ボツ台本ウデムシ怖い(饅頭怖い的な意味で。嘘。でも饅頭の代わりにウデムシだったら…) | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本ウデムシ怖い(饅頭怖い的な意味で。嘘。でも饅頭の代わりにウデムシだったら…)

好きなものに嫌いなものの名前をつける人と僕のリトルロマンス。本当はそんなことを書きたかったのだが、書きだしてみたら…リズムの悪さはわざとです。


『好きなものに嫌いなものの名前をつけてみたらどうだろうか』
「はぁ、どういうこと?」
『好きなものに嫌いなものの名前をつけてみたらどうだろうか』
「ごめんよ。おれの聞き方が悪かった。例えば?」
『知らねえよそんなことは』
「知らねえのかよ!じゃあ言うな!」
『聞かなければよかっただけの話だろ!』
「おれのせいかよ!」
『ここだけの話』
「意味ないだろ」
『おれに不快感を与える原因の3分の2はお前が占めているからな!』
「うわ、微妙にリアルだよ」
『ちなみに残りの3分の1はフグ毒のせいですね』
「なんでだよ!フグ毒ってお前、テトロドトキシンがお前に何をした!」
『何をしたってナニをしたんだよ!』
「お前!そのセリフお前が昔見たエロ漫画の中のセリフだろ!“な、何をするの”“へへへ、何をするって嬢ちゃん、これからナニをするんじゃないか”みたいなやつだったよな確か!」
『だから何だってんだよ。しかしまあ、BLの世界では受けつけられないオヤジギャグだよな』
「これオヤジギャグの分類でいいのか?」
『元気があってよろしいギャグだなんて言いたくもないんだよ!吐き気がするね!ハリー・ポッターの例のあの人の名前が例のつく名前だってことなんだ』
「後半意味わかんねえよ。ま、そこまで邪推したわけじゃないけどな」
『おれが話したいのは好きなものに嫌いなものの名前をつけてみたらどうだろうかってことなんだよ!』
「ほう、例えば?」
『知らねえって言っただろうがぁ!』
「悪かったよ!そうだったな!じゃあどうすんだよ!」
『例えば子犬が家にやってきました』
「例えられるんじゃねえかよ!」
『パパは無関心を装いながらもよだれがとまりません』
「よだれがとまらないっておかしいだろ。うまいものを目の前にした時とかの表現だぞ。もしくはギャグボールを口にはめられた時な!」
『いや、ギャグボールはよだれがとまらないじゃなくて、よだれをとめるすべがない、だろ』
「そんなことはどうでもいいんだよ!」
『お前!パパが犬食ったことが知れたら外人のママとふたりの子供達が、それこそ犬畜生を見る目で見られることになるんだぞ!』
「それ“美味しんぼ”に出てくる話じゃねえかよ!」
『結局騙し討ちで家族に犬食わして万事解決だもんな。あ、おれは犬肉出されたら食うよ。犬に限らず何でも料理で解決しやがる。下手すりゃ壊滅的な飢餓すら料理で解決しそうだ』
「まあそういう漫画だからな。料理一切出てこずに解決したらそれはそれで問題だろ」
『美味しんぼから料理抜いたら美味しんぼじゃなくてただの面倒くさい奴になっちゃうもんな。ウザめんどだよ』
「まあな。ま、本筋に戻ろうよ」
『ママはいつも事務的に私に接します』
「子犬関係してないよな!複雑な家庭環境垣間見えちゃったよ!」
『カイマン見えちゃった?お前なぁ、ママの』
「あああああ!何を言おうとしたお前!」
『何をってナニを』
「あああああ!やめろ!つうかその言い回しもやめろ!」
『はぁ?お前何か勘違いしてない?』
「え?」
『カイマンってお前、くぱぁしてる万個のことじゃなくてメガネカイマンのことだからね。ワニのメガネカイマン』
「あーなるへそって言っちゃてるじゃん」
『今時なるへそってお前』
「ほっとけ!」
『浅野温子かお前は!』
「なるへそのイメージ浅野温子なのかよお前!どういうことだよ!」
『ママのペットはメガネカイマンじゃなくて毒々しくかつ可愛いことで有名な、毒かわいいで有名なファイアーサラマンダーだからね。メガネカイマンペットにしてる家に子犬はやってこないだろ?』
「いや、そんなこと言われてもおれはそのことについて一切関わってねえよ」
『もれなく喰われちまうぜ』
「確かに目の前で子犬にうろちょろされたらワニにしてみればよだれがとまらないだろうな」
『…うぜえ』
「…ごめん」
『そもそも垣間見るのはママじゃなくて市原悦子な』
「家政婦は見た、ね。垣間見もしようがどちらかというと市原悦子は隙間から見るんじゃないか?」
『家政婦は見たけど、家政婦越しに見ていたのはそう!テレビの前のあなただ!』
「あっそう」
『じゃあ暇つぶしに大喜利やろうぜ“家政婦~見た”の~に何か入れてください』
「いや、暇じゃないから。話の続きをやろうよ」
『家政婦と一緒に見たってお前は誰だよ(笑)的なこと考えた奴は人生やり直せ』
「自分の答えを示さないで批判かよ。最低だな」
『みんなの答えを募集中だよ☆』
「恥ずかしくないかお前」
『家政婦は』
「もう家政婦はいいよ!」
『違うよ!この家にも家政婦がいるんだよ!』
「ああ、戻ったのね。つうか登場人物とかいいから結果だけ話せよ結果だけ」
『結果だけ?じゃあ、市原悦子が巨大なアナコンダに“あらあらあら”って言いながら丸呑みされていくんだよ』
「……へーそうなるんだ。そうなるんだな?ほーう、どうしてそうなるんだろうねぇ?楽しみだなぁ」
『そんなもん、あらあらあら、ばくっ!ひゅぎゅうひゅぎゅう。ってなるに決まってるだろ』
「最後の描写聞いてるわけじゃねえよ!経緯を説明しろ!」
~中略~
『で、あらあらあら、ばくっ!ひゅぎゅうひゅぎゅう』
「ていうかむしろパパはどうなったんだよ!」
『死んだよそりゃ』
「死んだのかよ、安易だな!」
『でも!死んだけど、死にはしたけども!パパは冬に爛々と瞬くイルミネーションの青いLEDに生まれ変わって、冬になれば家族をあたたかく、自販機のあたたかいよりもあたたかい青い光で家族を見守っているんだよ!クリスマスにサンタがくるとサンタは来た証にパパのLEDの下にある小さなベルを一回ちりんって鳴らすんだ』
「どうでもいいわ!で、結局子犬の名前は?」
『は?』
「好きなものに嫌いなものの名前をつけてみようって話だっただろ!」
『ああ、じゃあウデムシで』
「投げやり!?なんだったんだよこれまでの話は!しかもウデムシって」
『さあ、ウデムシをググってみよう』
「はい」
『おれアシダカグモとかタランチュラだとかサソリなんかは噛まれたり刺されたりしない限り平気なんだけど、こいつはいかん。すごくいや。ウデムシだぜ?名前も怖い。ウデムシって。響きがもうね。ウデムシ。ウデムシ。呪い語に出てきそうじゃんウデムシ。だから、好きなもの、例えば犬とか猫にウデムシって名前つけたらどうなるだろうね、アハハって話』
「そんな他愛もない話だったのかよ」
『他愛もないってお前なぁ、例えばコロッケ好きだろお前』
「うん」
『おれもまあ好きだ。なんだかんだ好きだ。好き?…うん、好き』
「わかったから」
『例えばコロッケの中にウデムシがいたら?想像したらコロッケ食えないぜ』
「想像しなけりゃいいのにな」
『駄目だね。あいつら潜むからね。隙間に潜むから。衣と具の間に潜んでる』
「なわけないだろ。それに揚げられたら死ぬじゃん」
『いいや潜むね。あいつらは潜んでる。ブックオフの棚の隙間にも潜んでるし、おれの好きな本にもしおりみたく潜んでる。日本にはいないだろって?いいやいるね。潜んでるからバレてないだけだよ。バレてないだけでさ、好きな娘の股の間にも潜んでるよ。腕を広げて威嚇してやがる。屋根裏には散歩者に踏み潰された死骸の山だ。潜んでやがる。部長のカツラの間にも、親と子の確執の間にも、この世とあの世の間にも、宇宙と可視の間にも、潜んでる。潜んでやがる。そしておれの脳のシワにも!一匹、ああ、また一匹、群れだ!群れてやがる!独立した進化をしながらも群れてやがる!ああ、一匹、また一匹、ああ、ああ』
「さようなら」


終わり。好きなものに嫌いなものの名前をつけたらどうなるだろう。嫌いなものに好きなものの名前をつけたらどうなるだろう。この世界にあの娘が名前をつけるとしたら、あの娘はなんと名付けるのだろう。パンドラの箱にはたくさんの邪悪が潜んでいた。残っていたものは光輝く希望だった。ならば希望はもっとも邪悪な代物では無かろうか。希望の大義名分のもとで人をもっとも邪悪せしめる代物じゃなかろうか。ウデムシみたく潜んでいたのではなかろか…ルンバ。ノムさんかよ。古いよ。

終わり。前向いて歩けよ!いいことあるぜ!