松明はいつも(4) | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

松明はいつも(4)

齢50前後の、そこにいるだけでオヤジ臭が香ってきそうなおっさんは、タバコに火をつけると遠い目をして、

「おいらもなぁ。今からちょうど25年前かぁ。25年前にあんなことがなけりゃあなぁ。今頃なぁ。大統領だぜぇ。はぁあ」

深いため息が灯りのついていない部屋に吸い込まれ、消えた。腐ったチーズのように臭い。なぜ灯りがついていないかというと、巨大な物体が現れた折に電線が切断された模様だからである。

「はあ、あの、それで、あなたは」

僕の素朴な疑問は、

「はぁあ。ちくしょうばかやろう」

おっさんの哀愁陰る独り言にかき消された。

彼女はどうしておじさんになったか。どうして、は後々の話になるが、どのようにしておじさんになったか。胎児に性差が形成される過程に於いて、胎児のはじめの性は、外見上、皆女性の特徴を持っていることは知られていよう。それはまだ男性が男性たる特徴が未発達なだけであるのだが、おそらく、彼女は潜在的に未発達な……………そして催眠術でいうところの後催眠、すなわち、この天変地異と云える事態、巨大な物体を引き金に……………強烈な、他人にさえ幻覚を、否、否、おそらく、同棲中に男に対し何らかの…………その上、精子を体内に…………ホルモンバランスが云々………また巨大な物体と云うが……カロリー…………地球上の重力に於いて…………物体Xが地表(アスファルトと仮定)に…………





作・マジメ・ダケガ・トリエーロウ

※この作品は連作小説です。この物語を紡ぐ一人になれたことを光栄に思います。

編集部注)規定文字数を大幅に超えていたため、一部割愛させていただきました。