読んだら損する「運命はテイクアウト」(22)
おじさん達がぞろぞろと出てきた。次々に頭を下げ、次々と帰路につく。小山さんも帰って行った。僕と僕の家族は最後まで残り、それでもやることは一緒で、おじさん達を労って帰った。家に帰ると、何事もなかったかのように、風呂に入ったりして今日の一日が終わった。
皆が寝静まった頃、僕は一人起き出す。気配を探る。みんな寝てる。よし。
あの事件のことを調べるのだ。犯人以外の者が知り得る情報を整理して明日に備える。小山さんからの質問をシミュレーションする。以前読んだ江戸川乱歩の小説、作名は忘れたけども、二人の容疑者、即ち真犯人とただの容疑者、が警察の取り調べを受けるのだが、警察官は起こった殺人事件に関する事柄を連想ゲームのように次々と二人に質すのだ。真犯人は警察官の問題に対し、予め訓練し尽くした結果、素直に答え、もう一人の無実の容疑者は事件を意識してしまい、無理矢理連想ゲームの答えを事件と関係ないものにねじ曲げてしまい、結果警察は素直に答えた真犯人ではなく、事件を意識して意図的に答えをねじ曲げた無実の容疑者を疑う、そんなものがあった。
あれと同じだ。
僕は素直に答える。応える。ただし、訓練は必要だ。自滅しないよう、犯人しか知らないこと、即ち世間には公表されていないが遺族なら知らされているかもしれないことを言わないように。しかし、まあ結局、小説における真犯人は…………。
頭の中で虫がわいているかのようなイメージトレーニング。虫?妖精みたいな虫か!また出て来たよ…。どうやら僕は、嬉々として取り調べをやっつけようとする小説の主人公より弱いらしい。吐き気がする。吐き気がする。吐き気がする。吐いた。それでも、なんとか、出来うる限りのことはした。あとはちゃんと眠るだけ。出来ればの話だけれど。
案の定、タオルケットに入っても眠れやしない。時計の針がいつもより速く動いている気がする。気がつけば太陽光線の時間。ちくしょう。
結局45分程眠ったらしい。というのも45分だけ明確な記憶、時計の針が飛んでいるから。たった45分の睡眠だが、通常時の9時間ぐらい眠ったような、なんというかさっぱり感。目はぱっちりと覚め、体調は、今からフルマラソンでも走れるんじゃないかというぐらい、軽く躁状態?とにかく良い。
10時、本格的に起き出してコーヒー。
12時、兄以外の家族、おばあちゃんも、は出掛けているので二人で昼食。チャーハンを作る。チャーハンで肝心なのは米の水分量だ。予めある程度パサパサに炊いておけばまずパラパラになるし店の味がする。
2時、社長が来る。あの日のバイト代8000円、その前のバイト代12030円プラス交通費1220円。しめて23250円。
2時50分、小山さんが来た。例のあの店へ移動。あの喫茶店へ…。
「コーヒーでいいかな?ああ、カップケーキも頼もうか、暑いからね」
はい、と応えた僕。素直に、素直に。気を抜くことなく、しっかり、そして素直に。そう念じる。にじり寄るな警戒心。包み込め警戒心。
「で、これが問題のものなのだけれど」
小山さんがノートを取り出した。ただの大学ノート、7ミリ30行40枚。
「では」
僕は道助のノートを開いた。
皆が寝静まった頃、僕は一人起き出す。気配を探る。みんな寝てる。よし。
あの事件のことを調べるのだ。犯人以外の者が知り得る情報を整理して明日に備える。小山さんからの質問をシミュレーションする。以前読んだ江戸川乱歩の小説、作名は忘れたけども、二人の容疑者、即ち真犯人とただの容疑者、が警察の取り調べを受けるのだが、警察官は起こった殺人事件に関する事柄を連想ゲームのように次々と二人に質すのだ。真犯人は警察官の問題に対し、予め訓練し尽くした結果、素直に答え、もう一人の無実の容疑者は事件を意識してしまい、無理矢理連想ゲームの答えを事件と関係ないものにねじ曲げてしまい、結果警察は素直に答えた真犯人ではなく、事件を意識して意図的に答えをねじ曲げた無実の容疑者を疑う、そんなものがあった。
あれと同じだ。
僕は素直に答える。応える。ただし、訓練は必要だ。自滅しないよう、犯人しか知らないこと、即ち世間には公表されていないが遺族なら知らされているかもしれないことを言わないように。しかし、まあ結局、小説における真犯人は…………。
頭の中で虫がわいているかのようなイメージトレーニング。虫?妖精みたいな虫か!また出て来たよ…。どうやら僕は、嬉々として取り調べをやっつけようとする小説の主人公より弱いらしい。吐き気がする。吐き気がする。吐き気がする。吐いた。それでも、なんとか、出来うる限りのことはした。あとはちゃんと眠るだけ。出来ればの話だけれど。
案の定、タオルケットに入っても眠れやしない。時計の針がいつもより速く動いている気がする。気がつけば太陽光線の時間。ちくしょう。
結局45分程眠ったらしい。というのも45分だけ明確な記憶、時計の針が飛んでいるから。たった45分の睡眠だが、通常時の9時間ぐらい眠ったような、なんというかさっぱり感。目はぱっちりと覚め、体調は、今からフルマラソンでも走れるんじゃないかというぐらい、軽く躁状態?とにかく良い。
10時、本格的に起き出してコーヒー。
12時、兄以外の家族、おばあちゃんも、は出掛けているので二人で昼食。チャーハンを作る。チャーハンで肝心なのは米の水分量だ。予めある程度パサパサに炊いておけばまずパラパラになるし店の味がする。
2時、社長が来る。あの日のバイト代8000円、その前のバイト代12030円プラス交通費1220円。しめて23250円。
2時50分、小山さんが来た。例のあの店へ移動。あの喫茶店へ…。
「コーヒーでいいかな?ああ、カップケーキも頼もうか、暑いからね」
はい、と応えた僕。素直に、素直に。気を抜くことなく、しっかり、そして素直に。そう念じる。にじり寄るな警戒心。包み込め警戒心。
「で、これが問題のものなのだけれど」
小山さんがノートを取り出した。ただの大学ノート、7ミリ30行40枚。
「では」
僕は道助のノートを開いた。