松明はいつも(1)
夏が来た。ベッドの上で眠る君の横顔。もう、きゃーって感じ。すやすや吐息は甘みを帯び、僕の丸出しの脇毛をたなびかせる。僕の脇毛は粉砂糖でコーティングされたスイーツみたい、ひたすらに甘く、ひたすらに臭い。本格的に夏が来た。
君がうちに来てから僕は右脇が性感帯になった。左脇は何も感じないのだから、人体というものは不思議だ。そして不便の一言に尽きる。自由な左手で僕は目覚まし時計を取った。もうすぐ鳴っちまう。眠れるお姫さまを目覚めさせるには、この目覚まし時計のベル音は無粋だ。王子様の口づけはまだだというのに。
目覚まし時計のベルを解除し、僕はゆっく りと下敷きになって生気を失っている右腕を、彼女と枕の間にひそむ甘美な空間から抜こうとした。ゆっくり、ゆっくり、無感覚な右腕がいつも恨めしい、永く、永く、だけど、
「……大丈夫?」
口癖の悪い彼女の口癖。
『大丈夫じゃないんだよ』
寂しがりやの僕の口癖。
続
作・恋愛ロボット郎
※この作品は毎回違う著者を用いる連作となっております。
君がうちに来てから僕は右脇が性感帯になった。左脇は何も感じないのだから、人体というものは不思議だ。そして不便の一言に尽きる。自由な左手で僕は目覚まし時計を取った。もうすぐ鳴っちまう。眠れるお姫さまを目覚めさせるには、この目覚まし時計のベル音は無粋だ。王子様の口づけはまだだというのに。
目覚まし時計のベルを解除し、僕はゆっく りと下敷きになって生気を失っている右腕を、彼女と枕の間にひそむ甘美な空間から抜こうとした。ゆっくり、ゆっくり、無感覚な右腕がいつも恨めしい、永く、永く、だけど、
「……大丈夫?」
口癖の悪い彼女の口癖。
『大丈夫じゃないんだよ』
寂しがりやの僕の口癖。
続
作・恋愛ロボット郎
※この作品は毎回違う著者を用いる連作となっております。