微笑シリーズ。スランプを抜け出す為に原点回帰とライトな感覚 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。スランプを抜け出す為に原点回帰とライトな感覚

「最近なんてえと海外ドラマの話題が出ますね」
『ほう』
「あなたは何か観ましたか?」
『例えばなにがある?』
「え?そりゃ24とか」
『ああ、はいはい』
「24は観ましたか?」
『観ましたよ。シーズン1を』
「最初のやつね」
『ええ、18時間観ました』
「え?残りはどうしたんだ?」
『残り?あと6時間のこと?』
「そう」
『そんなもんお前テレビの中で24時間が進行してると同時におれの24時間も進行してるわけだから』
「…というと、帰ったら続きを観ると」
『観ませんけど』
「はあ?観ないの?」
『それは無理な相談でしょ。おれの24時間が進行してると同時にテレビの中で24時間が進行されちゃってるわけだから』
「いや、DVDだろ?好きな時に好きな回から観ればいいでしょ」
『そんなことしたら画面の中のジャックに笑われるだろ』
「笑われねえよ。みんなそうしてるよ」
『鼻で笑われるだろ』
「おれは24時間戦い続けてるのにお前ときたら、って?」
『お前ときたら24時間中何時間トイレに費やしてんだよって』
「そんなこと!?何時間トイレに費やしたんだお前」
『むしろDVD持ち込んでトイレで観た方がいいだろって、諭されるからね』
「ジャックに」
『ジャックに』
「18時間しか観てないって、続きが気になったりしないんですか?」
『まあ、でもおれの中では24は18で、エイティーンで完結したわけだから』
「いや、そんなことないでしょ」
『エイティーンで終わり。エイティーンでおれの中の24はライディーンしたから』
「………もういいや、24とか、あとほれ、無人島に取り残されるやつとか」
『無人島に取り残されるやつってお前、ロストな』
「そうそうロスト」
『無人島に取り残されるやつってお前』
「出てこなかったんだよ」
『あのロストを、大人気ドラマシリーズロストを島に取り残されるやつって。ボキャブラリー貧困か。むしろお前のボキャブラリーが無人島の様を呈してるわ』
「しつこいな。じゃあお前はなんて説明すんだよ」
『そりゃ、飛行機が無人島に墜落して、無人島に取り残されるやつ』
「おい!」
『まあまあ、所詮ロストなんて無人島に取り残されるやつですよ』
「所詮ってお前」
『サバイバルですからロストは』
「サバイバルねえ。よく無人島に持っていくとしたら何がいいって話ありますけど」
『おう、きたね、知ってる?誰しもが無人島で生き残れる3つの道具』
「誰しもが?」
『誰しもがだよ。ゆりかごから墓場までの誰しもが』
「赤ちゃんから老人までね」
『なんなら精子とゾンビも生き残れるからね』
「精子はさて置きゾンビは何もしないでも生き残れるじゃないのか?まあいいや、しかしそんな道具あるか?」
『あるよ。そんなのめっちゃあるよ』
「いや3つだろ!?」
『3つだったっけ?』
「おれに聞かれても。まあそれで、ひとつめは?」
『やる気です』
「やる気!?やる気ってお前、最初から道具じゃねえし」
『道具じゃないとあなたは仰りますけど、やる気なんてものは道具ですから。生きていく為の道具みたいなものですから』
「みたいなものって厳密に言えば違うけどってことだろ?」
『まあそうですけど』
「認めちゃったよ」
『でもやる気がなきゃ駄目でしょ。やる気がない遭難者なんてすぐ死んじゃいますから』
「まあなあ」
『精子だってあんなもんやる気の塊ですからね』
「精子はどうでもいいんだよ」
『ていうか、やる気がないと遭難の3日前に既に死んでますから』
「あっそう」
『まあ、そもそもやる気がないと遭難するような場所に行かないんですけどね』
「元も子もないな。まあいいよ。ふたつめは?」
『ふたつめは課長島耕作のコミックです』
「うわ、島つながりきたよこれ」
『一冊ですよ。しかも課長時代のものじゃないと駄目』
「なんで?」
『やっぱり中間管理職のバイタリティ、打たれ強さがやる気を喚起させるわけだから』
「またやる気かよ。結局やる気なんじゃねえか」
『ちょっとしたお色気シーンもありますからね。精子もやる気になる』
「なに言ってんだお前」
『奮い立つからね。わさわさするから金の玉が』
「はい、じゃあ最後は?」
『3つめはこれ重要ですよ』
「じゃあやっぱ前ふたつはあんまり重要じゃなかったと」
『いやいや、揚げ足とるなお前』
「そういうことでしょ?」
『いやいやいやいや、お前人の揚げ足とるなぁ。足をすくいにくるわ。人の足をしゅっとすくいにくるわ。すくいにかかってくるわ』
「うるさいなあ」
『熊が鮭を捕るような手つきで人の足元をしゅっとすくいにくるわ』
「うるせえ!3つめはなんなんだよてめえ!」
『うわ、うわうわ。せっかく人が楽しんでるところに。お前水をさすな。お前人に水をさすわ』
「ああもう」
『ホースの先端を指でギチギチに押しつぶして水をさしてくるわ』
「ぶん殴るぞてめえ!」
『うわ、お前、そんな言い方されたら』
「なんだよ」
『こっちとしたらそんな言い方されたら、やる気なくなったわ』
「おい、それで逃れられると思うなよ?」
『…………』
「3つめは!?」
『…………』
「3つめはなに!?言えよ!」
『ち、地図的な』
「はあ!?3つめは!?」
『…マトリョーシカ』
「…うん」


終わり。マトリョーシカエンド。マトリョーシカって便利よね。不便さで便利よね。生まれ変わったらマトリョーシカになって、いたいけな少女の淡い思い出になりたい。またはコリドラスになりたい。ここで一句

アクリルに
くっつきちゅくちゅく
コリドラス

うーんマンダム、もとい、残念。