微笑シリーズ。はーげーべー | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

微笑シリーズ。はーげーべー

新シリーズ始まりました。前シリーズ(ボツシリーズ)となんら変わりません。


『君、一体人類は進化の果てになにを手にいれたのかね?』
「知らねえけど。なんだよいきなり。重いよ」
『見なよこの人類を、この物質文明を、現代人を、一体なんだねこれは』
「おれに訊かれても知らねえって」
『人類はその発展の代償としてあまりに多くのものを失った』
「はあ、まあ、自然を破壊したり、動植物を絶滅に追いやったり?」
『今回はそんな愚かなる人類の話です』
「へー、環境問題とか?」
『毛の話ですね』
「毛!?毛って毛!?体毛のこと!?」
『そうですよ。なんか文句あんの?』
「いやまあ、文句はないけど、話の入り方が重かったからさ」
『ああ、毛だけに』
「はあ!?」
『いや、毛だけに』
「毛だけになんだよ」
『毛だけに口を出さない、と』
「ああ、毛は喋らないからねって全然うまくもなんともないけども!無理矢理か!」
『お前が言ったことだろ?』
「お前が勝手に解釈し始めたんだろ!」
『いや、お前が文句はないだなんて言うからだろ』
「反射的にでちゃうもんなの!?お前は喋る自販機か!」
『そんなわけないだろ』
「当たり前だろ!」
『じゃあそんなこと言うなよ』
「真面目か!」
『お前なあ、相方に喋る自販機かって言われたおれの気持ちにもなってみろよ』
「なんだよ」
『どうだい?』
「ああ?」
『喋る自販機と話している気持ちは』
「おれの気持ちだろそれ!」
『お前はちょっと近づき難いおっさんか!』
「いるけど!機械と話してる人は!」
『寂しかありませんか?』
「もういいよ」
『なんならおれが話相手に』
「既になってるよ!ああ、なんだ、毛の話だろ?お前がはじめにうんじゃかんじゃ言うからてっきり環境問題とかの話を話すのかと思ったけどよ」
『ああ、温暖化やら温暖化やら温暖化やら』
「とりあえずお前が温暖化しか知らないということは伝わったよ」
『しかしよぉ』
「なんだよ」
『やれエコだ、リサイクルだ、緑化だ、なんてドンジャラドンジャラ言うけど』
「猫型ロボットの遊戯入ったけど」
『エコだなんだと言いますけどね、おれに言わせりゃそんなもんクソです』
「クソってお前、大変なんだぞ?大問題だよ。このまま人為的な環境破壊が進めばどうなるかわかってんのか?」
『んなことわかってるよ。地球が大変なんだろ?爆発するんだろ?』
「爆発はしねえよ。つうかそっちの方がもっと大問題だろ!お前それでもエコ活動をクソだって言ったの?とんでもねえな。なんか、仕掛けられた時限爆弾のタイマーを利用してカップ麺作るみたいな」
『ああ、そりゃ一石二鳥だな』
「どこが!?どこが二鳥!?一鳥はカップ麺だとして、残ってる鳥は爆死だよ!?死にたいの!?ねえ死にたいの!?」
『時限爆弾をセットされたなら、受け入れるしかあるまい』
「なんか、地球の寿命というか環境破壊のこと暗喩しているように言うな!」
『地球は爆発しないんですか?』
「しないよ!少なくともエコするかしないかではしない!」
『じゃあどうなるんだよ』
「そりゃ、まあ、簡潔に言ってしまえば住みにくくなるんだよ」
『我慢しろよ。じゃあ毛の話を』
「我慢しろの一言で終わり!?」
『なんだよ』
「いや、住みにくいってあれだぞ、我慢できないぐらいってことだぞ」
『マジで?というと、隣に嫌な奴でも引っ越してくんのか?』
「わけわかんねえだろ宇宙規模だと!つうかそれこそそれぐらい我慢しろよ」
『地球の隣に別の惑星が現れて』
「めちゃくちゃだな」
『引っ越せ!引っ越せ!さっさと引っ越せ!』
「おばさん!?あのおばさんの惑星!?」
『…………シバくぞ』
「なんも思いつかなかったんだな」
『こうなると違う?』
「違うよ!」
『あ、わかった』
「わかっちゃいましたか」
『あれだろ、地球の青い模様が景観の暴力だと』
「もうそっとしておいてやれよ」
『大体な、エコだなんだとしゃらくさい。お前地球を助けなきゃいけないって思ってるだろ』
「そうだろ?」
『それが人類のエゴなんだよ。地球はもっと出来る子です!』
「わかんねえよ」
『もっと地球を頼ったげて!』
「お前の立ち位置どこだよ!なにママだ!」
『あ、今ふと思いついたけど、エコ活動のコピー的なもので、“人類のエゴからゴミをなくそう”っつってエゴのゴの濁点を消していく。そんでついでに人類も消して、エコの完成』
「人類消えたらそりゃ究極のエコだな」
『いや、だけどもうさ、ここまできたら人類が地球を爆発させてもいいと思ってるんですよ』
「なんでだよ。駄目だろ」
『だって爆発しそうになったら隣に現れた惑星に引っ越せばいいわけだから』
「なんじゃそりゃ。どうもありがとうござい」
『でも、本当に地球を荒れ果てた星にしてもいいと思ってる』
「終わらねえんだ。そうかそうか」
『地球を大事に、とかそんなのどうでもいいんですよ』
「どうでもよくはないだろ」
『いや、毛の話をしたいんだよおれは』
「そうだったな。悪い、忘れてた」
『おれ考えたんだよ。人類って基本スキンむき出しだろ?』
「まあなあ」
『それが普通でさ。でも他の哺乳類で、たとえばハダカデバネズミとかエジプトの毛の無い猫とかを見ると、多かれ少なかれ、気持ち悪い、とか、見るに耐えない感あるだろ?』
「肌色がむき出しでな。まあ、気持ち悪いよ」
『おれその考えが人間にもうつっちゃってさ』
「人間にも?」
『そう。気持ち悪いったらありゃしない。毛がねえってなんだよ』
「いや知らないけど」
『毛を剃った猿なんて見世物小屋の宇宙人だぜ?または、あれね。チンパンジーと人間の中間生物オリバー君ね』
「普通のチンパンジーだったけどな。オリバー君は」
『毛はいいよ。生やすべきなんだよ。多少の太りは隠せるしね』
「それはそうだが猿の惑星みたいになるんだろ?」
『先祖がえりという意味ではまさしく』
「…イヤだろ。そんなの」
『あ、猿の惑星じゃなくて北京原人フーアーユーの方が』
「どっちも変わんねえよ!」
『なんならレックスで』
「レックスって恐竜になっちゃってるだろ!毛はどこにいったんだよ!」
『まあ、あらゆる意味で毛は生えてなかったな』
「はあ?」
『しかし、人間が毛むくじゃらになっても陰毛ってのは』
「陰毛のことか」
『あ?』
「いや、あらゆる意味で毛は生えてなかったってのは」
『そうですよ』
「そうですか。もうなんつうか頑張れ安達祐実としか言えないな」
『今は毛が生えてますしね』
「下品だよ!」
『親子で』
「黙れよ!陰毛がどうしたって!?」
『ああ、毛むくじゃらになっても陰毛は相変わらずくりんくりんなのかね』
「…変わらずにくりんくりんなんじゃないか?」
『全身毛だらけなのに!?』
「多分な」
『それはとてもおもしろいね』
「まあ、とても、かどうかはわからないけどおもしろいっちゃおもしろいかな」
『じゃあ、そういうことで、さようなら』
「えっ」



終わり。新シリーズ…変わらないというか、劣化した。霧立ちこめる船出です。とても残念です。