ボツ台本手抜き | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本手抜き

「まあ全部手抜きなわけなんだが」


『エアコンが欠かせない季節になりました』
「そうだね。おれの部屋、ワンルームなんだけど、風通しが悪い上に南側に窓があるからさ。日中エアコンかけないと50度くらいになっちゃうんだよ」
『ああ、ウォツカぐらいってこと?』
「アルコール度数じゃねえよ!室温のことだよ!」
『なるほどね。しかし50度もあったら室温っていうか温室ですね』
「いやそうだけど。なにを突然朝のワイドショーのコメンテーターが言いそうなギャグ言ってんだよ」
『手ぇ抜いてんだよ!』
「駄目だろ!何やってんだよ!なんで手ぇ抜いた!」
『いやさ、ちょっと聞いてよ』
「なんだよ」
『おれにとって夏ってやつは、エアコンガンガンきかして長袖を着て過ごす、ってのがおれの夏の過ごし方なんだよ』
「ああ、まあまあ、夜寝る時なんて夏なのに布団頭からかぶるほどエアコンきかしたりしてさ」
『そう、それがなに、世の中エコだエコだと言ってさ。エアコンガンガンきかしたりしたらエコ大使に暗殺されるという噂もあるし。おれにエアコンをガンガンかけさせないんだよ、エアコンだって略したらエコなんだぜ?』
「エアコンって言葉自体エアーコンディショナーの略だけどな!まあ所々なに言ってるかわからなかったけど、確かに、まあ夏に長袖着る程はやりすぎだけど、自分の部屋の中ぐらいはある程度好きにすればいいだろ」
『それがリモコンの“下”ボタンとられちゃったんだよ』
「誰にだよ!“下”とられちゃったら設定温度下げられないけど!」
『誰にとられたかは私にはわかりかねます』
「なんだそれ!知らねえのかよ!」
『手抜きだよ』
「ああそうか、ってなんでだよ!ちゃんとしようぜ!」
『誰でもいいじゃねえか、じゃあリモコン泥棒』
「てきとうかよ!リモコン泥棒ならリモコンごと盗めよ!あるだろ、彼女が冷え症だからとかよ!」
『もう暑くて暑くて。やる気出ないよ。設定温度32度ぐらいなんだぜ?』
「そりゃちょっと同情しちゃうな」
『それでもつけないよりはマシかなって思ってつけるんだけどさ。まるで意味がない。扇風機以下』
「それでもエアコンに頼る気持ちわかるなぁ」
『もう汗だらだら。長袖なんか凄く重くなっちゃって』
「とりあえず長袖を半袖にかえろ!」
『しょうがないから外に出るんだ。外の方が涼しいからね。だけど世の中エコだろ?もうエコでさ。エコエコで、エコエコアザラクなんだよ』
「ギャグの拾い食いすんな!なんだよエコエコアザラクってよ!」
『もうエロイムエッサイム』
「わけわかんねえこと言うな!」
『電車なんてどの車両も微弱冷房でさ。暑くて暑くて』
「まあエコ目的だけじゃなくてエアコンが苦手な人もいるからね」
『ああ、お腹痛くなっちゃったり、手足が冷えたり』
「そうそう、頭が痛くなったりする人もいる」
『そういう人がいるならしょうがないよな』
「今完全に手ぇ抜いただろ!やめろって!」
『いや、だって電車は公共の乗り物だからそういう部分には気を使わないと』
「正論だけど!」
『おれみたいに夏だってのに薄着するとお腹が痛くなる人もいるんだから』
「だから長袖着てるのか、って長袖もボケじゃなかったのかよ!ボケろよ!」
『ボケる度におれの部屋のエアコンの設定温度が上がっていくんだよ』
「嘘つけ!何センサー搭載のエアコンだ!」
『おい!お前ちょっと暑苦しいよ、ただでさえ暑いのに。手ぇ抜いてくれよ』
「ええ!?…………まあちょっとやってみるか」
『………暑い』
「まあ夏だからね」
『夏が一番好きな季節なんだけどね』
「色々あるからね夏は」
『おれワンピース着ようと思ってんだよね』
「お前女装の趣味あったっけ?」
『いや違う。バカだな。着物だってワンピースだろ?』
「ああ、なるほどね」
『まあ着物は着ないけどね。楽そうじゃん、ワンピース』
「そうだね」
『まあズボンくらいははくけど』
「へー」
『ほらおれ女子高生がスカートのしたにジャージ着てるの好きじゃん』
「そうなんだ」
『……………』
「……………」
『やめようか』
「そうだな」
『ついでにこれもやめよう』
「そうだな。じゃあ最後にひとつボケを」
『いやぁアツはナツいねぇ』
「手抜きやめるのおれだけかよ!もういいよ!」


終わり なーむー