読んだら損する「運命はテイクアウト」(8)
「内閣総理大臣、犬を食う」
が、この日のトップニュース。外交上がどうたら、動物愛護団体がこうたら、短髪の女子アナ崩れとデブチン文化人が文句を言ったりしている。バックの画面にはチワワの写真。いやチワワは食うとこ無いだろ。
「犬でも猫でも鯨でも勝手に食え。こっちは人を殺しているんだ」
イライラしながら次のニュースを待つ。リモコンを持つ手が震えているのに気付いてタバコに火をつける。やけに薬臭い。
十五分後、
「え、ニュースが入りました。えー、都内の公園で女性のヘンタイが発見された、えっ、…失礼しました…女性の変死体が発見された模様です。都内…A区の公園で女性のヘンタ変死体が見つかりました。詳細が分かり次第お伝え致します。はい。続いてはスポーツコーナーです」
なにおもしろニュースにしてるんだよ!人の気も知らないでNG大賞行き確実なこと言いやがって。えぇい。台無しだ。緊張感が台無しだ。チャンネルをかえる。
「安い、安い、人気のミックスが安い!安心の専門トップブリーダー制!ペットのことならナガイ!ナガイにおまかせ♪」
ペット屋のCM。美味しそうにしか見えねえよ。
チャンネルをかえるがどこも都内の女性変死体のことはやってなかった。仕方無くチャンネルを戻す。この日、日本人メジャーリーガーは調子が良かったみたいで元力士のアナウンサー?は興奮して伝えている。沈痛な顔してたと思ったらキャピキャピはしゃぐ。カオスだ。
二本目のタバコを吸い終わるとようやくスポーツコーナーは終わった。
「はい、頑張れ日本人メジャーリーガー!この活躍を続けて欲しいですね。…え、先程お伝えしました、都内公園で見つかった女性変死体、首を絞められた形跡がある、とのことです。首を絞められた形跡がある模様です。警察は殺人の方向で捜査を進める方針だということです。えー、はい、え、被害者の女性は、川村知美さん、22歳、大学生。え、もう一度繰り返します。被害者の女性は川村知美さん22歳大学生です。引き続き情報が入り次第お伝えしたいと思います。はい。…木根さん、大学生の死体が公園で見つかったということですが、どうでしょう」
アナウンサーが原稿を読み上げている合間にあの公園が映った。あのドーナツトンネル。警官に野次馬に黄色いテープ。もう確実だ。デブチン文化人の木根は難しそうな顔をしている。さっきまでは喜色満面でスポーツコーナーを聴いてた。まあ別にそれを責める程僕だってガキじゃない。ただ今回に限ってはぶん殴ってやりたいぐらいむかつく。
「うーん、物盗りの犯行か、はたまた、ストーカーのような人間関係からの犯行なのか、無差別な犯行なのか、うーん、今後の捜査に期待したいですね。それにしても最近は物騒になりましたね。外出する時は十分注意していかなければなりませんね」
「はい。続いては“今日の特集”です。今日は」
テレビを消す。
22歳、大学生。
22歳、大学生。
22歳、大学生。
だったんだ。
僕の中で妙な興奮が。高校中退という僕の学歴コンプレックスによるものだろうか。きっと彼女は才色兼備で秀才で22歳なら就職もうまくいっていたに違いない。多分ウンコなんてしない人種だ。22歳、大学生。あんなに綺麗だったのだから彼氏の一人もいただろう。家族仲も良好に違いない。恋も愛も夢も生活も、僕は彼女の全てを奪った。なんも無くなった。無にした。体がわなわなと震える。このまま外に出て、「俺が殺したんだ!」、と叫びたい。石ころを蹴飛ばしたい。誰かを蹴飛ばしたい。蹴飛ばすついでにもう一人…。
部屋を出て階段を駆け下りトイレに飛び込む。便器に顔を突っ込み、吐く。出来るだけ静かに。胃液しかでない。口の中が酸っぱく、粉っぽい。カラカラとトイレットペーパーを巻き取り、水を流す。部屋に戻る。
もう一人?僕はもう一人殺したいのか?自問自答する度に吐き気が僕を襲う。頭痛もしてきた。なんなんだ一体。自分勝手。殺人。殺人狂。
涙が頬を伝う。自分勝手な涙。彼女はもう涙さえ流せないのに。
五月蝿い。僕が五月蝿い。だまれ。もうなにも考えないでくれ。五月蝿い。五月蝿い。五月蝿い。
ダンゴ虫のように体を丸めた。耳を塞いでも意味がないことは知っているからしなかった。
が、この日のトップニュース。外交上がどうたら、動物愛護団体がこうたら、短髪の女子アナ崩れとデブチン文化人が文句を言ったりしている。バックの画面にはチワワの写真。いやチワワは食うとこ無いだろ。
「犬でも猫でも鯨でも勝手に食え。こっちは人を殺しているんだ」
イライラしながら次のニュースを待つ。リモコンを持つ手が震えているのに気付いてタバコに火をつける。やけに薬臭い。
十五分後、
「え、ニュースが入りました。えー、都内の公園で女性のヘンタイが発見された、えっ、…失礼しました…女性の変死体が発見された模様です。都内…A区の公園で女性のヘンタ変死体が見つかりました。詳細が分かり次第お伝え致します。はい。続いてはスポーツコーナーです」
なにおもしろニュースにしてるんだよ!人の気も知らないでNG大賞行き確実なこと言いやがって。えぇい。台無しだ。緊張感が台無しだ。チャンネルをかえる。
「安い、安い、人気のミックスが安い!安心の専門トップブリーダー制!ペットのことならナガイ!ナガイにおまかせ♪」
ペット屋のCM。美味しそうにしか見えねえよ。
チャンネルをかえるがどこも都内の女性変死体のことはやってなかった。仕方無くチャンネルを戻す。この日、日本人メジャーリーガーは調子が良かったみたいで元力士のアナウンサー?は興奮して伝えている。沈痛な顔してたと思ったらキャピキャピはしゃぐ。カオスだ。
二本目のタバコを吸い終わるとようやくスポーツコーナーは終わった。
「はい、頑張れ日本人メジャーリーガー!この活躍を続けて欲しいですね。…え、先程お伝えしました、都内公園で見つかった女性変死体、首を絞められた形跡がある、とのことです。首を絞められた形跡がある模様です。警察は殺人の方向で捜査を進める方針だということです。えー、はい、え、被害者の女性は、川村知美さん、22歳、大学生。え、もう一度繰り返します。被害者の女性は川村知美さん22歳大学生です。引き続き情報が入り次第お伝えしたいと思います。はい。…木根さん、大学生の死体が公園で見つかったということですが、どうでしょう」
アナウンサーが原稿を読み上げている合間にあの公園が映った。あのドーナツトンネル。警官に野次馬に黄色いテープ。もう確実だ。デブチン文化人の木根は難しそうな顔をしている。さっきまでは喜色満面でスポーツコーナーを聴いてた。まあ別にそれを責める程僕だってガキじゃない。ただ今回に限ってはぶん殴ってやりたいぐらいむかつく。
「うーん、物盗りの犯行か、はたまた、ストーカーのような人間関係からの犯行なのか、無差別な犯行なのか、うーん、今後の捜査に期待したいですね。それにしても最近は物騒になりましたね。外出する時は十分注意していかなければなりませんね」
「はい。続いては“今日の特集”です。今日は」
テレビを消す。
22歳、大学生。
22歳、大学生。
22歳、大学生。
だったんだ。
僕の中で妙な興奮が。高校中退という僕の学歴コンプレックスによるものだろうか。きっと彼女は才色兼備で秀才で22歳なら就職もうまくいっていたに違いない。多分ウンコなんてしない人種だ。22歳、大学生。あんなに綺麗だったのだから彼氏の一人もいただろう。家族仲も良好に違いない。恋も愛も夢も生活も、僕は彼女の全てを奪った。なんも無くなった。無にした。体がわなわなと震える。このまま外に出て、「俺が殺したんだ!」、と叫びたい。石ころを蹴飛ばしたい。誰かを蹴飛ばしたい。蹴飛ばすついでにもう一人…。
部屋を出て階段を駆け下りトイレに飛び込む。便器に顔を突っ込み、吐く。出来るだけ静かに。胃液しかでない。口の中が酸っぱく、粉っぽい。カラカラとトイレットペーパーを巻き取り、水を流す。部屋に戻る。
もう一人?僕はもう一人殺したいのか?自問自答する度に吐き気が僕を襲う。頭痛もしてきた。なんなんだ一体。自分勝手。殺人。殺人狂。
涙が頬を伝う。自分勝手な涙。彼女はもう涙さえ流せないのに。
五月蝿い。僕が五月蝿い。だまれ。もうなにも考えないでくれ。五月蝿い。五月蝿い。五月蝿い。
ダンゴ虫のように体を丸めた。耳を塞いでも意味がないことは知っているからしなかった。