お○んこ in Her(完) | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

お○んこ in Her(完)

水分を吸ったワンピースは所々仁美や姉の裸体に吸い付き、えもいわれぬ艶やかな色香。複雑な凹凸。乳房、膝、恥丘。
栄介と義孝は一人一分程で風呂を出る。やはり会話は無い。もはや言葉を吐く機能は停止しているとみえる。二人が脱衣場でバスタオルを腰巻きにしていると、仁美がやってきてハサミと剃刀を渡した。素直に陰毛を剃る義孝。ようやく、義孝の陰茎が日の目を見た。栄介はその必要がない。普段から自慰行為の為に短く刈っていたからだ。それがおかしいおかしくないすら判断できず、無毛と芝の男は仁美の待っている部屋へ。
「さあ、始めましょうか」
仁美は無言の二人に言う、というよりも、自身に囁きかけると、ワンピースを、公園で見せたよう脱ぎ始めた。公園の時とは違い、露わになった脚、小鹿のような白い脚、そして塗れそぼる仁美の白い下着、陰毛が透けている、さらに捲り上がれば姉の組みずれた脚、微かに見える小さな黒い三角形地帯、仁美の手のひらに収まる程度の乳房、突き出す撫子色の乳首、白く、しかし淡く紅葉を散らす顔。細い腕をすり抜けてワンピースは床に落ちた。床には布団が敷かれている。
栄介と義孝もバスタオルを紐解いた。仁美は二人のそれを見てにやりと笑った。所謂半勃ちの二人。それは期待と不安、性欲と理性、興味と恐怖、相反するも入り交じった感情をよく表していた。それにしても小さい。小指と親指の背比べ。
仁美は布団に横たわると、女児に小便をさせるよう姉の脚を持ち、開いた。なんとも云えぬ奇妙な光景。鳩尾のやや下方から生える姉の開かれた恥部。珍妙であり、そら恐ろしくもあり、淫猥でもある。
「触って」
栄介と義孝は同時に身を屈めたが、悲しいかな、無意識的に後輩は止まり、栄介が姉の股に向かうと、
「あなたは私を」
仁美は義孝に命じた。
二人の童貞は試行錯誤しながら、とはいえ思考は止まったままだが、なんとか二人で仁美と姉を愛撫出来るポジションを見つけた。栄介は仁美の横に、義孝は仁美の股の間に。震える指先で恐る恐る秘部を触る二人。
「ふううぅ」
息と声の間のいななき。腹の底から。微かに姉の脚も動いているようだ。筋肉がびくつく。しかし、姉の受ける快感はどこへ行くのだろう。大まかに言うとシャム双生児には、感覚を共にするものと全く関与しないものとがある。脳みそを分かち合っているのかも、と、仁美は言ったが、実際互いの感覚が連結されていない、あらゆる意味で脳が一つしかない、くっついた双子は脳の支配領域がくっきりと分かれている。上半身が二つに分かれた男の双子の場合一袋の金玉の左右をそれぞれが支配していることもある。脳みそと金玉の違いはあれどくっついている、もしくは、一つしかないといっても感覚を共有しているとは限らないらしい。右手がしていることを左手は知らない。そのようなものであろうか。仁美が語ったローザとジョゼファの場合、ローザが赤ん坊を産むと、子宮は別々である、ジョゼファからも母乳が出たことから考えると、やはりローザの言った通りジョゼファも同じ快楽を味わったと考えていいだろう。しかし性器が一つしかないならば膣内に放出された精子は道に迷わなかったのであろうか。うまいこと意中の相手を妊娠させることが出来るのだろうか。なるほ
ど、ローザを罵ったジョゼファの言葉を思い返すに、ひょっとしたらローザとジョゼファの仲が悪くなった原因はそこにあるのかもしれない。では仁美の場合はどうであろうか。仁美は、姉は存在している、と、言った。が、頭でくっついていない、下半身しかなく頭部というものが存在しない仁美の場合解剖学的にはできものと似たようなもので、仁美の体の一部でしかない筈である。感覚があるとすればそれは全て仁美のものだ。その姉の感覚というものが問題だ。栄養を分かち合っているとはいえ、例えば母親と赤ん坊が感覚的には独立しているよう、姉の神経が仁美に、いや、仁美の神経が姉に通じていない限り感覚を感じることが無いということはおわかりだろう。しかし、脊椎の一部まで形成しているこの姉を見よ。ここまで問題提起をしてきてなんだがややこしいことは避ける。読者はただ、姉の感覚は仁美の感覚にフィードバックされる、ということだけを理解していれば良い。
と、なれば、だ。仁美の感じる快楽とはどういった類の、また、如何ほどの快楽を感じるのだろうか。読者諸氏も両手で別々の場所を抓ってみるといいだろう。決して片方からしか痛みを感じないなんてことはない筈だ。ただでさえ時に失神者も出す女性の快楽である。仁美の感じる快楽は作者にはとても想像がつかない。
ぬしゃり。ねめつき絡み合う陰毛。栄介は知識通り、仁美に覆い被さるようになって、姉の小さな性器を舐めた。石鹸の匂いとは裏腹に、童貞だが、いつか味わったことのある懐かしい酸味が口に広がる。顔を横にして一心不乱に陰核、陰唇、膣を舐めまわす。石鹸の匂いは消え、唾液と性器が発するむぅんとした匂いが口元一杯に充満する。義孝も仁美の下着を脱がし、一心不乱に舐めまわす。
「あああ、うあああ、ふあああ、ううううう」
仁美は時に小さく、時に大きく、いななき喘ぎ、仁美と姉は時折体をびくつかせる。
そして破瓜の時が来た。生だ。
「くすぶってた。ずっとずっとくすぶってた。くすぶってくすぶってくすぶってくすぶって、くすぶり死にそうだったわ。それが今、ああ、どうにかなりそう、ああ、早くあてがって、早く貫いて、一緒に、一緒に」
一緒に挿れるには、バイクで二人乗りをするように栄介と義孝はくっつくしかなかった。陰茎をあてがう二人。十分に位置と硬さを確認する。
「今、今よ」
仁美の号令を受け、二人は同時に突き刺す。
「ぎいぅ」
仁美が声をあげると姉の性器から血が漏れ出した。仁美の性器からは何も出てこなかったが。兎にも角にも、くっついた二人とくっついた二人がくっついた。
「大丈夫。動いて。ああぅう」
栄介は未熟さとスペースの問題からあまり動けない。くっついてる義孝の動きが栄介をも突き動かしている。
「あああ、いい、いいわ、もっと、もっと、動いて、もっと、ああぅ」
「ううぅ」
「ううぅ」
奇形。フリークス。狂宴。普通と異常の境界線。あっちの世界とこっちの世界の境界線。滑稽な地獄絵図。
「いいいぃぃ…あああ…ああ……」
挿入後程なくして仁美はあっけなく気を失った。それに気づくこともなく動き続ける栄介と義孝。
「ううぅううぅ」
「ううぅ、ふん」
「びび…びび…」
微かな振動音がした。仁美は瞑っていた目を、かっ、と、見開き、見開き、見開き、黒目がぐるりと上瞼の中へと吸い込まれて行った。
「うぬぅ、く、ああ」
「うふぅ、ふぅ、う、う?…小松さん、あ、松崎さん」
「うふぅ、うふぅ、なんだ、よ、花」
「何か、何かが、押してきて、ああ!膨らんでる!」
「ああ!?」
この時、栄介は仁美が変になっていることに気がついた。しかし、狐にとり憑かれたように動きを止めない。否、止められない。止めることが出来ない。陰茎を何かに掴まれている。外せない。しかし、止められない。
「ああ、何かが押してきてる、押してきてる」
ぐにゅり、ぐにゅり。ぐにゅり。仁美の中で何かが蠢いている。
「なんだ、これは、ああ、もうだめだ、ヤバい」
栄介が射精の体勢に入った時、ずもり、義孝は押し出された。何に。
仁美の性器から“顔”を出しているもの。拳大の平べったい頭、無頭児?、糸のように一本線に閉じられた目、鼻が無い、ふやけた唇、深海魚や日の射さない洞窟にいる生物のような、真っ白な肌、血まみれ。しかし、顔。義孝は青ざめ、当然萎え果て、わなわなと震え、見ている。仁美の性器かは出てきた顔を見ている。
「ああ、だめだ、イクぅ」
栄介が果てようとした瞬間、顔の目が薄く開かれた。ゆすりと唇が動く。
「い…く…」
ヘドロの底から湧いてでたような声が義孝を貫いた。
「すひいぃ」
義孝は息を吸いながら声にならない悲鳴を挙げ、ガタガタ震えた。
顔は目を閉じると事切れたようだ。栄介は、果てた後、仁美と姉に覆い被さったまま動かない。仁美も白目を剥いたまま動かない。あまりに激しい快楽の直撃に仁美が耐えられなかった為か、くすぶり続けた姉が破瓜の出血及びショックに耐えられなかった為か、姉の顔が外界で生きられなかった為か、ともかく、仁美か姉が死ねば、くっついていたものは運命を共にするのが決まりだ。



終わり