モヤモヤシリーズ個性を出したがありきたりな詩風? | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

モヤモヤシリーズ個性を出したがありきたりな詩風?

ミルク色をした照明の下で、私はいつもじっとしている。喋り方を忘れた私は、恋人もなく、友人もなく、ただじっとして、時間と向き合っている。時のロープに埋もれている。幾日幾月幾年。ベッドのマットレスは尻型に黴びているに違いない。
「こいつはすぐに逃げだすから駄目だよ」パパが遊びにきた彼氏に言った言葉。仕事にも恋にも行き詰まっていた私はやられた。ママは私の表情が変わったこと、さくらももこ風にいうなれば縦線ざざー、に気付きフォローの言葉を言ってくれたが、遅かった。私の耳は既に腐っていた。誰の声も古びたイヤホンを通したように聴こえる。私は静かに立ち上がると部屋に閉じこもった。それ以来パパとは一言も口を聞いていない。本当に、パパは早く死ねばいいのに、と思う。死んだら葬式に出ないだろう。ママはたまにお金を用意してくれる。彼氏はすぐに別の彼女を見つけた。裏切ったとは思わない。当たり前のことだ。
しばらくして、唯一、時間を消費してくれていたゲーム機が壊れた。本を読む気にはなれない。以前はたくさん読んでいたのだが、読書というのは忙しさの合間にするからはかどるのだと気づいた。それに本の代金だって馬鹿にならない。ママが代金を払ってくれている携帯電話で、メールや電話をする相手もいない。本格的に時間と向き合う必要に迫られた私は、やもすれば自殺という選択を私自身から突きつけられ、自殺念慮が起こる度に、髪をめちゃくちゃに切ったり、ピアスを空けたり、雨にうたれてみたり、本格的に死なないよう自分の半身を殺す。パパが死ぬまで生きれば、その時、私は自由になれる。そんな気がする。
ブログを始めた。部屋の中で時間を潰すことを考えれば、ブログを始めることは必然だった。私のモヤモヤを書き込む。書き込む。書き込む。携帯電話から書き込む。携帯電話から電波となって送信されていく私の言葉達。喋り方を忘れた私にとって唯一の言葉達。増えるアクセス数、コメント。仲良くなったぜブログ仲間。
彼女は彼を好きになっていた。彼の書く言葉達に共感した。彼もひきこもりだった。恋をした。繋がる言葉達。交わす約束。リアルで逢えないかな?でも、私喋り方忘れちゃってさ。僕もさ。二人、親の財布からお金抜き出し待ち合わせたぜファミレス。二人顔を合わせ、ちょこんと挨拶。彼氏なかなかいい男じゃない。彼女ロングヘアーがよく似合う。
二人席に向かい合って座る二人。喋り方を忘れた二人、だがしかし、ラララ、声無き歌をうたうのだ。恋の歌をうたうのだ。共鳴するメロディ。ファミレスを出た二人は無言で手を結ぶと街へ。
直後、アメリカンニューシネマのラストのよう、二人は列車にひかれ、結びついた手以外バラバラになったが、それはまた別のお話。


終わり モヤモヤ