微笑シリーズ。うるさい家
「ああ、悪いな。実家だろお前んち」
『いいよ別に。この時間ならみんな寝てるし』
「だから、じゃないか?」
『いや、大丈夫だろ。誰もお前のことなんて気にも留めやしないよ』
「それは…まあ言い方は別にして、確かに寝てりゃあなぁ」
『起きていようがいまいが』
「え?起きてたら多少気に留め」
『着いた。ここ、おれんち』
「あ、ああ、うん?なかなかでかい家じゃない。お前ひょっとしてボンボンだったの?」
『ボンボン?うーん、ボンボンというか、ドンドンだな』
「は?」
『ガチャ、ただいまああああ!!』
「おい、静かにしろよ。お前んちだから、まあ最悪、家族はいいとして近所迷惑だろ」
『いいのいいの』
「よくねえよ」
『お前、このことでおれがうちの家族に怒られるのと近所の人に怒られるのと、どっちがイヤ?』
「なんだそれ。お前が怒られるのは勝手だが、おれの立場からすりゃどっちもトントンだよ」
『トントン?』
「おお」
『…うん、トントン、だな』
「なんでそんな納得した?」
『まあ上がれよ』
「ああ、じゃあ、おじゃまします、っと」
『なに小声で言ってんだよ』
「いや、そりゃ小声になるだろ」
『そんなんじゃおれの寝てる家主に聴こえないぜ?』
「聴こえなくていいんだよ」
『そりゃそうだ!!ガハハハハハ!!』
「うるせえよ、静かにしろよ」
『あんだって!?』
「志村けん演ずるおばあちゃんかよ」
『おれおばあちゃんじゃねえよ!』
「当たり前だろ」
『そりゃそうだ!!ガハハハハハ!!』
「うるさいって。静かに静かに」
『…ケチ』
「ケチってお前どういうことだよケチって。みなさんぐっすり寝てるんだろ?起きたらどうすんだよ」
『起きたら?そりゃあ、パーティー?』
「おれに訊くなよ。知らねえからお前んちの深夜のテンション」
『朝まで生パーティー?』
「だからおれに訊くなって。つうか朝まではわかるけど生パーティーってなんだよ」
『ま、女は母ちゃんしかいないけど』
「ど下ネタかよ。女は母ちゃんしかいないってその発想が気持ち悪いよ」
『母ちゃんじゃ不満か?』
「そういう問題じゃねえだろ!」
『じゃあ不満じゃないと』
「どうしてそうなる!?この際はっきり言うけど多分お前の母ちゃんじゃおれ不満だしね!つうか罰ゲームの域だと思うからね!」
『ああ、パーティーゲームの』
「そっちいった!?母ちゃん罰ゲーム扱いでいいの!?」
『1番が3番になか出し的な』
「下品過ぎるだろ!AVでもひくわ!!」
『しー。うるさいよ』
「えっ」
『AVとか、そういうこと大声で言わないでくれる?』
「あ、ああ、すまん」
『まあ、初めておれんちに来てパーティー気分になるのはわかるけど』
「確かに初めて友達んちに来たらちょっとパーティー気分にはなるけど、今おれパーティー気分じゃないよ。吹っ飛んだよ」
『ええ?じゃあみんな起こしてパーティーしないと』
「やめて!!」
『おい』
「あ、すまん、つい大声が」
『へ、口ではそういうがどうやら体は』
「欲してないよ!あ、欲してませんからパーティーは」
『…そうか、楽しいのにな』
「聞いてる限り楽しさは一切見いだせないけど」
『ま、パーティーは開かなくても、母ちゃんは朝まで生パンティだけどな』
「生パンティ?ノーパン健康法を実践していない人なら基本朝まで、つうか一日中生パンティじゃないのか?」
『違うよ』
「え?」
『まあまあ、とりあえずおれの部屋に入れよ』
「お、おう。…あ、すごいじゃん。これなに?」
『なにこれって、見ればわかるだろ』
「そうだな。どう見てもドラムセットだな」
『ふふふ』
「なんだよ」
『実はこれが本当はちょっとしたものを収納できるただのインテリアだとしたら、お前どう思う?』
「…すごく無駄だなって思うけど」
『だろ?』
「だろって。え?これドラムセットの形したただのインテリアなの?」
『いや、ドラムセットだよ。見たらわかるだろ』
「…見て、わかってたんだけどな。聞いてわかんなくなっただけで。あ、ていうことはお前ドラム叩けんの?」
『当たり前だろ』
「へー、すごいじゃん。へー、それは知らなかったなぁ」
『あ、言ってなかったっけ?』
「聞いてないけど」
『薄々気づきもしなかった?』
「薄々?いや全く」
『そうかぁ、そうかなぁ。俺結構さ、行動の端々にドラマーとしての本能垣間見せてたと思うんだけどなぁ』
「ドラマーとしての本能?」
『さっきも垣間見せたんだけどなぁ』
「あ、だからボンボンじゃなくてドンドンなの?あと、妙にトントンで納得したり」
『それよそれ』
「なるほどね、ってそれのどこにドラマーとしての本能垣間見えるってんだよ!」
『見えない?』
「見えねえよ!ただのダジャレじゃねえか!」
『ダジャレか?』
「いや、あれがダジャレかどうかは国際ダジャレ協会の審議にかけてって国際ダジャレ協会略して国ダ会ってなんだよ!」
『知らねえけど』
「そりゃそうだ!」
『他にも垣間見せてたんだけどなぁ』
「他にも!?」
『普段からな。ほら、メシ食いになんか行くと、激しく貧乏ゆすりしたり、おしぼりパアンって破ったり、注文の品待ってる間箸で机叩いたり』
「ずいぶんと落ち着きのねえ奴だなって思ってたよ!」
『しょうがないんだよ、ドラマーだからさ』
「しょうがなくないだろ!全然しょうがなくねえよ!」
『当然おれドラ息子だし』
「ちょっと国ダ会の人呼んできて!!」
『しー』
「あ、すまん」
『ま、うち全室完全防音だから音漏れてないんだけどね』
「全室完全防音!?すごいな」
『ほら、うち家族全員ドラマーだから』
「全員!?全員ドラマーなの!?」
『そうだよ』
「バランス悪いな!」
『は?』
「あ、いや、どうせなら別の楽器やればよくない?家族でバンド組むみたいな」
『そんな都合のいいことあるかよ』
「都合のいい、悪いの問題じゃないだろ。教育の問題だ」
『ちなみにうちの隣は家族全員ベース弾きで、向かいは家族全員ギター、そんで裏の家族全員ボーカル』
「都合良すぎるだろ!じゃあ」
『でも全く親交はない。ろくに挨拶もしない』
「なんでだよ!バンド組めよそこまできたら!つうか挨拶ぐらいしろよ!」
『たまたま周りが楽器やってるからバンド組むなんて、そんな都合のいいことあるわけないだろ』
「そこまで駒そろってるのに!?」
『お前なぁ、ドラクエで言うと、町にたまたま勇者と戦士と僧侶と魔法使いがいるからみんなで魔王倒しに行こうだなんてそんな都合のいいことあるわけないだろ』
「行けよ!行け!勇者が入ってる時点でみんなで魔王倒しに行けよ!パーティー組んでよ!」
『パーティー?』
「あ」
“パーティー?”
『あ、母ちゃん』
「えっ、あ、ああ!お前の母ちゃん生パンティ頭にかぶってる!」
終わり。
『いいよ別に。この時間ならみんな寝てるし』
「だから、じゃないか?」
『いや、大丈夫だろ。誰もお前のことなんて気にも留めやしないよ』
「それは…まあ言い方は別にして、確かに寝てりゃあなぁ」
『起きていようがいまいが』
「え?起きてたら多少気に留め」
『着いた。ここ、おれんち』
「あ、ああ、うん?なかなかでかい家じゃない。お前ひょっとしてボンボンだったの?」
『ボンボン?うーん、ボンボンというか、ドンドンだな』
「は?」
『ガチャ、ただいまああああ!!』
「おい、静かにしろよ。お前んちだから、まあ最悪、家族はいいとして近所迷惑だろ」
『いいのいいの』
「よくねえよ」
『お前、このことでおれがうちの家族に怒られるのと近所の人に怒られるのと、どっちがイヤ?』
「なんだそれ。お前が怒られるのは勝手だが、おれの立場からすりゃどっちもトントンだよ」
『トントン?』
「おお」
『…うん、トントン、だな』
「なんでそんな納得した?」
『まあ上がれよ』
「ああ、じゃあ、おじゃまします、っと」
『なに小声で言ってんだよ』
「いや、そりゃ小声になるだろ」
『そんなんじゃおれの寝てる家主に聴こえないぜ?』
「聴こえなくていいんだよ」
『そりゃそうだ!!ガハハハハハ!!』
「うるせえよ、静かにしろよ」
『あんだって!?』
「志村けん演ずるおばあちゃんかよ」
『おれおばあちゃんじゃねえよ!』
「当たり前だろ」
『そりゃそうだ!!ガハハハハハ!!』
「うるさいって。静かに静かに」
『…ケチ』
「ケチってお前どういうことだよケチって。みなさんぐっすり寝てるんだろ?起きたらどうすんだよ」
『起きたら?そりゃあ、パーティー?』
「おれに訊くなよ。知らねえからお前んちの深夜のテンション」
『朝まで生パーティー?』
「だからおれに訊くなって。つうか朝まではわかるけど生パーティーってなんだよ」
『ま、女は母ちゃんしかいないけど』
「ど下ネタかよ。女は母ちゃんしかいないってその発想が気持ち悪いよ」
『母ちゃんじゃ不満か?』
「そういう問題じゃねえだろ!」
『じゃあ不満じゃないと』
「どうしてそうなる!?この際はっきり言うけど多分お前の母ちゃんじゃおれ不満だしね!つうか罰ゲームの域だと思うからね!」
『ああ、パーティーゲームの』
「そっちいった!?母ちゃん罰ゲーム扱いでいいの!?」
『1番が3番になか出し的な』
「下品過ぎるだろ!AVでもひくわ!!」
『しー。うるさいよ』
「えっ」
『AVとか、そういうこと大声で言わないでくれる?』
「あ、ああ、すまん」
『まあ、初めておれんちに来てパーティー気分になるのはわかるけど』
「確かに初めて友達んちに来たらちょっとパーティー気分にはなるけど、今おれパーティー気分じゃないよ。吹っ飛んだよ」
『ええ?じゃあみんな起こしてパーティーしないと』
「やめて!!」
『おい』
「あ、すまん、つい大声が」
『へ、口ではそういうがどうやら体は』
「欲してないよ!あ、欲してませんからパーティーは」
『…そうか、楽しいのにな』
「聞いてる限り楽しさは一切見いだせないけど」
『ま、パーティーは開かなくても、母ちゃんは朝まで生パンティだけどな』
「生パンティ?ノーパン健康法を実践していない人なら基本朝まで、つうか一日中生パンティじゃないのか?」
『違うよ』
「え?」
『まあまあ、とりあえずおれの部屋に入れよ』
「お、おう。…あ、すごいじゃん。これなに?」
『なにこれって、見ればわかるだろ』
「そうだな。どう見てもドラムセットだな」
『ふふふ』
「なんだよ」
『実はこれが本当はちょっとしたものを収納できるただのインテリアだとしたら、お前どう思う?』
「…すごく無駄だなって思うけど」
『だろ?』
「だろって。え?これドラムセットの形したただのインテリアなの?」
『いや、ドラムセットだよ。見たらわかるだろ』
「…見て、わかってたんだけどな。聞いてわかんなくなっただけで。あ、ていうことはお前ドラム叩けんの?」
『当たり前だろ』
「へー、すごいじゃん。へー、それは知らなかったなぁ」
『あ、言ってなかったっけ?』
「聞いてないけど」
『薄々気づきもしなかった?』
「薄々?いや全く」
『そうかぁ、そうかなぁ。俺結構さ、行動の端々にドラマーとしての本能垣間見せてたと思うんだけどなぁ』
「ドラマーとしての本能?」
『さっきも垣間見せたんだけどなぁ』
「あ、だからボンボンじゃなくてドンドンなの?あと、妙にトントンで納得したり」
『それよそれ』
「なるほどね、ってそれのどこにドラマーとしての本能垣間見えるってんだよ!」
『見えない?』
「見えねえよ!ただのダジャレじゃねえか!」
『ダジャレか?』
「いや、あれがダジャレかどうかは国際ダジャレ協会の審議にかけてって国際ダジャレ協会略して国ダ会ってなんだよ!」
『知らねえけど』
「そりゃそうだ!」
『他にも垣間見せてたんだけどなぁ』
「他にも!?」
『普段からな。ほら、メシ食いになんか行くと、激しく貧乏ゆすりしたり、おしぼりパアンって破ったり、注文の品待ってる間箸で机叩いたり』
「ずいぶんと落ち着きのねえ奴だなって思ってたよ!」
『しょうがないんだよ、ドラマーだからさ』
「しょうがなくないだろ!全然しょうがなくねえよ!」
『当然おれドラ息子だし』
「ちょっと国ダ会の人呼んできて!!」
『しー』
「あ、すまん」
『ま、うち全室完全防音だから音漏れてないんだけどね』
「全室完全防音!?すごいな」
『ほら、うち家族全員ドラマーだから』
「全員!?全員ドラマーなの!?」
『そうだよ』
「バランス悪いな!」
『は?』
「あ、いや、どうせなら別の楽器やればよくない?家族でバンド組むみたいな」
『そんな都合のいいことあるかよ』
「都合のいい、悪いの問題じゃないだろ。教育の問題だ」
『ちなみにうちの隣は家族全員ベース弾きで、向かいは家族全員ギター、そんで裏の家族全員ボーカル』
「都合良すぎるだろ!じゃあ」
『でも全く親交はない。ろくに挨拶もしない』
「なんでだよ!バンド組めよそこまできたら!つうか挨拶ぐらいしろよ!」
『たまたま周りが楽器やってるからバンド組むなんて、そんな都合のいいことあるわけないだろ』
「そこまで駒そろってるのに!?」
『お前なぁ、ドラクエで言うと、町にたまたま勇者と戦士と僧侶と魔法使いがいるからみんなで魔王倒しに行こうだなんてそんな都合のいいことあるわけないだろ』
「行けよ!行け!勇者が入ってる時点でみんなで魔王倒しに行けよ!パーティー組んでよ!」
『パーティー?』
「あ」
“パーティー?”
『あ、母ちゃん』
「えっ、あ、ああ!お前の母ちゃん生パンティ頭にかぶってる!」
終わり。