“コスメティックもろざし”コスメティック(一)
加府(かぶ)知子は静かに息を吐き、そのマスカラの効いたまつげを震わせ瞳を閉じる。
瞼の裏にあの頃の大嫌いな自分の姿が見えた気がした。
「ごめんね、信じてくれなくて構わないけど、今、すごく好きになれたよ」
呟きながら再度マスカラまつげを震わせた。アクリルの中にいるような透き通る夜空いっぱいに輝く満月が、あの頃の自分の笑顔に見えた。
「今ならわかるよ、笑ってもいいんだ」
知子の目にみるみる涙が溜まっていく。
「いけない、パンダになっちゃう」
知子は涙がでるのをかろうじてこらえ、足元のバケツに左手を突っ込み、まだ半分凍っているオキアミを“ゴソッ”と崩れ落ち無いことが不思議なくらい盛った。振り返ると同時に夜を舞うオキアミ。満月の輝きはオキアミをキラキラとコスメティックに輝かせる程に。
待ったなし
自然と知子は生臭い左手の“くぼみ”を舐めた。
その瞬間、指の隙間越しにもの凄い勢いで自分に向かって突っ込んでくる肉の塊を見た。
続
瞼の裏にあの頃の大嫌いな自分の姿が見えた気がした。
「ごめんね、信じてくれなくて構わないけど、今、すごく好きになれたよ」
呟きながら再度マスカラまつげを震わせた。アクリルの中にいるような透き通る夜空いっぱいに輝く満月が、あの頃の自分の笑顔に見えた。
「今ならわかるよ、笑ってもいいんだ」
知子の目にみるみる涙が溜まっていく。
「いけない、パンダになっちゃう」
知子は涙がでるのをかろうじてこらえ、足元のバケツに左手を突っ込み、まだ半分凍っているオキアミを“ゴソッ”と崩れ落ち無いことが不思議なくらい盛った。振り返ると同時に夜を舞うオキアミ。満月の輝きはオキアミをキラキラとコスメティックに輝かせる程に。
待ったなし
自然と知子は生臭い左手の“くぼみ”を舐めた。
その瞬間、指の隙間越しにもの凄い勢いで自分に向かって突っ込んでくる肉の塊を見た。
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