“コスメティックもろざし”後の祭り、先の祭り〈五十七〉
「本日、みなさんに集まってもらったのは、わが校相撲部の加府知子さんが昨日行われた全国相撲大会で準優勝の栄冠をつかみとったからです。私は相撲が好きです。まさかわが校からこのような者がでてくれるとは、万感の至りです。さぁ私の長ったらしい話は銀河の底にそっと置いて、みなさん拍手で迎えてくださいね。では加府さん、どうぞ」
朝の朝礼、校長の導きで知子は、全校生徒の前、壇上にあがった。
「知子ぉ~」
ミチコが叫んだ。
知子は頭をさげる。
「表彰状、あなたは………………………」
知子は校長から昨日もらった表彰状をもらい、礼儀正しく壇上をおりた。
おりる際、ちらりと教師達のほうを見る。隣の教師になにか話しかけられていて笑っている、ブタクマの姿が見えた。
今日の授業も終わり、知子は体育職員室へ。
ノックを2度うち鳴らし、入室。ブタクマと目が合う。
「昨日はごちそうさまでした」
「あぁ」
実はブタクマ、最初は1万円をメイコ先生に渡したのだが、
「けちけちしない」
メイコ先生の鶴の一声で3万円にした経緯があった。
知子からレシートを渡される、お釣りは無いらしい。
「…今日から少しずつ厳しくなるからな。辞めるなら今だぞ」
「辞めません。よろしくお願いします」
「そうか…」
ブタクマは真面目な顔をつくって、しかしつい嬉しさに顔がゆるみ、
「がんばれよ」
と、言った。
「はい、失礼します」
知子は体育職員室を出た。
準優勝というのは魔性の順位だ。それで満足するか、しないか。階級闘争を肯定するわけではないが、準優勝したあと爆発的に成長が望めるのは後者の人間だ。
知子はとても悔しかった。まるで自分の人生がすべて否定されたかのように。この悔しさを払いのけるには、やることはひとつ、強くなって優勝、すなわち、胡桃皮さんに勝つことだ。
練習は、たしかに、今までの練習に輪をかけるよう厳しくなった。
しかし知子はめげない。必死に食らいついていく。
練習が終わり、帰り道、知子はスポーツ用具店に寄りプロテインを買った。
家に帰りコピー用紙3枚に「向」「上」「心」とでっかく書いて部屋の壁にホッチキスでとめる。
初めて飲むプロテインは思った以上にマズく、知子は鼻をつまんで一気に飲んだ。
疲れた体に染み渡るイメージ。
寝る前にもう一杯。
明日は今日より強くなる。
知子はこの言葉を何度も頭の中で唱えて眠りについた。
続
朝の朝礼、校長の導きで知子は、全校生徒の前、壇上にあがった。
「知子ぉ~」
ミチコが叫んだ。
知子は頭をさげる。
「表彰状、あなたは………………………」
知子は校長から昨日もらった表彰状をもらい、礼儀正しく壇上をおりた。
おりる際、ちらりと教師達のほうを見る。隣の教師になにか話しかけられていて笑っている、ブタクマの姿が見えた。
今日の授業も終わり、知子は体育職員室へ。
ノックを2度うち鳴らし、入室。ブタクマと目が合う。
「昨日はごちそうさまでした」
「あぁ」
実はブタクマ、最初は1万円をメイコ先生に渡したのだが、
「けちけちしない」
メイコ先生の鶴の一声で3万円にした経緯があった。
知子からレシートを渡される、お釣りは無いらしい。
「…今日から少しずつ厳しくなるからな。辞めるなら今だぞ」
「辞めません。よろしくお願いします」
「そうか…」
ブタクマは真面目な顔をつくって、しかしつい嬉しさに顔がゆるみ、
「がんばれよ」
と、言った。
「はい、失礼します」
知子は体育職員室を出た。
準優勝というのは魔性の順位だ。それで満足するか、しないか。階級闘争を肯定するわけではないが、準優勝したあと爆発的に成長が望めるのは後者の人間だ。
知子はとても悔しかった。まるで自分の人生がすべて否定されたかのように。この悔しさを払いのけるには、やることはひとつ、強くなって優勝、すなわち、胡桃皮さんに勝つことだ。
練習は、たしかに、今までの練習に輪をかけるよう厳しくなった。
しかし知子はめげない。必死に食らいついていく。
練習が終わり、帰り道、知子はスポーツ用具店に寄りプロテインを買った。
家に帰りコピー用紙3枚に「向」「上」「心」とでっかく書いて部屋の壁にホッチキスでとめる。
初めて飲むプロテインは思った以上にマズく、知子は鼻をつまんで一気に飲んだ。
疲れた体に染み渡るイメージ。
寝る前にもう一杯。
明日は今日より強くなる。
知子はこの言葉を何度も頭の中で唱えて眠りについた。
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