“コスメティックもろざし”(五)
「あっ誰かがブタクマに捕まった」
校庭をコの字型に囲う校舎の窓から野次馬達の視線が知子と校門の番人に集まりだした。
ブタクマと呼ばれた男はチラッと校舎を見上げた。
「げっ、こっち見た」
知子の通う学校は大学の付属校で、中高一貫教育の女子校である。校舎の4階と3階の一部は中学生の教室になっている。高校生の野次馬達はブタクマの一瞥に笑い声や手を振ったりして応える余裕と経験があるのだが、中学生、特に1、2年生は窓から距離をとったり、中にはカーテンを閉めてしまう教室もある。それでも恐る恐る物陰やカーテンの隙間等から野次馬を 続けているのだが。
「フン」
ブタクマは鼻息とも声ともつかない音を出して知子に目をやる。
「カバン、開けろ」
この頃になると知子の同級生や親交のある後輩達はブタクマの生贄が知子であることを認識している。だからこそ俄然その野次馬根性に火をつけた。知子とブタクマには浅からぬ因縁があるからだ。
続
校庭をコの字型に囲う校舎の窓から野次馬達の視線が知子と校門の番人に集まりだした。
ブタクマと呼ばれた男はチラッと校舎を見上げた。
「げっ、こっち見た」
知子の通う学校は大学の付属校で、中高一貫教育の女子校である。校舎の4階と3階の一部は中学生の教室になっている。高校生の野次馬達はブタクマの一瞥に笑い声や手を振ったりして応える余裕と経験があるのだが、中学生、特に1、2年生は窓から距離をとったり、中にはカーテンを閉めてしまう教室もある。それでも恐る恐る物陰やカーテンの隙間等から野次馬を 続けているのだが。
「フン」
ブタクマは鼻息とも声ともつかない音を出して知子に目をやる。
「カバン、開けろ」
この頃になると知子の同級生や親交のある後輩達はブタクマの生贄が知子であることを認識している。だからこそ俄然その野次馬根性に火をつけた。知子とブタクマには浅からぬ因縁があるからだ。
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