歩く男 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

歩く男

男が一人ふんぞり返っている。こいつは怖いものなし省みることなし。
男が一人道を歩いている。誰も彼も道をあけて真ん中を行く。

ああ、一人の男その前に、脚の無い女、車椅子、段差につまっている。
ああ、男は車椅子を蹴飛ばして、女は路肩に飛び車に引かれた。

男が一人ふんぞり返っている。こいつは怖いものなし省みることなし。
男が一人道を歩いている。ヤクザもアナーキストもロッカーも道をあける。

ああ、一人の男その前に、きちがい男、精神分裂者、ぶつぶつぶつぶつ。
ああ、男はきちがいの耳を引っ張って、もぎりとれるまでぶん投げた。

男が一人ふんぞり返っている。こいつは怖いものなし省みることなし。
男が一人道を歩いている。ポリスもグリーンベレーも手をこまねいている。
ああ、一人の男その前に、子役スター、絶頂期、世界はぼくのもの。
ああ、男は子役の顔面を殴って、子役の顔面は醜く変わった。(なにするざます)

男が一人ふんぞり返っている。こいつは怖いものなし省みることなし。
男が一人道を歩いている。老若男女健常異常分け隔てずに。

ああ、一人の男のその前に、世界の大統領、SP引き連れパレード、私は違いを認める。
ああ、男はSPを蹴散らして、ボコボコに殴った肌の色変わるまで。

手をつけられない男その前に、ある日一人の女が向こうからやってきた。
似たような雰囲気のその女に、男は初めて気持ちが揺れた。ドキドキドキドキ。
ああ、しかし男は恋も愛も知らず、やることはひとつ、拳を振り上げた。
ああ、しかし女は男より強くて、拳をかわすと男を瞬殺した。
ああ、女はついぞ省みず。真ん中を行く誰にも止められず。