“コスメティックもろざし”愛のカタマリ(二)
加府信蔵は幸せだった。妻の悦子の体重が200㎏を越えたからだ。
「よぐやった、ひぐっ、君は最高だ、最高の女だ、くっ」
信蔵は泣きながら、嗚咽すら交えながら吠えた。そんな彼に向かって巨大なベッドに横たわっている悦子はゆっくりと落ち着いた口調で言う。
「ショートケーキを食べたわ、シュークリームも食べたわ、チーズケーキもチョコもお饅頭もバケツいっぱいにして食べたわ、もちろんハチミツはジョッキでおかわりよ」言い終わると悦子は笑った。といっても悦子の顔はいつも笑っているように見える。顔にある大量の脂肪により線より細く垂れ下がった目と、ぷっくり膨らみ、いつもえくぼが表れている頬は、消える事なき肉の仮面の如く悦子の顔に“笑顔”を刻んでいるのだった。
「思えば長い道のりだった。君に出逢って3年。…元々太りにくい体質だったのだろう。君はようやく100㎏を超え、僕達は結婚した」落ち着きを取り戻した信蔵は言いながら悦子の体によじ登る。悦子の顔の横に両手をつき、悦子の顔を見つめる。強烈な、汗と砂糖が混じったような匂いが彼を刺激した。
「それから6年、君はついに僕の願いを…」
声は途中で途切れた。悦子が信蔵の頭をそのグローブのような手で包み、重力に任せて生クリーム程柔らかな胸に沈めたのだ。
「あなたの、そして私の願い」
腹の底から慈愛に満ちた声だった。
「汗がもったいないわ」
信蔵と悦子は愛で結ばれてから9年目にして初めて体で結ばれた。
続
「よぐやった、ひぐっ、君は最高だ、最高の女だ、くっ」
信蔵は泣きながら、嗚咽すら交えながら吠えた。そんな彼に向かって巨大なベッドに横たわっている悦子はゆっくりと落ち着いた口調で言う。
「ショートケーキを食べたわ、シュークリームも食べたわ、チーズケーキもチョコもお饅頭もバケツいっぱいにして食べたわ、もちろんハチミツはジョッキでおかわりよ」言い終わると悦子は笑った。といっても悦子の顔はいつも笑っているように見える。顔にある大量の脂肪により線より細く垂れ下がった目と、ぷっくり膨らみ、いつもえくぼが表れている頬は、消える事なき肉の仮面の如く悦子の顔に“笑顔”を刻んでいるのだった。
「思えば長い道のりだった。君に出逢って3年。…元々太りにくい体質だったのだろう。君はようやく100㎏を超え、僕達は結婚した」落ち着きを取り戻した信蔵は言いながら悦子の体によじ登る。悦子の顔の横に両手をつき、悦子の顔を見つめる。強烈な、汗と砂糖が混じったような匂いが彼を刺激した。
「それから6年、君はついに僕の願いを…」
声は途中で途切れた。悦子が信蔵の頭をそのグローブのような手で包み、重力に任せて生クリーム程柔らかな胸に沈めたのだ。
「あなたの、そして私の願い」
腹の底から慈愛に満ちた声だった。
「汗がもったいないわ」
信蔵と悦子は愛で結ばれてから9年目にして初めて体で結ばれた。
続