ボツ台本カナリアの慰め | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本カナリアの慰め

「タイトル無し」


『おし、今日もひとつやりますか、頭から手を出してもうまんざらでもない!』
「何言ってんだよいきなり」
『今からアイスコーヒーを頼んだ奴に熱湯をぶっかけることをお許しください』
「お前いつもアイスコーヒー頼むだろ!」
『ラリアットをね、大人が子供にしたら駄目だよ』
「当たり前だろ!」
『ナイフを使うのが気に食わないんだ。ナイフってよく切れるんだろ?』
「そりゃ切れるだろうよ」
『ああ、嫌だ嫌だ。ナイフナイフ』
「なんなんだよ一体!」
『恋人がサンタクロースってぐらい嫌だ。嫌だろ?恋人がサンタクロースだったら』
「おれ達男だからな」
『女の気持ちぐらい持ち合わせてるだろ!女なんて人間と獣の間の生物なんだから』
「そんなこと言うな!どちらかというとお前フェミニストじゃねえか!」
『って言ってた人がいたんだ』
「そんなんで逃げられねえよ!」
『フェミニストっつってもおれは真のフェミニストだからね』
「どういうことだよ」
『レディファーストなんてクソ食らえなんだよ!』
「駄目じゃん、フェミニストじゃねえ!」
『あんなものは女を体よく社会的地位から遠ざける為の合理的な手段なんだよ!女を家の中から出さないってのと同じだ!』
「ええ!?なんでだよ、いいじゃん、レディファースト」
『バカヤロー!あんなものは女を体よく社会的地位から遠ざける為の』
「聞いたよ!」
『ちやほやしてやるから男の社会に入ってくんなってことだろ!口出しすんな!家の中にいろ!みたいなさ。あんなものは差別主義の賜物だ!』
「ああ、まあ、言いたいことはなんとなくわかったけど」
『本来ならば女はそんなもの断固拒否しなけりゃならないんだ!おれだったら叫んでるね、バカヤロー!てさ。それなのに女ってやつは満足げで、調子に乗りやがってよぉ』
「なにかあったのか!?」
『なんだ!タカビーか!?』
「また古い言葉を」
『調子に乗りやがってよ!女なんて家でおとなしくしてろ!』
「おい!そういうのが嫌なんじゃなかったのか!」
『知るか!ノータリンが!』
「いや、わけわかんねえよ」
『“わけ”なんてわかってたまるかよ!』
「駄目だろ!?わからせろよ!」
『ああ、モッタイが来る!』
「ああ!?モッタイってなんだよ!」
『モッタイがあるのかないのか、それは永遠の謎です』
「なんなんだよ!意味わかんねえよ!」
『意味なんてわかってたまるかよ!』
「あーもうわかったよ!」
『わかってねえだろ!こっちは必死なんだよ!わかってたまるかよ!』
「安心しろ、誰もお前のことなんてわかんねえよ!」
『そんなこと言うなよ』
「うわっ、下がった。お前さっきは散々女の悪口言っておいて自分のことになったらこれか!」
『聞き分けのない子だよぉ』
「もうなんなんだよ」
『ドとレとミとファとソとラとシの音が聞き分けられないよぉ』
「全部じゃねえか!聞き分けるなんて言葉を使うレベルじゃねえな!」
『ドがドーナツのドならシはシナモンのシじゃないのかよ!』
「知らねえよ!」
『あっ、シナモンロールのシ』
「わざわざ訂正するほどのもんじゃねえよ!」
『CDEFGAHC』
「それがどうした」
『Cがドーナツだろ?てことはDEFGAHもCにひっくり返らなきゃ』
「オセロじゃねえんだから!ドーナツ関係なかったし!」
『オセロとか言うなよ!』
「なんでだよ!」
『黒と白の闘いは常にハイクォリティーなんだよ!』
「全然わかんねえよ!」
『もう一回!』
「全然わかんねえよ!」
『よっ!』
「全然わかんねえよ!」
『ほっ!』
「全然わかんねえよ!」
『はっ!』
「全然わかんねえよ!」
『よっどうした!』
「ってさっきからなんだよ!全然わかんねえよ!」
『………………』
「なんで黙るんだよ!」
『やっぱりお前はおれのことわかってくれないんだな』
「お前が言わせたんだろ!もういいよ!」



終わり なーむー