微笑シリーズ。悲しそうに笑わないで | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。悲しそうに笑わないで

「最近どうですか?」
『どうですかって言われてもな』
「というと」
『相も変わらずこの世を妬んでるよ』
「相も変わんねーなー」
『もうね、きっとおれ今年中に死ぬ』
「そんなこと言うなよ」
『本当に余命宣告された人の気になってみろってか?』
「そりゃそうだ」
『おれもそう思う』
「…なんかさ、楽しいこと考えようぜ」
『楽しいこと?それを考えて、刹那だけでも現実から逃避しようと』
「ああもう!!まあそうだけど!ハッピーになるようなこととまでは言わないけどさ、あるだろちょっとした“楽しい”ってこと。なんかさ、てきとーに思いつきで作った料理が思った以上にうまかったとか」
『うまかった?ああ、牛と馬が競走しました、勝ったのはどっち?ってやつね』
「はあ?」
『牛丼食ってうまかったから馬の勝ちだってさ。でもさ、競走相手の牛を殺して食っちゃった馬は反則負けだとおれは思うんだ。』
「………まあ」
『それに普通に走りゃ馬が勝つんだから、馬は牛を殺すなんてまったく必要ないんだ』
「いやでも牛丼食いたかったんだろ」
『馬は草食だ』
「…ああ」
『おれが思うにその話で馬といわれる動物は、実は旧約聖書に出てくる痩せた狂牛をメタファーしてると』
「…お前は今楽しいか?」
『…ちょっと』
「まあ、じゃあそんな感じで楽しいこと考えて乗り切っていこうぜ」
『乗り切るって何を?』
「お前のしみったれた根性をだよ!!」
『ふうん…楽しいことねぇ、金曜日の夜、とか?』
「ああ、いいね。明日は休みだ!」
『明日は親が休みだから部屋から出れないなぁ』
「お前ひきこもりだったっけ!?違うだろ!」
『そんな金曜もあるんだよね…』
「…えっと、えー、あ、コンビニの店員にかわいい子発見!!」
『あの子、陰でおれのことハゲって呼んでるんだろーなー』
「別にお前ハゲてねーだろ!それこそひきこもりだニートだならいざしらず、お前むしろ長髪じゃねえかよ!なんで外見判定でハゲって言われるんだよ!!本当にハゲてる人はなんて呼ばれてんだよ!!」
『おれ多分ハゲるし』
「その子はブラジルの教師か!あの人がハゲる夢を見ましたってか、どんな夢見てんだよ!」
『きっと明日ハゲるし』
「近すぎるよ予定日!!よっぽどだぞ!明日いきなりハゲるってよっぽどのこと起きるってことだぞ!」
『ああ、8月的な』
「おいやめろ!」
『空が…』
「おい!じゃ、じゃあ、道で100円拾った!」
『これで今日はメシにありつける』
「だからお前ニートでもなけりゃ家がない人でもないだろ!」
『ああ、だけど、5円足りない』
「贅沢言ってんじゃねえよ!そんな状況で贅沢言ってんじゃねえ!100円以下のものを選んで買えや」
『そんなご無体な…』
「ああ!?………じゃあ、そうだな、明日何かの発売日だ!!」
『何かってなんだよ。何かってお前、その何かにはババアが一回口に含んだこんにゃくとかも』
「めんどくせえな!なんだババアが一回口に含んだこんにゃくってよ!!どんな用途で使われるんだよそのこんにゃく」
『確かな美味しさと安全性をうたってるんだよ』
「なんだそれ、熟したコーヒーの実を選んで食べるジャコウネコかそのババアは!!」
『ああ、未消化のこんにゃくを』
「気持ち悪いよ!!」
『ババアの胃腸ではこんにゃくのおいしい部分が消化できないんだよ』
「できないんだよって言われても!その未消化の部分を集めたこんにゃくが高値で取り引き…されねえだろ!人類はどんだけ食に貪欲なんだよ!!つうか一回口に含んだこんにゃくだろ!話変わってんじゃねえか!まあ、何かって言ったおれが悪かったよ。そうだな、マンガ、新刊の発売日」
『そのままの形でちゅるちゅる出てくるから。玉こんにゃくは』
「こんにゃくはもういいんだ!つうかそのまま出てくるならもとから全部うまいってことだろ!?ババアに食わす手順の意味なくなったよな!」
『いや、ババアはうまいこんにゃくを選んで』
「もうジャコウネコになっちゃってるよ!!もういいよその話!」
『マンガの発売日だって?』
「ああ」
『おれコミック派じゃないから』
「…あっそう」
『雑誌派だから。雑誌で追う派だから』
「ああ」
『拾った雑誌で追う派だから』
「いつからお前は所得ゼロの男になったんだ!?」
『あ、象の糞で紙を作れるって知ってる?』
「…うん、ババアが雑誌を食ってリサイクルとか言ったら殺すぞ」
『ひゅー、あっぶねえー』
「………なんだ突然…むかつくな」
『ひえー、こわいこわい、こわいこわいなあー』
「…いいか?」
『はい…』
「じゃあそうだな、今日はブログに何書こうかなあ!」
『byアンネ・フランク』
「おい!いたたまれねえよ!!アンネのブログて!!」
『画像アップしたりなんかしてね。これが窓から見える景色です』
「捕まっちゃうだろ!消せ消せ!」
『今日、うちにゲシュタポが来やがった。チクったの誰だよ!もー超ムカつくぅ』
「呑気にブログ更新してる場合か!!」
『つうかさ、ブログに何書こうかなあってのを考えると楽しいのか?』
「楽しいんじゃねえの?」
『おれ別にしょこたんじゃねえんだから』
「まあ、そうだけど」
『おれなんかあれだよ?ブログ更新するときは必死なんだから』
「必死?」
『そうだよ。大変なんだから』
「いや、肩の力抜いて、それこそ日記みたいなの書けばいいじゃん」
『いやだからね。なんとか読者のみんなにおれがひきこもりであることがバレないよう嘘で塗り固めたブログ上のおれの生活を考えるのに必死なんだよ』
「だからお前ひきこもりじゃねえだろって!」
『おれブログの中ではニートだから』
「変わんねーよ!!せめてフリーターとかあるだろ!!」
『今日は牛丼食ったよ、うまかった。とかね。本当は食ってないのに。だから画像をアップできないんだ』
「…馬の件には触れないんだな…何度も言うようだけどお前ひきこもりじゃねえだろ」
『ひきこもりじゃなくて何か悪いんですか!?』
「はあ!?いや別にひきこもりじゃないんならそれにこしたことはないだろよ」
『確かにおれは定義上ひきこもりじゃないよ。でも心はひきこもりだからね!!』
「…いやそんなことを声を大にして言われてもな。心は何々って、その何々の部分には大概プラスのものが入るはずなんだが」
『ひきこもりはプラスなことだろ』
「いや、マイナス要素だろ」
『ひきこもっても食っていけんだよ?最高です』
「最低だろ!」
『親の気になってみろってか?おれもそう思います……ああおれはダメダメだぁ…』
「だからだからね、お前は違うだろって」
『ああ、もうダメだ……』
「いかん。ネガティブに取り憑かれてる。いかんいかんぞ。何か楽しいことを」
『あああ……』
「ミスドのドーナツあんじゃん!!」
『おれを糖尿にして殺すのか…』
「は!?た、宝くじ当たった!」
『でも外出する勇気がない』
「じゃあどうやって宝くじ買ったんだよ!」
『あああ……』
「部屋で出来ることか。難しいゲームクリアしたぜ!!」
『明日からなにしよう』
「お前のブログが大人気!!」
『大炎上だぁ』
「おもしろいテレビやってる」
『地デジが来たら見れなくなるから見るのやめよう』
「部屋に美人がやってきた!!」
『レンタルお姉さんこわいこわいこわいこわい』
「大嫌いな奴が脚の骨折った!!」
『それを知った時にはもう治ってた』
「なんか知らないがモテモテになる!!」
『んなわけねえだろ』
「……お前の願い通り明日世界が滅ぶ!!」
『なぜかおれだけ生き残る』
「ええい、3ね~んB組!!」
『金八せんせええええ!!!!!!!!!』



金八を適当に繰り返したら終わり。ただ本当の終わりは『ちんぽこせんせええええ!!!!!』「もうわけわかんねえよお前」かな。かなって…………。