微笑シリーズ。罪悪感でいっぱい。 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。罪悪感でいっぱい。

『おれの周りで夫婦道を見てる奴はおれ一人なんだ』
「TBSの新ドラマね。武田鉄矢主演の」
『おもしろいのに。金八キャストでさ』
「だから見ないって人もいるかもな。高畑淳子と夫婦だから。保健の先生と夫婦になってるわけだから」
『そんなこと気にしてたら、金八先生はハンガー振り回すプロゴルファー刑事教師だぜ?』
「金八と織部金次郎と刑事物語がごっちゃになってるんだな、と」
『金八もそうだけど、おれ武田鉄矢主演のドラマの教訓とか説教臭い部分が嫌いなんだ』
「え?金八好きじゃんお前」
『好きだよ』
「金八なんて教訓と説教のかたまりだろ?」
『おれはあれアクションとして見てるから』
「は?」
『喧嘩のシーンを楽しみに見てるから』
「ろくでもない見方だろそれ」
『説教シーンなんて背中の産毛が逆立ちながらさ。もう恥ずかしくて見てらんないぐらい』
「謝れ!いろんな人にごめんなさいしろ」
『実はアクションシーンもいい加減でさ。全然リアルじゃない。別にリアルじゃなくてもいいけど、特に最近のは迫力が全くない。第一さ、番長がひょろひょろなんだ。クラスのヒエラルキーの中で番長と悪いやつのトップは同じ人物じゃなくてもいいんだけどさ。あれは全然リアルじゃない。そんな奴らがもみ合ってさ。これも見てるだけで背中の産毛が逆立つほど、うわああああって恥ずかしくなってくる』
「逆立ちやすい産毛だな!じゃあ見なけりゃいいだろ」
『そこがいいんだよ。恥ずかしさがたまらない』
「そんな見方してる奴お前しかいねえよ」
『金八の何が駄目って』
「駄目扱いになっちゃったよ」
『基本的にB組しか物語に登場しないとこだよね』
「三年B組金八先生なんだから当たり前だろ」
『他のクラスはなんかお邪魔虫みたいな扱いなんだよ。そこが気に食わないね。ほらおれ中学3年の時A組だったから』
「だったからって何だよ!知らねえよんなこと」
『金八先生にA組の生徒役で出演するのがおれの夢かな』
「知らねえって!四捨五入したら30の奴が生徒役って時既に遅しだよ!」
『叶わぬ夢は無い』
「ある!」
『なんでだよ!いけるだろ!』
「おっさんが中学の生徒役ってありえないだろ!」
『B組の生徒じゃないぜ?』
「A組でもだよ!A組だけおっさんだらけの中学なのかよ桜中学は!」
『A組の出席番号15番の奴なんてどうせ画面には映らねえんだからバレやしねえよ!』
「映る気なかったのかよ!」
『ねえよ!』
「じゃあいいよ!叶うよ!」
『だろ!?』
「うん!叶うよ!叶っちまえよ!お幸せに!」
『はい!』
「はい!」
『…ま、突き詰めるとおれが足立区出身だから強制的に見ざるをえない状態なんだけどね』
「誰に強制されてんだ誰に」
『そんなことより夫婦道。夫婦道は基本金八キャストなのに金曜でも木曜でもなく水曜日に放送なんだ。そんなのありかよ』
「ありかよって言われても局の都合だとしか言えないけど」
『おれ2話目見逃しちゃったんだよ』
「ああ、木曜放送だと勘違いしてて?」
『いや、自慰を表明してて』
「くだらねえこと言ってんじゃねえよ」
『水曜9時は自慰と決めてるから』
「じゃあ毎週見れねえな!よく2話目以外見れたよ!」
『ちょっと自慰の時間を早めてね』
「じゃあ2話目を見逃すなって話だろ!?」
『いや、あの日は夫婦道を木曜放送だと勘違いしてて』
「最初から素直に勘違いしててって言えよ!めんどくせえな!」
『しかし、おれ月水金と自慰を表明してますから』
「だからなんなんだよ」
『ま、火木土と表明を撤回してるんですけど』
「だからなんなんだよって。夫婦道はどうした?」
『どうしたもこうしたも、話は自慰に移ってますから』
「ああそうなんだ…じゃあ表明を撤回ってなんだよ」
『自慰を撤回してますたーべーしょんに戻ります』
「おんなじだよ!結局毎日やってんじゃねえか!あ、日曜日が残ってるか」
『日曜日は安息日ですから。働いてはいけないと神に誓った日ですから』
「働いてはいけないって自慰が仕事扱いなのかよ」
『汁男優ですからね』
「違うだろ!あれなら確かに仕事だが。しかしおなにーとはまた違うだろ」
『とにかく日曜日は安息日ですから。一週間の激務からくる疲れを癒やします』
「激務って、やるやらないは己の勝手だけどな」
『毎日の激務で、エロに対して疲れてるんですよ。こんな時はたとえお気に入りのエロネタでもたたないもんです』
「まあなあ。エロに対して食傷気味になることはあるな」
『そうです。そんなとき、そんなときって言っても決まって日曜日なんですけど』
「知ってるよ!」
『そんなときはあえて安いエロDVDでぬくんです』
「やってんじゃねえかよ!やらないんじゃねのか!?安息日だからなんだと」
『あえてレベルの低いエロネタでぬきたい時ってあるじゃないですか』
「あるけども!それとこれとは話が別だろ」
『話が別?はて。安いエロで息子をしごく日、略して?』
「答えたくねえ!」
『そうです。1日を台無しにする日です』
「なんだそれ!安息日じゃねえのかよ!」
『ふふん』
「答えちまったああぁ!って!?答えちまったああぁって!?なにそのしてやったり顔!むかつくわ。大体おなにー自体が安息日を決めた宗教では駄目なのに、そんな安息日、神への冒涜にもほどがあるぞ!」
『わたしロックンローラーですから』
「違うだろ」
『精神はロックンローラーですから』
「精神はって、そんなのありかよ」
『たまにこんなこと言う人いるけど、それは違うと思う』
「じゃあ駄目じゃねえか」
『ま、永遠の反逆児なんですよ。狂った酔獣なんです。権威に敵対する者なんです。右を向けと言われれば、逆に素直に左を向くのもしゃくだから結局動けずじまい。ただただ呆然と立ち尽くす』
「それは反逆というよりも、言葉が理解できない子なんじゃないか?」
『やれと言われたことはしないでやるなと言われたことをする。おもちゃ片づけろと言われても片づけない。好き嫌いするなと言われても頑なに嫌いなものに箸をつけない。そんな風に生きてきました』
「ただのずぼらでめんどくせえ子供だろそれ」
『だから部屋が超汚い』
「掃除ぐらいしろ!」
『掃除はお手伝いさんがしてくれるから』
「金持ちか!何がロックンローラーだよ!」
『働けと言われても働かない』
「働けよ!ニートじゃねえか!」
『親のすねがまた立派なすねで』
「やっぱり金持ちかよ!反逆児でもなんでもねえな!親の庇護の下のうのうとまあ」
『反逆にも反逆してますからね。逆反逆児ですから』
「だったら掃除ぐらいしろお!」
『ところで今話題の反逆児といえば、やっぱり元メンバーをおいて他にいないでしょう』
「草なぎ君のことか?まだというか、元メンバーにはなってないぞ」
『サイキック青年団の元メンバー』
「そっちかあ。そっちね。北野誠ね。あれは確かに元メンバーになるのかな」
『まあ今から草なぎ君のこと話すんですけど』
「とんだとばっちりだよ」
『わたしも消されたくないですからね』
「消されねえよこんな社会的影響力ゼロのブログ。ていうかこんなブログだからある程度好き勝手言えるんじゃねえか?反逆児なら反逆しとけよ」
『そんなこと言いますけど、万が一名誉毀損で訴えられたら大変じゃないですか』
「現実的!」
『該当記事を削除しろ、みたいな警告もなしにいきなり訴えられたら大変じゃないですか』
「警告されたら消す気まんまんなんだ」
『消すって。当たり前だろ』
「ああ、そうか。こいつ反逆児じゃねえんだった」
『ペンは剣より強くなんかねえんですよ。あんなのは欺瞞でね。バカの振るう剣にペンで立ち向かえるわけねえんですよ』
「そうですか」
『でも歌は世界に広がる力となる』
「めんどくせえな!ロックンローラー押しはやめろ!好きな人に嫌われるぞ!」
『…ま、バーニングって言われても芸能界と縁遠いわたしにはプロレス関係のことしか思いつきません。はっ、北野誠の一件の黒幕は…志賀!?』
「なんで志賀だよ。あの人はパンチパーマだけど、いい人だって評判のレスラーだろ」
『いい人でも、全裸になったり』
「いい人って言ったおれが悪かったよ!それにプロレスで黒幕なら馳先生だろうによ」
『今思い出したけど、小橋建太の必殺技にバーニングハンマーってあるだろ。あれさ、昔プロレス必殺技名鑑みたいな本の著者がさ、「ハンマーとつくプロレス技は基本的に腕から繰り出す打撃技であり、頭から落とす投げ技であるバーニングハンマーにはバーニングドライバーと名付けるのが正しい」みたいなこと書いてあったんだけど、バーニングハンマーって知ってる人にはわかるけど、相手を自分の両肩の上に背骨が弓なりになるようにしてかつぎ上げて、いわゆるアルゼンチンバックブリーカーの形から横に倒れるようにして相手の頭から落とす技じゃん。その形と動きがとんかちみたいだからハンマーなんだろって。なんつうかさ、木を見て森を見ずというか、知識に絡めとられるってイヤだなって思ったっていう思い出を思い出した』
「はあ、で?」
『あ、小橋建太といえばおれの人生小橋建太にどれほど救われ続けてることか。別に直接ご本人に何かアクションしたわけじゃないんだけど。そうだなあ、おれ小橋建太に2回接近する機会があって、少ないなと思われるかもしれないけど、おれは好きな有名人とは距離を置くタイプだから。そのひとつは出版記念サイン会。神保町の書泉ブックマートでその日小橋著作の本を買うと先着何名かに後で店内で行われるサイン会の整理券くれるっつうんでさ。友達と一緒に行ったんだけど、寝坊して整理券貰えなかったんだ。それでもせっかく来たんだから一目本人を見ようと店内で待ってた。そして小橋建太本人が来てサイン会が始まったんだ。おれ達はサインを貰う列からそれた場所にいて小橋を見てた。でけえなあとか思ってたら小橋と目があった。別に整理券貰えなかったことアピールしてたわけじゃないけど、おれは手に買ったばかりの著作を持ってたから、向こうも気になったんだろうね。うん』
「おう、そんでそんで」
『え?目があったことに満足したからサイン会の途中で帰ったよ』
「は?なんもねえんだ。なんも」
『整理券とれなかったわけだから。しかも寝坊で』
「いや、ま、そうだけど、なんかあると思うじゃん。小橋かおまけでサインくれたとか」
『おれ達が寝坊したのが悪いんであって、おれ達が本にサインしてもらったらせっかくの休みの日に早起きして整理券もらった人達に悪いだろ。ルールなんだから』
「まあ、そうだな。うん。そうだな」
『でまあそれが一回目の接近。二回目は忘れもしない、馬場さんの、あ、馬場って言っても馬場とものり君のことじゃなくて、ジャイアント馬場さんな』
「おれ馬場とものり君知らないから。お前の中に馬場で2択が存在したことの方に驚きだ」
『馬場さんの死去に伴い催された武道館でのお別れ会におれ達は向かったんだ。土曜日。部活を休んでさ。学校終わりで向かった。学ランのカラーまでピシッととめてね。馬場さんは服装に厳しいと聞いてたから』
「この話は一体なんなんだ?」
『葬列、といっていいのかどうか。武道館にはたくさんの人がお別れをする為に列をなしていた。その中にはプロレスラーもいてさ。おれが見たのはカイエンタイの人達とターザン後藤。でもさ、プロレスファンが集まってんのに、そもそもあそこにカイエンタイの人達がいるって教えてくれたのは前に列んでたおっさんだったんだけど、そんなプロレスファンだらけの中にプロレスラーがいるのに誰一人として彼等に群がったりする人はいなかった。本当にいないっつったらわからないけど、少なくともおれが認識してる間はいなかった。みんなそんなウキウキ気分じゃなかったんだろうね。正直おれ達はウキウキ気分もあったんだけど(笑)』
「(笑)出ちゃった。おれどうすればいいの?」
『武道館の館内に入って、九段下の駅をおりて坂道をってこれじゃあの歌だね(笑)』
「また!?」
『坂道の途中で買った花束を遺影が置かれたリングの中に投げいれた』


続く