ボツ台本頑張った | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本頑張った

「怒らないでね」


『いやぁ、頑張ったんだろうなぁ』
「なに?」
『頑張ったと思うよ。おれは』
「だからなにが?」
『あれだよあれ、野球の、スリム新橋』
「デーブ大久保な」
『いいや!スリム新橋!』
「いや、デーブ大久保のことだろ!?ていうかデーブ大久保のことじゃなかったらついてけないよ」
『デーブ東中野』
「中央線!?行き過ぎだよ!つっても一駅か!?ええい、とにかく大久保だ!」
『だって大久保じゃスリムからデーブになる距離じゃないぜ?』
「距離の問題じゃねえよ!しかも大久保と東中野は隣の駅だろ?数分だぜ?まあいいや。電車の中でなにがどうなればそうなるんだよ!食うのか!?ギャル曽根だってそんなになる時間ねえよ!つうかスリム新橋自体いねえしそんな奴!」
『山手線を5周すると体が太陽の大きさを超えると言われてる』
「言われてねぇよ!電車乗ってるだけで太るか!そんなんじゃ東京大変なことになるだろ!何を、ティッシュを何十回か折り重ねると月まで届く、みたいな話してんだよ!」
『じゃあデーブ大久保で』
「じゃあもなにもねえけど」
『いやぁ、あの人は頑張りました』
「まあね。西武の打撃コーチとして優勝に貢献したわけだからね。そりゃ頑張ったでしょ」
『そうだよ。おれなんてあいつがコーチになった瞬間優勝を諦めたからね』
「おい!お前西武ファンどころか野球好きでもないだろ!でも、ま、確かにね。あの人キャラ先行みたいなとこあったし、どうなんの!?ってところはあったよ。本人もそこんところはわかってただろうし」
『そうなんだよな。つらかったと思うぜ。おれだって思うくらいだからな。当然デーブにもその雰囲気は伝わるわけで』
「うん」
『いくら面の皮が厚いっつっても』
「面の皮が厚いってお前体型から連想したろ!やめろ!」
『開幕前はファンの間で不安が囁かれて…囁かれてさ、あの』
「吉兆のババアにはなるなよ!」
『いや、ファンと不安が駄洒落になっちゃったかなって』
「そっち!?ギリギリなってないから安心しろ」
『でっかいちんぽで超気持ちいぃ!』
「なんだよ!いきなり!でかけりゃいいって話でもないらしいぞ!」
『でも、いざ蓋を開けてみたら連戦連勝、空前絶後の大爆進ですから』
「いや、そこまでじゃねえよ?優勝決まったのついこの前だし」
『なぁーんだ』
「なぁーんだじゃねえよ!なんでそんな嘘でガッカリすんだよ!」
『その勝利の陰にデーブあり!陰っつっても太ってるから全然隠れてねえけど』
「隠れてなくていいんだよコーチなんだから!」
『スリム新橋だったら隠れきれるんですけど』
「なんなんだよそいつは!隠れきれるってどういうことだよ!」
『そういうのはいいんだよ』
「うわっ!珍しく丁寧にフってやったのに」
『本当そういうのはいいから、そういうのはキリがないから省略してやってきてるわけで、省略しないとボツの意味ないし』
「わかったよもう」
『なんでも打撃を変えたとか言われてますね。なんですか。バットをテニスのラケットにでも持ち替えたんですか?』
「そんなわけないだろ」
『あらあなた、夜のバットはラケットなのねぇ』
「意味わかんねえよ!」
『たつ………ピーがピーなんだよ』
「ピーで済ますな!打撃を変えたってのは、まあ簡単にいうと今年の西武のチーム本塁打数を見ればわかるけど選手をとにかくフルスイングさせたってとこだろ」
『うーん、立つ鳥跡を濁さず、と、藤波あんなにドラゴンスクリュー、って文章を足して2で割ると?』
「いいんだよ!そんなことは!デーブ大久保の話だよ!」
『まあねぇ、フルスイングしろってお前、小学生に教えてるんじゃねえんだから』
「プロのレベルの話だよ!色々あんだよ!」
『そんなのおれだって出来るぜ?打席に立った選手にホームラン打てってサイン送ればいいんだろ?』
「うーん、まあ、突き詰めていけばそういうことかもしれないけど、あくまでめちゃくちゃ高いレベルの話だからな」
『そうかな?プロだからこそそんなの当たり前のことなんじゃねえの?今までがまじめにやってなかっただけじゃねえの?』
「まじめにはやってんだけど本当に色々あんだよ、打席に立つプレッシャーとか」
『そんなの当たり前だっつってんの!プロなんだから!小学生じゃねえんだから!』
「まあでも、ほら、デーブ発案の打撃練習もあったしさ、毎日早朝特打とかさ。ダルビッシュの球威対策にピッチングマシンをマウンドの手前に置いて打たせたり」
『だから!だからね!そんなのはやって当たり前だっつってんの!プロだよ!?ここんところいつもより練習してるので打てるようになりました、ってなんだよってこと!小学生かよ!プロなんだからさ!練習すりゃ打てるんならそれを普段からやってろよって話!プロだよ!?全精力を傾けた姿を見に行くわけでしょ!』
「ああ、まあ確かに、じゃあ今までなにやってたんだって部分はあるかもしれないけど、言うは易し行うは難しみたいな」
『だから!そんなの関係ないんだよ!むしろ行うは難しを普段からやってるのがプロだろ!?』
「まあなぁ」
『だろ!?』
「なんでそんなに怒ってんだよ」
『うるせー!八百長だあんなもん』
「おい!本気で怒られるぞ!やめろ!」
『はい言い過ぎました』
「やけに素直だなおい。まあフルスイングしろっつってもチーム戦術とかの関係もあるしさ」
『なるほど』
「…まあいいか」
『デーブも頑張ったわけですよ。あんなに痩せちゃって』
「見た目は変わってねえよ!」
『えっ!?じゃあまだデーブなんですか!?』
「そんなに驚くほどのことじゃねえし、知ってるだろ!」
『まあデーブ大久保っていうぐらいですからね』
「その通りだよ!何をいまさら!」
『ミチコ・ロンドンじゃないですから』
「スリム新橋な!もうなんなんだよ!」
『とにかくデーブは頑張りました』
「そこから一向に進んでねえよ」
『来る日も来る日も畑を耕し』
「なんでだよ!野球させろ野球!」
『雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ』
「宮沢賢治かよ」
『そういう豚に私はなりたい』
「おい!デーブにも宮沢賢治にも謝れ!」
『でも本当にデーブは頑張ったよな』
「ああ!」
『優勝しなきゃ笑い者、あ、豚に』
「いいよそれは!人間だデーブは!」
『そんな状況でさ。肉離れまで起こして』
「ああ、あったな」
『本当傑作だったぜ』
「笑ってんじゃねえかよ!」
『肉離れした豚肉ってうまいのかな?』
「うるせー!食うな!」
『まあ、食えない豚はただの豚だって言うしな』
「いや、言わねえし、食えない豚はただの豚じゃないだろ」
『本当にその心労たるや凄まじかったと思うぜ。だけど選手をリラックスさせる為にどんな時も笑顔を貫いてよぉ。哀れなピエロだよ』
「なに言ってんだよ!それ駄目な方の表現だぞ!」
『きっと沖縄で買った豚の顔の皮を張り付けてんでしょうけど』
「チラガーじゃねえよ!そんなことするか!つうかチラガーつけたら笑顔に見えるのか?うわ!チラガーつけた笑顔のでかい人想像したらやたら怖い!」
『まあでもタイガーマスクとかいるし』
「まあ、そう考えると少しは楽になる…か?」
『毎日早起きするのも大変だぜ?』
「その大変さをさっき全力で否定してたけどな」
『本当に頑張ったよ。ただ』
「ただ?」
『その頑張りをプロゴルファーとして見せて欲しかった』
「もういいよ!」



終わり


さあ、ここでおまけだよ!(死ねよおれ)この文章を上のどっかに入れてみよう!

『監督やコーチがいねえと練習も満足に出来ねえのかよ!小学生じゃねえんだから』
「お前に何がわかるっていうんだ!?」
『一度選手だけでシーズンやってみりゃいいんだよ!』
「いや、それはどうだろ」
『デーブも現役復帰だ!』
「えっそうなんの!?」


……………。