“コスメティックもろざし”〈三十八〉
それは少し前、夏休みが始まろうとしている頃、知子達は焦りに焦っていた。
「私達の夏にはアバンチュールが足りない」
それは女社会で育ってきた少女達の悲しい叫びだった。
「道はあるわ」
ミチコが言った。
「D美に連絡を取るのよ」
ミチコの言葉で確かに道が開けた。
D美とは中学時代の同級生で、素行不良により高校に上がることが出来ず、しかも卒業と同時に両親が離婚した為に母親の実家へ引っ越し、そこの地元の高校へと進学した娘だ。
仲は悪くなかった、学校の外で遊んだこともある、が、ただそれぐらいの仲だ。高校に上がってからは一度も連絡を取ってない。
しかしなりふり構っていられないものがあった。
D美の高校は共学なのだ、だから必ず男に繋がるはず。
幸いD美の家のあるI県O市は夏場、海水浴やサーフィンの客で賑わう港町。距離も知子達の主要駅である学校の最寄り駅から電車で2時間ほどだ。
知子達は海水浴に行く“ついで”を理由にD美と連絡を取った。
「ウチだったら泊まっても大丈夫だよ」
D美はあっさりOKした。
少女達の胸は期待に膨らんだ。
そして遠征当日、カバンには水着、短パン、3通りの下着、そしてコンドーム。
電車は時間通りに少女達を目的地へと運んだ。
久しぶりに会うD美は、知子達の学校と違い、ゆるい校則のなかにあって思う存分精一杯ギャルっていた。
「きゃー久しぶりぃ」
D美は知子達に向かって言った。
知子達、正確には知子とミチコはD美のキンシコウのような姿に少し引いていた。
が、
「D美、派手派手じゃーん。きゃーハンガーで出来たカラスの巣みたーい」
と、言って、B子はD美に抱きついた。
「それってけなしてんじゃねぇの」
知子とミチコが言った。
「えっけなされたの?」D美が抱きつかれながら言う。
「知ーらなーい」
B子が言った。
「相変わらずねB子は」
「相変わらずよ私達は」
4人はさっそく一応の目的である砂浜に行き、きゃぴきゃぴ遊んだ。
海の家で焼きそばを食べながら、青海苔のへばりついた前歯等を駆使し、さりげなくD美の男関係を調査する。
どうやら彼氏はいないみたいだが男友達はいるみたいだ。
そうでなくては。
陽が紅くなり始め、話のタネも尽きた頃、
「ねぇ誰か男呼んでよ」
ミチコが真の目的を発した。
「いいけど馬鹿ばっかりよ」
お前が言うな、知子は心の中でツッコんだ。
中高生が携帯電話を持ち始めた時代、すぐに4人の男がD美により集められた。
続
「私達の夏にはアバンチュールが足りない」
それは女社会で育ってきた少女達の悲しい叫びだった。
「道はあるわ」
ミチコが言った。
「D美に連絡を取るのよ」
ミチコの言葉で確かに道が開けた。
D美とは中学時代の同級生で、素行不良により高校に上がることが出来ず、しかも卒業と同時に両親が離婚した為に母親の実家へ引っ越し、そこの地元の高校へと進学した娘だ。
仲は悪くなかった、学校の外で遊んだこともある、が、ただそれぐらいの仲だ。高校に上がってからは一度も連絡を取ってない。
しかしなりふり構っていられないものがあった。
D美の高校は共学なのだ、だから必ず男に繋がるはず。
幸いD美の家のあるI県O市は夏場、海水浴やサーフィンの客で賑わう港町。距離も知子達の主要駅である学校の最寄り駅から電車で2時間ほどだ。
知子達は海水浴に行く“ついで”を理由にD美と連絡を取った。
「ウチだったら泊まっても大丈夫だよ」
D美はあっさりOKした。
少女達の胸は期待に膨らんだ。
そして遠征当日、カバンには水着、短パン、3通りの下着、そしてコンドーム。
電車は時間通りに少女達を目的地へと運んだ。
久しぶりに会うD美は、知子達の学校と違い、ゆるい校則のなかにあって思う存分精一杯ギャルっていた。
「きゃー久しぶりぃ」
D美は知子達に向かって言った。
知子達、正確には知子とミチコはD美のキンシコウのような姿に少し引いていた。
が、
「D美、派手派手じゃーん。きゃーハンガーで出来たカラスの巣みたーい」
と、言って、B子はD美に抱きついた。
「それってけなしてんじゃねぇの」
知子とミチコが言った。
「えっけなされたの?」D美が抱きつかれながら言う。
「知ーらなーい」
B子が言った。
「相変わらずねB子は」
「相変わらずよ私達は」
4人はさっそく一応の目的である砂浜に行き、きゃぴきゃぴ遊んだ。
海の家で焼きそばを食べながら、青海苔のへばりついた前歯等を駆使し、さりげなくD美の男関係を調査する。
どうやら彼氏はいないみたいだが男友達はいるみたいだ。
そうでなくては。
陽が紅くなり始め、話のタネも尽きた頃、
「ねぇ誰か男呼んでよ」
ミチコが真の目的を発した。
「いいけど馬鹿ばっかりよ」
お前が言うな、知子は心の中でツッコんだ。
中高生が携帯電話を持ち始めた時代、すぐに4人の男がD美により集められた。
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