ボツ台本新作 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本新作

「親指的に省エネ」


街中でAがうろうろ。
A『あのぉ』
B「………」
『あのぉ』
「………」
『あのぉ!あのぉ!』
「………」
『あのぉ!あのぉ!あのぉ!』
「ああもうなんだよ!しつこいんだよ!ひつこい!うざいなぁ。勧誘系なら他あたれ!おれはひっかからないぞ!」
『違うんです』
「…なんだよ。あ、だめだだめだ。よくある手だよくそっ」
『あのぉ、違うんです。全然、そんな宗教とか変な絵買ってとか、違うんです』
「その言いぐさがもうそれなんだよ。じゃあな」
『違うんです違うんです』
「手を掴むな引っ張るな!警察呼ぶぞ!」
『違うんです違うんです』
「ああもうなんだよもう。わかったから用件言えよ。用件ぐらいは聞いてやるよ」
『違うんです違うんです』
「なんでだよ!そこは違うんですじゃおかしいだろ!用件ないってこと?じゃあ行くからな」
『違うんです違うんです』
「てててて、襟首を引っ張るな襟首を!後ろから襟首を!おれは少し可哀想なウサギじゃねえんだ!何様のつもりだ!」※
『違うんです違うんです』
「さっきからそればっかじゃねえか!なんなんだよ!お前何がしたいんだよ!何か違うこと言えねえのか?」
『何か違うこと言えねえのか?』
「そうだよ」
『そうだよ』
「…違うことは言ったな確かに」
『違うことは言ったな確かに』
「…東京特許許可局!」
『東京特許許可局!』
「東京特許許可局!」
『東京特許許可局!』
「生麦生米生卵!」
『生麦生米生卵!』
「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
『赤巻紙青巻紙黄巻紙』
「バスガス爆発」
『バスガス爆発』
「バスガス爆発」
『バスガス爆発』
「やるなちくしょう。じゃあこれならどうだ、うんこちんこ万個!」
『………』
「言えよ!おれだけ恥ずかしいだろ!うわ、急に恥ずかしくなったわ。我ながら自分の行動の選択に後悔しきりだよ!」
『………』
「そんな目でおれを見るな!くすってするな鼻で笑うなぁ!」
『………』
「ちくしょう………東京特許許可局!」
『東京特許許可局!』
「バスガス爆発」
『バスガス爆発』
「新春シャンションあっ!」
『新春シャンソンショー!』
「噛めよ!言い切るな!なんだその勝ち誇った顔は!」
『新春シャンソンショー!新春シャンソンショー!』
「なんなんだよ!そんなに嬉しいかおれに早口言葉で勝ったことが!まあ早口言葉勝負を持ちかけたのはおれだから凄い敗北感あるけど!」
『新春シャンソンショー!』
「もうわかったから」
『新春シャンソンショー!新春シャンションショー!』
「あ、噛んだ」
『新春シャンションショー新春シャンションショー新春シャンシャンショー新シャンシャンシャンショー新シャンシャンシャンシャンシャー…新!シャシャシャシャシャシャシャー!!』
「いや、そんなどうだって顔されても。なんだよ、新シャシャシャシャシャシャシャーって」
『違うんです違うんです』
「うわまたこれだよ。一体なんなんだよお前」
『新!シャシャシャ』
「もうそれはいいから」
『……シャシャ』
「うるせえ!やめろ!」
『……シャシャー』
「シャシャーってお前!ツクツクボウシかお前は!ツクツクボウシかよ!三度目だけどツクツクボウシの終わりか!」
『違うんです違うんです』
「ああ!?あー、あー、もう頭がいかれそうだ」
『………うずうず』
「なんだよ、そんなにシャシャシャシャシャシャって言いたいの?」
『違うんです違うんです』
「ああ、あっそう」
『シャシャシャシャシャシャシャー!シャシャシャシャシャシャシャー!』
「言うんじゃねえかよ!」
『新!シャシャシャシャシャシャシャー!』
「………」
『………』
「……シャシャシャシャシャシャシャー」
『………』
「えっ、まさかの無反応!?」
『………』
「おい!なんで!?どうした?違うんですは?おい!なんだよおい!」
『………』
「どうしたんだよおい!痛い子見るような目で見るな!遠ざかるな!なんだよ!なんなんだよ!行くなよ!おい!行くな!おい!おーい!」
『………』
「行っちゃった…あああああ!心が…心をやられた…どうすりゃいいんだこれ。もうとめられない…あああ、ああ」
………。
「あのぉ」
C『………』
「あのぉあのぉ」
『なに!?』
「違うんです違うんです」



終わり