだバカヤロー』
警官「ちょっとちょっとおとうさん」
『ふんだもんだごおなんつって、なもんだっつってコノヤロー』
「ちょっとおとうさん」
『んん!?』
「ね、正月だからってね、昼から気持ちよくなるのはわかるけどね、ほらここは往来だから、ね」
『んん!?』
「ほら、ちゃんとしようね」
『んん!?んん!?んん!?』
「ちょっと、人をそんなジロジロ見ることないでしょ」
『ありゃ、どうにも視界がぼやけてやがると思ったら、あたしメガネかけてねーわな!だははは!メガネ!メガネかけてねーわ!だははは!メガネが目にねえなんつって!だははは』
「…はいはい…まさかメガネ失くしちゃったんですか?」
『メガネが、おれのメガネが、ああ、おれもとからメガネかけてねーわ』
「なんだそれ!」
『おれ、メガネ似合うのに』
「知らねえよ!」
『おれ、メガネかけたらあれに似てるんだよ!』
「あれって言われてもわからないですよ。わたしおとうさんの連れ合いじゃないから」
『あれだよあれ、あの、メガネかけてる人』
「だろうね!、そりゃそうだ!」
『似てるだろお?』
「だから比較対象がわからないって」
『あれだよあれ、チャゲアスの』
「ああ、チャゲですかって、チャゲはサングラスだけども」
『いやいやいやいや』
「え、飛鳥の方」
『いやいやいやいや』
「………」
『いやいやいやいやいやいやいやいや』
「なんだよ!」
『いやいやいやいやねえもう、いやいやいやいやねえ、ねえもうねえ』
「なんなんだよ!、しっかりしてくださいよおとうさん!」
『いやいやいやいやねえ、おれがメガネかけたらあれだよお前、チャゲアスの真ん中の人に似てるだろ?』
「ふたり組だから真ん中なんていねえよ!、お前の目は何をとらえているんだ!?、一体何を見たんだあんた!」
『真ん中のよ、真ん中の、ぬいぐるみに』
「ぬいぐるみ!?」
『ありゃ、メガネがねえ!、おれのメガネがねえ!』
「もとから持ってないんでしょ」
『お前に食わせるメガネはねえ!つって』
「………はい」
『お前に食わせるメガネはねえ!つって』
「………はい、あの、結構ですはい」
『お前に食わせるメガネに目がねえ!なんつって!』
「………良かったらどうぞ遠慮なくはい」
『…おれはメガネの園に行ったことがある』
「突然なんか言い出した!、メガネの園!?」
『メガネの園には有名な、カニの早剥きおばさんがいる』
「そう、ですか」
『ポキッと折ってチュって、ポキッと折ってチュって、ポキッと折ってチュってよ、脚を、カニの脚をおばさんが、ポキッと折ってチュって、チュって、身を出しやがる』
「………」
『ポキッと折ってチュって、カニの脚をポキッと折って身をチュっと出しやがる、だははは!』
「なんなんだよ」
『でもそのおばさんメガネかけてないからね』
「ムチャクチャだなもう」
『メガネメガネ』
「メガネはもういいでしょ、ね、しっかりしてください」
『もうメガネかけてないから視界がぐーるぐるしちゃって』
「酔っぱらってるからだよ!」
『ふえ?、あんた、あんた誰?』
「いまさら!?、見てわかるだろ!、というかさっきあんたジロジロジロジロ見て確かめてたじゃねえかよ!」
『ああ、そんなこともあったっけ』
「あったよ」
『ちょうど一年前に』
「ついさっきのことだよ!」
『この道を通った夜』
「なんだよ歌ってたのかよ!歌わないの!、ね」
『なんでもないようなことが幸せだったと思う』
「だから歌うなって、ていうか語りで歌うな!」
『道路第2章』
「ロードな!、道路ってあんた」
『そういやおれもちょうど一年前にこの道を通ってたんだよ』
「そうですか」
『あの時も正月だったなあ』
「当たり前でしょ」
『あれからおれなあんもしてない』
「…何も?」
『もうなあんもしてないからね、なにもなしてないから』
「そう、ですか」
『ひょっとしたら今って去年なんじゃないか?』
「落ち着きなよ、時計の針が無情にも時を刻み続けた今ですよ」
『あんたうまいこと言うね』
「え?そうですか?」
『あんたあれだよ。あれ。誰?』
「リズミカルに言い放ちやがった。だからね、この恰好みたら見てわかるでしょ」
『わかんねえ』
「うん、そうだったそうだった」
『あ!』
「なに!?」
『ひょっとしたらあんた…………ラクダかな』
「ラクダってなんでだよ!、色も形も違うだろ!」
『まつげが』
「まつげ!?、砂漠の砂から瞳を守るラクダのあの長いまつげとおれのまつげを見間違えたの!?」
『まつげと、こぶかな』
「おれひとこぶもふたこぶも持ち合わせてねえよ!あんたの目には一体何が見えてんだよ!」

『そんなこと言われても、紺色の服を着て、帽子かぶって、腰に拳銃ぶら下げて、そんな警官みたいな恰好してる奴におれの知り合いはいない!』
「警官でいいんだよ!、知り合いじゃなくても警官だけでいいんだ!、あんた道行く人全員があんたの知り合いじゃないんだからね!」
『寂しいこと言うなよ。ういっとくら』
「ああちょっとおとうさん!、ダメだよダメダメ!」
『なんじゃらほい』
「そこで小便しちゃダメでしょ!」
『なんでだよバカ!!』
「うわ、予想以上に逆ギレされた。ダメでしょあんた。逮捕しますよ!」
『なんでえしばらく見ねえうちに警官みたいなこと言うようになっちまいやがって』
「おれ警官だよ!そしてあんたの親戚じゃねえ!」
『あんた警官なの?』
「そうだよ!」
『え?いつから?』
「いつからとかじゃねえだろ!、あんたとは会った時から警官だよ!」
『それを早く言えよまったく、ええ?』
「見てわかるだろって話なんだよてめえ!」
『てめえ?、何年上に生意気な口きいてんだあんた』
「ああいや、つい」
『そんなだからこの国は!………うむ、しかし振り返りみればおれも出会ったばかりの君に随分と失礼なことをした気がする』
「はあ」
『ここは君、ドュッティドュッティにしようか』
「どっこいどっこいな!ドュッティドュッティってなんだよ」
『ヘイ!イッツァメリケンジョーク!』
「全然アメリカンジョークになってねえよ!」
『じゃあ、よっとくらあ』
「ああ!だから立ち小便すんなって!」
『何を若造がえらそうに、てめえおれの小便を飲み干しやがれ!さあ飲み干しやがれ!』
「ぎゃああああごぼぼぼ」




終わり……新年一発目なのになんちゅう終わり方だ………

まあ、正月のはなから松前漬けをディスるという、そんなブログだもんね。

日記

1月3日(日)
暇を持て余す。